第6話 決勝前の謎
俺は屋上に来ている。
なぜ、屋上かと言うと、体育館で浦城に呼ばれたからだ。
浦城についていった結果が屋上だったというわけなのである。屋上。俺。浦城。これが今の俺の現状だ。
そして、聖人が変なことをいったから浦城を変に意識してしまっている俺がいた。
(浦城が俺のことを好きだっていうのか。そんなバカな。あるわけない。)
そんなことを思っていた俺だが、心のどこかでは期待をしていたのかもしれない。
そして、さっきは気付かなかったけれど、今日は風があって気持ちいい。
日光は暑いんだけどな。それにこの光景は言葉では表せられないな。俺の視線の先に浦城の後姿、そして、眩しい太陽。なびく風。
そんな光景につい、浦城に見とれてしまった。
「ねぇ。美崎君?何であんなこと言ったの?」
「はぁ。何がだ?」
そして、浦城はこちらを向いた。
振り向いて近づいて来る。
(えっ。ちょっ。近付き…だぞ。)
パーン。乾いた音が屋上に響き渡った。
「えっ?えっ?えっ?」
俺はわけがわからずテンパってしまった。
なぜ、俺が叩かれたのか。聖人の情報はなんだったのか?
それが、俺の頭の中を駆け巡った。
そして、浦城は何も言わずに去っていったのだ。
「ちょっと待てよ。どういうことか説明しろよ」
しかし、浦城は振り返って悲しい表情を浮かべた。
浦城の行動はそれだけだったのだ。
(なんだ?あいつが怒っている理由がわからない俺が悪いのか。)
(誰か教えてくれ。)
そう、俺は心の中で叫んだ。
そうして、俺はここにいてもしょうがないと思い、体育館に戻ることにした。
そして、体育館で俺の想像通りのことが待っているのであった。
体育館では聖人が俺の帰りを待っていて、俺が帰ってくるとニヤニヤしながら聞いてきたのだ。
「アウラ。浦城は何だって?って、お前どうしたその顔?」
そう、浦城にビンダされたところが真っ赤になっていたのである。
(あいつ、完全に手加減しなかっただろ。)
俺はそう、思いながらも聖人と話していた。
「ん?浦城にビンタされた」
「聖人が行く前にあんなこと言うからちょっと期待しちまったじゃねぇか」
「いや〜。俺はてっきりそういうことなのかと思ったんだけどな」
「むしろ、俺なんてわけが分からない状態だぞ。ビンタはされるわ。浦城は何も言わずに屋上から出ていくわ」
「アウラ。しっかり、浦城に何で殴ったのか、聞いた方がいいんじゃないのか?」
「それには考えがある。この球技大会が終わったら、はっきりさせてやる」
「とりあえず、今は球技大会の決勝を集中しないと浦城問題も解決は出来ないし」
「アウラは何か策があるのか」
「すべては決勝リーグで勝って、勝って、勝ちまくれば答えは出る」
「何かあれば言ってくれ。俺も協力する。何か俺の勘違いからなっちゃった感じだしな」
(ん〜。そうだな。聖人にも協力して、もらうかな。)
「あぁ。頼むわ」
「でも、聖人。決勝の前に腹ごしらえはしとかないとな。」
「賛成〜。今日は購買で買っていこうぜ」
「そうだな。俺は焼きうどんでも食おうかな」
「アウラいいな。焼きうどん」
「聖人も買えばいいんじゃねぇか」
「ですよねぇ〜」
そう言うと俺たちは人が群がる購買へと足を進めた。
そこをみると。完全に人が群がっている。
(うわぁ〜。買える気がしねぇ。)
しかし、聖人のやつを見るとあいつはいつの間にか購買のおばちゃんの前まで進んでいる。
(聖人のやつ。どうやって、あそこまで行ったんだよ。しかも、もう、帰って来てるし。)
「じゃ。アウラ。あっちのベンチで食おうぜ。ってまだ、買ってないのかよ。遅いよ〜。」
「お前が早過ぎなんだよ。俺も行ってくるわ」
「しかし、俺がおばちゃんのとこまで行くには苦労をした」
俺がおばちゃんの前に行くとそこに残っているのは売れ残ったパンや人気のない商品がならんでいた。
「おばちゃん。それとそれ頂戴。」
「あいよ。380円ね」
「聖人。行くぞ」
俺らは昼食を食いながら次の決勝について色々話し合っていた。
そして、俺は浦城問題も解決する具体案を考えていた。
何個かはプランがあるのだが、上手くいかないかもしれないのでいくつかプランの用意が必要なのだ。
ついに昼食が終わり。決勝の舞台に上がる時がきたようだ。
俺達のクラスのバレー出場者は戦場という名の体育館へ赴いた(おもむいた)のである。
「よし。みんな行くか。」
そう。聖人が言うとみんなは気合いの入った声で返事をした。
「よっしゃ〜。」「やってやるぜ。」「おう。」
決勝リーグの初戦のブザーが今、鳴った。
すいません。毎日、更新しようと思ったのですがうまくいかなくて。
前回のあとがきでは次は決勝です。みたいなことをいったのですがまだ、決勝に入っていません。
決勝前の浦城とアウラのひと悶着書いてみました。
次こそ、決勝。そして、浦城問題は解決するのか?
ぜひ、見てみてください。
あと、皆さんも気が向いたら。評価でもしてみてください、私の書いたのはどのように評価されているのか。
気になっちゃいます。