44 初めてのデート 2
新作の方に間違って投稿してしまいましたw
俺たちは、水着専門のショップに来ていた。
あたりには、イケ男とイケ女がいっぱい。
なんだこの場違い感は……
マグロの水槽にブラックバスが混入してしまったくらいの疎外感を感じてしまう。
やっぱり、こういう店は慣れないなぁ。
イケイケの空気に気圧されながらも、店の中へと進んでいく。
やっぱり、未来さんはこういう店も似合うよなぁ。
俺と違ってなんでも似合う未来さん。すぐにこの店の雰囲気に適応してしまう。
「さて、どうしましょうか?先にどちらから、選びます?」
「え?俺のも選ぶんですか??」
「当たり前じゃないですか!?まさか、学校の授業で使ったやつを着ていこうなんて思ってないですよね??」
「も、もちろん!それは、流石にしませんけど!」
さすがの俺でもそれはしない。しようと思ったこともあるが、俺だって日々成長しているのだ。
「中学の時のやつがあったんで、それでいいかと…」
「ダメです!毎年、トレンドは変わるんですからしっかり変えてください!」
「でも、トレンドとかわからないし……」
第一、俺がそんなものを着こなせる自信がない。
「だいじょうぶです!私がセレクトしてみせます!」
「え?未来さんが??」
「はい、いいでしょうか……」
「も、もちろんです!よろしくお願いしますっ!!」
俺よりも未来さんの方がファッションについてはわかるだろう。俺のセンスでとんでもないもの選んでも困るからね。
「では、いくつか見繕ってきます」と言い、未来さんは男性の水着コーナーの方に行った。あれ?ちょっと、待てよ?
女の子一人で行かせるのは、不味くないか??
嫌な予感がした。
○
「せっかく、凪くんが着るのですからとびきりのものを選ばないと」
私はこういうことが初めてでした。中学の頃も裏では冷酷など言われていて碌に友人と呼べる存在もおらず、彼氏なんてもっての他。
嫌らしい視線を向けてくる男子に吐き気がしそうになりながらも、ずっと耐えてました。
けれど、私を救ってくれた、王子様。
私がこんな乙女チックなことを言うのは、変でしかありませんがそう表現したくなるほど、今思えば彼はカッコよかった。
記憶も曖昧でうろ覚え。だけど、溺れかけていた時に引っ張ってくれたあの手の温もりは今でも忘れないで残ってる。
体調を崩して、彼の家に上がった時、私は初めて同級生の前で涙を流しました。
まさか、自分が……。たぶん、その時でしょうね。私が本当の気持ちに気づいたのは。
温厚で気遣いができ、鈍感ですがとっても優しい彼。
私はそんな彼が大好きなのです。
だから、こうしてこのような関係になれただけでも嬉しい。
凪くんとの初めてのデート。昨日からドキドキしてあまり眠れませんでした。
コーデも夜遅くまで考えて……だから、凪くんが褒めてくれた時、思わず舞い上がってしまいました。
そして、今は、凪くんのみ、水着を選んでいる。
ど、どうしましょうか……
今考えれば、殿方の水着なんてまったく知識ないのに……
ずっと、海パンと睨み合いをしていると、背後から声をかけてくる存在がいました。
「ねえねえ、お姉さん??いま、ひとり??」
振り返ると、チャラチャラした金髪の男性がいました。
だ、だれですか……こんな人。知り合いにいません……
もしかして、ナンパ??
「いえ……その、彼氏と一緒に来てます」
「へぇ〜でもさあ、カレシいないけど??お姉さんのカレシってこんなかわいい子をほったらかしにしちゃうわけ??」
その時、一人で男性物のコーナーに来たことが間違いだったと気付きました。
「ホントはうそなんじゃない??男の水着が好きなだけとか??お姉さん、えっちだね〜」
ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべて近寄ってくる男性。
その視線は私が一番キライなものでした。
「やっ……やめてっ……」
「嫌がらなくていいじゃん。ちょぉっと、気持ちいいことしない?」
「い、イヤですっ……」
誰かを呼ぼうとしますが、周りに人のいる気配がない。
そして、本当の恐怖に遭遇すると、人間は声が出なくなる。
本当でした。
「そう言わずにさぁ〜、ね??」
助けて……
後退りしかできず、自然と涙が溢れてくる。
助けて……
最愛の彼のことを想う。
助けてよ……凪くん。
「おい、おまえ。なにやってんだよ…」
鋭く重い声があたりに響きました。
その声の主を見て、私は安堵した。
ああ、やっぱり。
彼は、そこにいました。
まったくどんな王子様シチュエーションなんでしょうね。
どれだけ私の心を揺らせば気が済むのやら。
「凪くん……」
涙声で私は最愛の人を呼んだ。
この時間帯は久々でした。
何気に未来さん視点は初めてだった気がします……
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