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ライト・イン・ザ・ミドル~魂のど真ん中  作者: もこもこ
第一章 Season 1 高校入学編
3/3

3 Season 1 運命に導かれて~

ちまちま書いていきますので応援くださると幸いです。


「2ストライク1ボール浦安君投球5球目を投げました!」

「これは外れてボール」

「決めに行った球ですが力が入ったようです」

「それでも2ストライク2ボール」


「打席の朝来君が一度打席を外し天を見上げます」


「さぁ天を見上げた朝来君。気合を入れて打席に入りました」




「ねえひかる いきなりどうしたのよ」


「ねえってばひかる」


さっきまで春も甲子園あるじゃんとか大会すら理解してないひかるだったはずが

目の前のテレビを食い入るように見つめている

そんなひかるに声をかけても返事が無いため顔を覗き込むと


「えっ!その汗どうしたのよ」


いくら真夏とはいえ、エアコンが付いているこの部屋なのに野球してるくらいの汗をかいている

そんなひかるは鋭い目つきでボソッと呟くように声を出す


「ダメだ…投げちゃダメだ」


「投げちゃダメって何言ってるのよ!投げ無きゃ野球じゃないでしょ!!」


「違う!違う!!でも投げちゃダメなんだ!!!」






「甲子園決勝も大詰めカウント2ストライク2ボール投球6球目」

「あとストライク一つで48年ぶりの優勝となるか総武学院」

「はたまた次に繋ぐことが出来るか明岩商工」

「投球6球目浦安君投げました!!!」



「投げたらダメ!相手笑っ……」



そうひかるは呟いたが最後まで言う前に甲高い音と歓声。

実況の声にかき消された。



「打った!!!!打球は左中間方向は伸びていく!!!!」

「センターの妙典君追う追う!打球はまだ落ちてこない!!!!」

「妙典君がこちらを振り向くが…フェンスに当たって」

「浜風に乗ってるぞ!!!!!……入った!!!!!!!!スタンドに入りました!!!!!」



これでもかと言うくらいの歓声と歓喜がテレビ越しからでも伝わってくる

もはや全身鳥肌が立つような瞬間



「朝来君、3塁ベースを回ってホームへ……サヨナラ!!!」

「明岩商工30年ぶり優勝!!!!なんという幕切れでしょうか!!」



ホームに選手が集まり人差し指を突き上げ全員が喜び、ホームへ帰ってくるまで真剣な顔だった

朝来君も満面の笑みで仲間と喜びあっている

打たれた浦安君はマウンドから立ち上がる事が出来ず仲間に声を掛けられるも未だ立ち上がれない

超満員のスタンドも歓喜と興奮が肌で伝わる一方、3塁側総武学院応援席からは涙を流す人の姿が多数見受けられた





そして千葉県某所の一室でも同じ状況となっていた


紗彩はテレビを見ながら涙があふれ出ており、声を抑えようにも感情が追いつかず泣いている

ひかるも固まったままテレビから目線を離せず30秒か1分か

はたまたそれ以上の時間が止まったかのような時が流れていた。


テレビの中では、終了のサイレントともに明岩商工のナインがホームに集まり歓喜の人差し指をみんなで掲げている。

指を下すと抱き合う者。涙する者。朝来君に手荒い祝福をする者。


思い思い感情を爆発させる傍ら、対する総武学院の面々は下を向き崩れ落ちる者。

エース浦安君に声を掛けにいく者。前を向くが涙が溢れ、絶望感に抗うような姿を見せる者。


相対する双方の姿がテレビの先に映っているが、光と紗彩には受け止め理解するには時間の流れが速すぎて二人の感情が理解出来る程余裕が無く幕を閉じた。


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