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冒険、Our Friendship

僕「おいしかったね。じゃあ裏山に行こうか」


厨二病「そうだな。人間にしては良くやっているほうだ。こうもしてる間にベルゼブブは力を蓄えている!手遅れになる前に早く行くぞーーー!」


僕「あ、ちょ待ってよ」


突然厨二病君は走り出す。僕はキムタクみたいなセリフを吐いて追いかけた。


30分くらいたっただろうか。学校で話題になっているでかいカブトムシとクワガタが出ると噂のエリアまで来た。


厨二病「確かに、すごい邪気を感じる。これが魔王の力か!だがこの盟友とともにいる吾輩の前では無意味!友よ、共に英雄の称号を取り入れようじゃあないか。」


僕「ベルゼブブって蠅の王なんでしょ?僕の家川の近くにあるからハエならよく飛んでるよ。」


厨二病「身の程知らずがベルゼブブはキリスト教の悪魔だ。バアル・ゼブルという神が魔王になったのだ。」


僕「よくわかんないけど、実は昨日の夜に、お父さんに手伝ってもらってバナナを吊るしておいたんだ!多分いっぱい集まってるよ。」


厨二病「うむ、素晴らしい作戦だ。魔王の根城に忍び込み罠を仕掛けるとは……。まるで軍師孔明だな。さすがだ我が盟友よ。」


しきりに「盟友」という言葉を使う。よっぽど友達ができたことが嬉しかったのか、もちろん僕もうれしいよ。


僕「ここら辺に……、あ!いっぱいいるよ、厨二病君早く!!」


厨二病「なに!本当だ、ベルゼブブの手下であるコガネムシの怪物じゃあないか!赤紫がカオスした鈍い緑のダークマター!こいつは手強いぞ!」


僕「随分詳しいんだね!あ、あそこカブトムシじゃない!?」


厨二病「な!?あれはベルゼブブの右腕、ヤマトカブトの怪物『サムライキング』じゃあないか!捕獲せよ!!」


僕「うん、分かった!せぇい!」


僕は厨二病君の合図とともに虫取り網を振り下ろす。


僕「やった、捕まえたぞ。」


厨二病「よくやった。そいつはベルゼブブ魔王軍最強の剣士とも称される猛者だ!」


僕「あれ!クワガタじゃない?」


厨二病「なんだと!?魔王軍の両翼が同時に……フッ、ベルゼブブも我々の攻撃に焦りを隠せないのだな。」


僕「それってどんな奴?」


厨二病「ああ、奴の名は『ギロチンキング』、ノコギリクワガタの怪物だ。強靭な顎で敵を粉々にする。まるでマリーアントワネットの処刑のようにな!早く捕まえないとやられるぞ!」


僕「あいよ、任された!」


厨二病「おお、貴様、採集の才もあるとは。軍師だけでなく狩人の力もあるのか、まるでギリシャ神話のオリオンのようだ。」


僕「へへへ、僕虫取りの才能があるんだ。そうだ、この二匹で相撲を取らせて遊ぼう!」


厨二病「いいだろう、吾輩の使役魔法を使えば魔王軍の両翼であっても思いのままだ。吾輩の力にひれ伏せ!!」


結果は10勝0敗、僕の圧勝だった。途中でカブトムシとクワガタを入れ替えて勝負をしたが、どうあがいても中二病君は勝てなかった。


厨二病「ええええい!こんなことが許されてたまるか、まさかお前、魔王軍の手先か!?裏切ったというのか、ならば仕方ない、吾輩の究極奥義『デッドオブデスオーバーレイザー!』を喰らえ!」


僕「わあぁ、僕のせいにしないでよ~」


厨二病君は僕のことをキレながら追いかけてきた僕たちは山の中を走り回った。めちゃくちゃ楽しかったし、途中から厨二病君も笑顔で走っていた。


厨二病「はぁはぁはぁ…お前……なかなかやるな……」


僕「厨二病君こそ…何度か殺気を感じたよ…」


厨二病「もう夜だな、今日の勝ちは譲ってやる。しかし、次からはそうはいかない。今日はエンシャントダークドラゴンの封印が難しかっただけだ。」


僕「おっけー、また負かしてやるよ、マイフレンド。」


厨二病「フッ、貴様も軽口を叩けるまでに成長したか、マイフレンド。」


僕、厨二病「「ぷっ、、あははは、あはははははは」」


夜の山で、僕たちは笑い、遊び、友情を深めた。今まで生きてきて最高の日だった。初めての友達と、本当は行ったことなんてないラーメン屋でご飯を食べ、初めての遊びをして、2人で笑いあった。


僕たちの友情は誰にも切れない!また明日も遊ぼうね、明後日も遊ぼう、明々後日も遊ぼう、海にも行こう、遊園地にも行きたいな。そんな話をした。待ち合わせはまた、昼下がりの校門前だ。

























次の日、厨二病君が来ることはなかった。


その次の日も、またその次の日も。


海は?遊園地は?


また僕は友達を無くすのか。

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