第57話 尊い犠牲
「クローー!! どこだーー!!(´;ω;`)」
俺は爺さん&ウサ太郎と一緒にクロを探していた。
「わ、わしの【ファイナルヘソクリパート2】が……」
「ピギィ……」
「爺さん! 今はクロを探すことに専念してくれ!」
「専念できるわけないじゃろ! 全財産を失ったのじゃぞ!? もうこんな世界なんて滅びてしまった方がいいんじゃ! うひゃひゃひゃ!」
「爺さんが壊れてしまった……(´;ω;`)」
奇声を発する爺さんを引っ張りながら無人と化した街を歩く。
まだモンスターと鉢合わせしていないし、襲われた人間も見かけていない。つまり、避難は完了していると考えていいだろう。きっとクロも避難したに違いない……頼む、そうであってくれ。
「ピギィー! ピギィー!」
「どうした、ウサ太郎……こ、これは!Σ(´・ω・;`)」
ウサ太郎が指差した先には、モンスターの死骸が数え切れないほど転がっていた。
「うひゃひゃひゃ! 世界は滅亡じゃー!」
「爺さん、正気に戻れ! モンスター共がくたばっているぞ!(´・ω・`)」
「ふむ、何者かがモンスターを討伐したようじゃな」
「自分から言っておいてアレだけど、あっさり正気に戻るな(´・ω・`)」
しかし、爺さんの言う通り、モンスター達は全て目を瞑って倒れている。ドラゴン系モンスターも、獣人型モンスターも、ゾンビっぽいモンスターも、一匹残らず討伐されている。なんか寝息みたいな音も聞こえるような気もするが、多分気のせいだろう。
騎士団はセバスチャンによって無力化されているし、シャルはいないみたいだし、一体これだけの数のモンスターを誰が討伐したのだろう。
「ピギィー! ピギィー!」
「!? タナケン! こっちじゃ!」
「ん?(´・ω・`)」
爺さんとウサ太郎に呼ばれて駆け寄ると、そこにクロが倒れていた。
「クロ!!! しっかりしろ!!! おい、大丈夫か!!!(´;ω;`)」
俺は恐れていた事態が現実になってしまったことでパニックに陥り、クロをめちゃくちゃ揺さぶる。しかし、クロは返事をしない。
「クロに一体なにが……こ、これは!?(´;ω;`)」
俺は近くに散らばっていた割れた電球の破片のようなものを拾って集めた。
「なんじゃ、それは?」
「クロが持っていたドカ食い気絶スキル(レベル5)のスキル玉だ。ほら、これを見てくれ(´;ω;`)」
集めた破片を集めると、マジックペンで書かれた「クロ」の文字が繋がった。
「クロはよく物をなくすから俺が名前を書いてやったんだ。それとモンスターに襲われたら、スキル玉で目眩ししろって言い聞かせていたんだ(´;ω;`)」
「ふむ。つまり、食いしん坊ガールはモンスターに襲われたということじゃな」
「それにこれを見てくれ。服に蹴られたような痕がある。おそらく避難している間にモンスターと遭遇してスキル玉で抵抗したが効かず、打撃攻撃で吹っ飛ばされてしまったんだ(´;ω;`)」
「うぅむ……口元に(チョコの食べカスのような物がついているが、流石に避難中にチョコを食べているわけないから多分)血がついておるの……。モンスター軍団、酷いことをするもんじゃのぉ……」
「ちくしょー! 俺が家に置いていかなければこんなことにはならなかったのに!(´;ω;`)」
「タナミン、自分を責めるでない。食いしん坊ガールに裁判は早かった。誰でも同じ選択肢を取っていたじゃろう。とにかく食いしん坊ガールの犠牲を無駄にしないためにも我々は生き延びるしかないぞぃ」
「うぅ……クロ……モンスター達を追い出したら、お墓に普通のチョコ棒を入れてやるからな。プレミアムは高いからダメだけど(´;ω;`)」
俺はクロの死体をおんぶして避難場所である体育館へ歩き出した。クロの死体を安全なところまで運び、セバスチャンと戦っているであろうアイリを助けに行かなくてはならない。なんか背中から寝息のような音が聞こえるが気のせいだろう。
「そういえば、さっきタナリンハウスの前で待ち伏せしていた女性に似たような人物も倒れていたような気もするのぉ……」
「爺さん、なんか言った?(´;ω;`)」
「いや、気のせいじゃ。体育館に向かうぞぃ」
「にしてもモンスター達は誰が討伐したんだろう(´;ω;`)」
