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6 「キラッ☆ 幸せな未来!」

 勇者vs魔王って構図だけど、なんていうかもう。

 この流れは圧倒的に魔王側につく方が、俺にとっての最適解じゃねぇか。


「ミリシラ様! 馬鹿なことをしてないで、諸悪の根源たる魔王から美乳を奪うのです!」

「世界で最も美しい魔王の爆乳は捨てがたいが! 世界の為なんだ、ミリシラ! なんだったらその美乳を自分自身に『譲渡』することも可能なんだぞ!」


 お前、欲望だだ漏れじゃねぇか。

 それにこいつ、俺と同じ男のくせにわかってねぇ!

 俺はすぐ隣でばいんばいんと、マシュマロおっぱい押し付けてくる魔王の胸をつついてみた。


「なっ……! ミリシラ、こんな時に何を! くすぐったい! そ、そういうことは……この戦いの後で……」


 俺は至極、真面目な顔で結論を出した。


――おっぱいは自分に……ではなく、恥じらう女の子が持ってこそ最大の威力を発揮する!(観賞用的に)


 それがわからん不届き者には……!


 俺はにっこりと微笑み、魔王に会釈しながらそそくさとあいつらの元へ戻っていく。

 裏切られたと思った魔王はショックを隠しきれない顔で、それでも去って行こうとする俺に罵声を浴びせたり、無理やり連れ戻そうとしたりしなかった。

 この世界で最強と謳われていても過言ではない、豊満で美しい胸を持っているにも関わらずだ。

 やはり俺の気持ちは間違っていなかった。


「わかってくれたらいいんだ、ミリシラ。さぁ、こっちへ」

「マーズさん、俺……あんた達のこと、信じてたんですよ」


 そう告げて、俺は本能で察する。

 聖女ミリシラに与えられた、力の使い方を。

 両の手のひらを鷲掴みにするように指を精一杯広げて、そのまたマーズの爆乳をこれでもかと言う程、思い切り掴んだ。

 大きすぎて掴み切れないが、ぷよんぷよんの胸の脂肪に指が沈んで、あまりの柔らかさにちょっと昇天しかけてしまう。


「ミリシラ……っ! お前っ! やめろおおお!」

「あんたにこの爆乳は、ふさわしくない」


 あれだけ胸に沈みかけていた俺の指、そして掴みきれない程だった脂肪がみるみる萎んでいく。

 するとマーズから吸引した脂肪は、俺の胸へと移動していくようだ。俺のぺったんこだった胸が、吸い取った分だけ大きくなっていく。……重っ!

 ずっしりとした脂肪の塊が俺の胸に全て収まり、あまりの重さに俺の姿勢は猫背になって、ちぎれそうになる皮膚を庇おうと両手でおっぱいを持ち上げた。

 だ、だめだ……。これほどの重さ、この体では耐えられん!

 胸の重みで苦しんでいる俺に気付いたのか、魔王が慌ててさっきの赤いドラゴンを呼び出した。


「フレイムドラゴンよ! 今すぐ擬人化せよ!」


 魔王の一声に、真っ赤なドラゴン……フレイムドラゴンは一鳴きすると、体が徐々に変形していった。

 巨大だった体はどんどん縮んでいき、やがて一人の美少女へと姿を変える。

 魔王と同じく真っ赤な長髪、そして金色の瞳。魔族の証、みたいなものなんだろうか?

 元ドラゴンの美少女は俺に駆け寄って、その胸を差し出す。

 見ると、ミリシラの元のちっぱい程ではないが、慎ましやかで謙虚なお胸がまた魅力的だ。


「ミリシラ! フレイに『譲渡』するがいい! お前の皮膚がちぎれてしまう前に!」

「さぁ、どうぞ!」


 そう言って、ずいっとささやかな胸を突き出され、俺はちょっとさすがに恥じらいながら、そっと両手でフレイという美少女の胸に両手を乗せる。

 ミリシラの小さな手にも収まる、程よい胸に多少なりとも興奮を抑え切れない状態の俺は、自分の胸にある脂肪がフレイを移動するイメージをした。

 するとマーズにした時と同じように、俺の胸が小さくなっていくと同時に、フレイの胸がどんどんと膨らんでいくのが見て取れた。


「な、なんてことを! ミリシラ……っ! 私の胸を返せっ!」

「うるせぇ! もうお前等とは終わりだ!」

「許せません! 神への冒涜です!」


 コノハが魔法の杖を構えて、何やら呪文を唱え始めるが、魔王の方が早かったようだ。

 俺がフレイに胸の脂肪を譲渡している間、すでに行動していたらしい。

 魔王の放った茨の蔓のようなものがコノハに巻き付き、なんていうかこう、何かしらのプレイに見えんでもなかった。ぎゅうっと縛られたコノハが声を上げる。

 そして剣を構えて立ち向かおうとした勇者エンディだったが、先ほど爆乳へと生まれ変わったフレイが炎系のブレスを吐いた。あ、それ擬人化バージョンでも出せるんすね?

