第二章 第四十三幕 戦の御布令と介入作戦
明智十兵衛、後の明智光秀と面会を果たし、斎藤家への布石ができる!と思いきや、突然の伝令で、座は終わる。
「なぁ、葵衣。十兵衛様が出て行ったのって……」
暗い表情をしている葵衣に問いかける、
「そう、茂玄さんの予想通りです。これから戦が始まります。織田信長躍進の契機となる戦が」
「で、今回はどうするの?」
蓉子が少し不機嫌に問いかける。まぁ美味しくお酒を呑んでいたのを邪魔されたからだろうが。
「結論から言えば、今回の合戦は斎藤家の圧勝。織田軍は大敗。大将織田信秀他数人しか供に出来ずに城に戻ったらしいです。つまり、多くの人が亡くなりました」
「少しでも多くの人を助けたいです」
朱莉が、悲しそうな顔をする。志賀城での惨状を見れば仕方がないだろう。今回は城攻めではなく軍対軍。被害は想像に難くない。
「蓉子さん、今回も神様やりませんか?」
葵衣が練った作戦は次の通り。
今回の合戦は、討死よりも退却時に川での溺死が多かったらしい。なので、川を制御して兵を逃がす。朱莉には戦場近くの川に行き、河童に協力をしてもらう。
こんな感じだ。
さて、俺は? 退却する織田軍に混じって、川に逃げ込むふりをして兵を誘導する役目。タイミングが一番大事だ。やっと俺も役立つときが! 初めてにしては命がけなのが怖い所だが。
明智十兵衛様が戻ってきて、これから戦の準備にかかるという。尾張織田に動きが見えたそうだ。
「宴を止めて申し訳ない。戦が終わったら続きを行おう。勝利の宴を!」
流石は次期頭首。先ほども感じたが、これが人を率いる者なのだろう。
「そこで、もしよければ我が軍門にて、そなたらも戦ってみてはどうか?」
「折角ですが、私たちは武芸者。戦に与する事は遠慮いたします」
「左様か。折角の戦力なのだが。しかし女子どもを戦場に出すのも武門の恥かもしれんな。達者で道を極めて欲しい」
「ありがとうございます。明智様にもご武運を。戦が終わりましたら、猪口の麓で宴を再開しましょう。私の薙刀も見ていただきたいので」
「では、そうしよう。戦が終わり次第」
俺たちは、この戦に介入する。少しでも多くの命を救うために。




