第8話 中間テスト突入
嵐のような1日が終わった。昨日は色々な体験をした。球技大会でのアツい戦い。異性に初めてビンタされたこと。とくかく、たくさんのことがあったのだ。
そして、俺はいつも通り自転車をこぎながら高校へと向かっている。
「キキッー。」
いつも通りのことはここにもあった。ブレーキの利かない俺の自転車。後ろを振り向くとそこには聖人がいる。
「よっ。アウラ。昨日はどうだった」
(やはりな。いつも通りの展開だな。)
「おはようさん」
「で。どうだったんだよ」
「見事に浦城問題は解決した。結局は浦城の勘違いという形だったけどな」
聖人は嬉しそうな顔をしながら、俺のことを見ていた。
「それだけか?昨日会った出来事は?」
「だいたいそんな感じだったな」
聖人は急に驚いた表情に変わった。そして、すぐさま俺に聞き返してきたのだ。
「えっ〜。アウラ。何もなかったのかよ。俺はてっきりそういう流れになっていると思ったのに」
「そういう流れってなんだよ」
聖人は呆れたように深いため息をしている。
(聖人のやつ何がいいたいのかさっぱりだな。よくわからん。)
「相変わらずだな。アウラ。無関心。無愛想。鈍感。顔をいいのにモテないのはそういうところが原因だな。きっと」
「別にそんなことはどうでもいい」
いつも通りの会話をしていると学校の予鈴がなり、俺たちは教室にあわてて駆け込んだ。
「ガラー」
教室のドアが開くと同時におなじみの担任の顔が現れた。
(今日も1日学校が始まるのか。退屈なんだよな。何か面白いことでも起きねぇかな。)
「みんな。おはよう」
「おっ。お前ら退屈そうな顔しているぞ。そんなお前らに良い情報だ」
俺は担任の大島の話を聞いて、かなり期待に胸をふくらませてドキドキしていた。しかし、そのドキドキも一瞬でぶち壊される結果になるのだった。
「来週から中間だぞ。しっかり勉強しておくように。以上」
(はぁ。どこが良い情報なんだよ。ただの中間のお知らせじゃねぇかよ。)
「中間かよ。だりぃー。大島のやつ。なんて情報くれるんだよ」
「おい。美崎。そういうことはしっかり口に出さないで心で言え。それと先生を呼び捨てにするのはどうかと思うぞ。」
クラスのやつらは大爆笑。俺も心が緩んでいた。確実に俺は冷や汗をかいていることだろう。間違いない。
「アウラ。どんまい。後で呼び出しくらうぞ。」
笑いながら聖人が俺に話しかけてきた。俺の周りのやつも笑いながらドンマイと話しかけてきている。
(やっちまったな。後で呼び出し確定か)
「今日のHRはここまでにする。美崎。わかってるな?職員室まで来い」
俺は久々に職員室に来た。基本的には全く用がない場所だからである。
「美崎。思っていても声に出すな。俺はお前が嫌いじゃない。実際。やることはちゃんとやっている」
「ありがとうございます。以後は気をつけるように心がけます」
「まぁ。今日はこの辺で許してやるよ。初犯だしな。次は許さんぞ」
大島先生がそう言い終わると俺は職員室から廊下へと出ることになった。再び、万能女をここで見ることになった。
「あら、美崎君。職員室になんのご用だったのかしら」
(ん?なんだ。こいつのしゃべり方。こんなお嬢様口調だったか?)
「何ですの?こいつ、急にお嬢様口調みたいなことして。みたいな顔は。」
(やはり、こいつ。読心術の使い手か。って、違うな。たまたまだ。)
「お前。バカか」
「ちょっと、お前って失礼じゃないの?美崎君。」
「なんだ。ちゃんとしゃべれるんじゃねぇか。」
「昨日のことがあったから、美崎君にどう接していいか分からなかったのよ。」
「だから、お嬢様口調になるのかよ。やっぱ、すごい人ってのは、変わってるもんなんだな」
「何よ。その言い方。美崎君て失礼だよね」
「浦城。職員室に何か用事があるんじゃなかったのか?」
浦城は何かを思い出したような顔をした。しかし、浦城は表情がよく、変わるやつだな。ころころとたいしたもんだ。
「ごめんね。美崎君。私、部活の事でちょっと呼ばれてるの」
「おう。またな」
「・・・。」
「あっ。そうだ。美崎君?」
「って、いつも美崎君いなくなっちゃうんだから。」
俺は浦城が言葉をかける前にすでに立ち去っており、浦城はいつもタイミングを外す。
そして、俺は教室に入り席に着いた。後ろから聖人が話しかけてきたのだ。
「アウラ。どうだった?ずいぶん長いお説教みたいだったぽいけど」
「大島の説教自体は短かった」
「んじゃ、何が長かったんだ?」
「ん〜。あえて挙げるとするなら浦城との会話だな」
「へぇ〜ずいぶんの仲のよろしいことで」
聖人はこの手の話をする時はいつもニヤニヤしているな。
「そんなことより、聖人。今日からテスト期間で部活ないだろ」
「あぁ。たしかにないな。」
「じゃ〜俺に図書室で勉強を教えてくれよ」
「OK。」
俺は聖人と放課後の勉強会の約束をとりつけた。
「ガラー」
「失礼しま〜す」「失礼します」
俺と聖人は図書室で椅子に座って、勉強道具を机の上に置いた。
「じゃ〜アウラ。何から勉強するんだ。数学か?英語?それとも、古文?漢文?」
「じゃ、数学から頼む」
俺達は勉強を始めようとした。その時。図書室のドアが開いた。
「ガラー」
「失礼します」「失礼します」
2人の見覚えのある顔がドアから入ってきたのであった。
「あっ。」「あっ。」
俺と浦城はお互いの顔を見て声をあげた。
「どうした。アウラ。あれ〜。浦城麻美さんと篠本美琴さんじゃないですか」
「2人とも勉強ですか?」
「はい」「そうです」
「じゃ、一緒にやりませんか?みんなでやった方がはかどると思うし」
俺達は聖人の提案で4人で勉強することなった。
どうも毎日お久しぶりです。
新咲美羽です。
私の作品で会話中心になっちゃてますね。
でも、そんな私の作品を読んでくれてる皆さんいつもありがとうございます。
毎日、更新の方させてもらいますのでこれからもよろしく、お願いします。
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