 エンディはブレスを剣で薙ぎ払い、突っ走ってくる。

 あれ? こいつ、バカにしてたけど実は本当に実力がある奴なのか?


 いや、違うな……。


 俺はエンディを指差し、それが正式かどうかは知らんが、宣言してやった。


「俺、ミリシラはエンディミオンとの婚約を破棄して、魔王との婚約を正式のものとする!」


 さっきとは違い、今度ははっきりと。

 エンディミオンとの婚約を解消させて、魔王と婚約したことを口にした。


「あぁ……っ! ぼ、僕の雄っぱいが……っ!」

「その言い方やめろ」


 次に吐いたブレスで、エンディミオンは情けない声を上げて後退していく。

 そうだ、聖女ミリシラの恩恵が無くなれば、こいつはただのヤリチン野郎。

 恐るるに足らずだ!

 

「あっ、待ってよ! エンディ!」


 腰が抜けかけながら逃げていくエンディを追いかけるように、同じく非力となったつるぺたマーズがメス顔になって追いかけて行った。

 静かになったところで、俺はコノハに詰め寄る。

 キッと俺のことを睨みつけているところから、俺の力を利用していたのは間違いなさそうだな。


「こんなことをしてタダで済むとお思いですか?」

「少なくとも、お前達のところにいるよりよっぽどマシだよ」


 俺は自分の口調で喋ってるんだが、出ている声は完全に幼女の声なので、なんかすげぇ変な感じだ。

 ギリギリと締め上げる茨の蔦の間から、コノハの柔らかすぎる巨乳がはみ出ている。なんてけしからん光景だ。

 俺はコノハの胸を鷲掴みして、吸い上げていく。

 

「あっ、あっ……! やめてぇ! せっかく大きくなったのにいい!」

「ん?」

「ミリシラ様、許してください。なんでも言うこと聞きますから。だからぁ、またぺたんこに戻るのは勘弁してくださいいい!」


 はは〜ん、そういうことか。


「お前も俺と同じ、ちっぱいだったのか」

「みんな胸が大きくなっていく中、私だけ貧相で……っ。こんなにおっぱいを信仰しているのに。だから私はミリシラ様のお力で、大きな胸を授けてもらったんですぅ」

「なのに俺のこと、あんな風にバカにしてたんだな」


 どうあっても、こいつの本性はもう見てしまった。

 同情の余地はねぇ。

 俺はコノハが言う、貧相レベルに胸を残して、その半分の脂肪が俺の胸に収まった。

 これくらいならなんとか、俺の華奢な体でもなんとかなるな。


「えぇ〜ん! せっかく強くなれたのにいい!」

「ミリシラをぞんざいに扱った罰だ! 私達が大空へ舞い上がったらその茨を解いてやろう! そしたらすぐにこの領域から立ち去れ!」


 魔王が高らかに告げると、フレイは元のドラゴンの姿に戻って、俺と魔王をその背中に乗せる。

 大きな翼を羽ばたかせ、大空へと舞い上がる。命綱も何もない状態で、落っこちたら確実な死が待っている状態で俺がビビっていると、魔王がそっと寄り添って支えてくれた。


「案ずるな。私が付いている。これからも、ずっと……」


 安心して下を見ると、魔王は自分が宣言した通り茨の蔦を解いて、コノハが大声で泣きながら走って行くのが見えた。俺にとっては短い付き合いだったけど、気分が悪くなるには十分な経験をさせてくれたような奴らだ。

 むしろちょっと清々している自分がいる。


 もにゅっと胸が腕に当たって、俺は性別が女であるにも関わらずドキドキしていた。

 仕方ないだろ、中身は前世の記憶がしっかり残ってる健全な大学生なんだから。


「ミリシラ、もうお前に惨めな思いはさせない」

「ありがとう、魔王。あんたが来てくれなかったら、俺は何も知らずにあんたを討伐していたかもしれなかった。本当に感謝してるよ」


 そうお礼を言って、魔王の愛らしい顔を覗き込む。

 めちゃくちゃ可愛くてクラクラする。

 魔王は満面の笑みを浮かべて、これからのことを俺に話した。


「ミリシラ、私が一生お前を守ってやる。だから、お前は自分の胸の大きさを気にすることなく、存分に人間達からおっぱいを奪って行くがいいぞ」

「……ん?」


 あれ、なんかおかしいな?


「お前がいれば、魔族も安泰だ。巨乳・爆乳の人間を、この手で根絶やしにしてやろうぞ!」


 あるぇー?


 魔王さん、それって……あの……。

 人間を根絶やしにするんじゃなくて、巨乳のお姉さんを一人残らず貧乳にするって意味ですか?

 そういうのは先に言ってくれないとーーっ!


 こうして俺は、爆乳だらけの魔界でーー。

 爆乳&美乳の魔王の妻……? になりました。

 時々、人間界へおっぱいを吸い取るお仕事をこなしながら……。


 吸い取る時のおっぱい鷲掴み放題……。

 それはそれで最高だから、まぁ良しとする!

貴重な時間を奪ってしまって、本当に申し訳ありませんでした。

読んでくださり、心からありがとうございます。

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