「この街にも有望な冒険者がいるのかもしれんのー」
「すやすや(タナケンの後ろから聞こえてくる寝息)」
こうして俺達は体育館に辿り着いた。
「タナケン! 無事だったのね!」
アイリが駆け寄ってくる。
「アイリ! セバスチャンを倒したのか! 凄いな!(´・ω・`)」
「べ、別にアンタのためじゃないんだからねっ!」
「これで全員揃ったのぉ……残念な結末にはなってしまったが」
「え? どういうこと? クロは?」
俺は無言で首を横に振る。
「うそ……そんな……」
「俺達が辿り着いたときにはもう……(´;ω;`)」
「泣くでない。お主は最善を尽くしたのじゃ……」
「爺さんだって泣いているじゃねーか(´;ω;`)」
「うぐ……ひっぐ……」
「ピギィ……」
泣き崩れる俺とアイリと爺さんとウサ太郎。3分ぐらい泣き喚いたところで避難場所の係の人から「アンタらうるさい」と注意されたので、ひとまず避難スペースに座った。
「むにゃむにゃ、お腹すいた(寝言)」
「クロの声が聞こえた気がする。まだ信じられていないんだな、俺(´・ω・`)」
「そうね、私も聞こえた気がするわ」
「わしも聞こえた気がするが気のせいじゃろう」
「ピギィー!」
朝から裁判→死闘→クロとの死別で大変だった。ようやく休めて少しだけ気が緩んでいた。
「しかし、避難したのはいいけど、侵攻してくる魔王達は誰かが倒してくれているのかな。騎士団は全員避難しているみたいだけど(´・ω・`)」
俺は体育館の隅っこでトランプしている騎士団達を見ながら言った。
「食いしん坊ガールの周りのモンスター達も全員ぶっ倒れていたことじゃ。誰かが倒してくれているんじゃないかのぉ」
ドカーーーン!!!!!
体育館の外から凄い音がし、悲鳴が聞こえてくる。
「うん。誰も戦っていなかったみたいだ(´・ω・`)」
「やれやれ、また困ったものじゃ」
「呑気なことを言っている場合じゃないでしょ! 早く逃げなきゃ!」
「次はどこに避難……ってギャアアア!!!)))ω・`)」
体育館の壁が崩壊して、瓦礫が俺にぶつかってきた。
「ここにいたのか、タナカス」
「お前はダークマター! ついに来やがったか!)))ω・`)」←顔に瓦礫がめり込んでいる
「どうやらセバスチャンとキャサリンを倒したようだな。だが、我々の恐ろしさはここからだ」
ダークマターの後ろには無数のモンスター達がいた。デビル型モンスターや天使型の厨二病的デザインのモンスター達が飛びまくっている。
「タナケン! 早く逃げましょ!」
「いや、戦う。クロがやられたのに黙って逃げられるか!)))ω・`)」
「無理じゃ! どうせお主の持っているゴミみたいなスキルでは無理じゃ!」
「ゴミ言うな! 最近は主人公らしい活躍ができていなかったんだ! 最後ぐらいバシッと決めたるわ!)))ω・`)」
「タナケン、落ち着いて! あなたはこれまで一度も主人公らしい活躍をしていないわ!」
「そうじゃ! 最近のキャラ再登場率的におでんツンツン(元)勇者がそろそろ再登場するはずじゃから、お主は余計なことせんでいい!」
「ピギィー! ピギィー!」
ボロクソ言われているが、俺にも主人公としてのプライドがある。
「おら! かかってこいや!)))ω・`)」
「フッ、威勢がいいな。だがタナハン! 貴様の相手はわしではない!」
「なんだと!?(´・ω・`)」←やっと瓦礫が取れた
「紹介しよう。我がダークマターなかよしフラワー軍団の新幹部を!」
「組織名ダサっ!(´・ω・`)」
ダークマターの後ろから出てきた人物を見て、俺達は驚愕する。
「なん……だと……?」
「まさかお主が……」
言葉を失う俺と爺さん。
「新たな幹部、おでんツンツン魔王補佐だ!」
「ふふふ、私を中傷した人間達よ! 後悔するがいいわ!(ヤケクソ感)」
そこにいたのは、おでんツンツン(元)勇者だった。
「…………(´・ω・`)」
「…………(爺さん)」
「敵キャラで再登場するんかい!(`・ω・´)ノ」
かくして! ついに俺とダークマターと(ついでにおでんツンツン)との最終決戦が始まるのであった!
「むにゃむにゃ、ハンバーグ食べたい(寝言)」←タナケン達には聞こえていない




