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第二章 第一幕 旅立ち

 天文十六年閏七月も終わりに近づいたある日、武居茂玄(しげはる)は三人の女性、女神と天使に出会う。


 神と天使に与えられた薙刀(なぎなた)を扱う乙女、草彅(くさなぎ)葵衣(あおい)

 道摩法師(どうま)の子孫で物怪(もののけ)を使役する陰陽師(おんみょうじ)蘆屋(あしや)朱莉(あかり)

 女神により野狐に憑依(ひょうい)した精霊使い、白雪蓉子(ようこ)

 豊穣の女神、豊受気媛(とようけびめ)

 異界の天使は戦乙女(ヴァルキュリヤ)オルルーン。

 そして、前世が引き籠りのオタクで、階段から落ち転生した事を思い出した俺。

 因果で結ばれた四人と二柱の介入が始まる。


 葵衣と出会ってすぐに、世情を説明したとき葵衣は何かを思い出し、何かを語ろうとしたところで、首無し葬列騒ぎに遭ってしまった。

 葵衣は真剣な顔になり、考え込む。


「茂玄さんの領主様は志賀城の笠原清繁様ですよね……そして今は天文十六年閏七月の終わり」

 これから起こる事を知っているかの様な口ぶりだ。

 豊受気媛は、静かに首を横に振り、言ってはならないと葵衣にジェスチャーした。

 秩序が乱れ、力と策謀が入り乱れる戦乱の世。多くの志のある武士(もののふ)たちは全てを手中に収め、民草(たみくさ)のため戦乱の世を早く終わらせたいと思っている。

 その為の戦である。犠牲はしかたがない。しかし、戦でも行ってはならない行為もある。それを止めるのが使命なのだとか。


「これから、助力を頼みに行きませんか?」

 葵衣は何かを知り、対策を練ろうとしている。そして周辺で、戦力のある大名を指名した。

 関東管領(かんとうかんれい)上杉憲政(のりまさ)。東に位置する大大名だ。

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