別れ=始まり、Our Eternal Bond
厨二病「お前に会うために、塾を抜け出した。お前に謝りたかったんだ。最後まで会えなくて。」
僕「そんな、僕は、君の気持も考えないで…」
厨二病「気にするな、俺が塾に行き忘れたのが悪い。」
僕「なんで、引っ越すの?」
厨二病「母さんがな、遊ぶような環境では勉強できないって。現に俺の成績は下がり気味だったしな。」
僕「ごめん、僕が誘わなければ……」
厨二病「…」
僕「…」
厨二「俺はさ、塾に行かずに遊んだことも、今こうやって抜け出したことも、何も後悔はしていない。」
僕「え?」
厨二病「ここでやらなかったら絶対後悔してた。だって…やっぱさ…俺はぁ…お前ともっと遊びたいし…塾なんて嫌だし……新しい学校でぇ…お前みたいな…やつと出会える自信ねぇよ…やっぱ辛いよぉぉ…クソ野郎ーーー!!!」
こらえきれなかったのか、厨二病君は泣き出した。
僕はしばらく動けなかった。なぜなのか、なんで自分のために泣いてくれる友達に、何もできないんだろう。自分に嫌気がさす。変わりたい。僕も、後悔したくない!
僕「な、泣くな少年…!」
厨二病「え…?」
僕「お前は俺が認めた唯一にして無二の存在!俺たちの間に流れる絆、エターナルボンドは、勉強などという小さな障害の前では無意味!だって俺たち、ベルゼブブと戦ったんだぜ!?」
厨二病「お前……」
僕「俺とお前は盟友、いや、親友だろ?お前が遠くに行ったって、もう会えなくなっても、俺たちはつながってるんだよ!そう……そう!ラーメンみたいに、長い糸で結ばれてんだ!」
厨二病「ははは、なんだよwそれwキャラ壊れてんじゃんww」
僕「お前もな、いつもの厨二病はどこいった?」
僕、厨二病「「……」」
僕、厨二病「「あはは」」
僕、厨二病「「はははははwwww」」
僕、厨二病「「うわーーーん」」
僕たちは笑いながら泣いた。抱き合いながら、1時間くらい泣いた。正直見苦しいし、小学生みたいな泣き方で、それでまた笑った。そしてまた泣いた。
厨二病「俺は絶対お前のことは忘れない。」
僕「もちろん、君みたいなやつ、忘れるほうが難しいよw」
厨二病「うるせw」
僕「…」
厨二病「…」
僕「これは別れじゃない、僕たち2人の新たな旅立ちだよ。」
厨二病「無論だ。ともにこれからも冒険しよう!」
僕たちは固い握手を交わした。次の日、彼のお別れ会が開かれ、短く長い夏の物語は幕を閉じた。
6年後、僕は生物について興味を持ち、大学でも生物学部に入学した。新たな旅たちとして持って来いの場所だ。
教室に向かい、最初の授業に臨む。
席に着くと、横では早速寝ている学生がいる。新学期というのに、なんて怠惰な…
席についてすぐチャイムが鳴る。僕は前を向きなおし、まじめに授業を受ける。
90分後、いまだに寝ている男子学生を軽蔑の目で見る。なんのために大学に来ているんだか。
どんな顔か拝んでやる!
僕「………!!!」
その姿を見て、僕はすべてを理解した。
僕は漏れそうな涙をこらえ、いつも寝てて、妄想癖で、1人が怖くて、でも誰よりも友達思いの彼に声をかける。
「ほらこれノート。授業、分かってなかったでしょ?」