本部
「ロリ.....コン....!」
桜川さんは目を見開き驚く様にしてこちらを向いた。
「良い...!すごく良いわ!!!」
••••••。
もしかして煽ってるんですか?
すごく良いってどういうことだよ。
もう少しましなお世辞無かったのかよ。
あ、もしかして桜川さんもロリコン?
悟りの境地に達した同士だったの?
「いやいや、私はロリコンじゃないわよ....」
呆れた様子で答えた。
そりゃそうですよね。
THE 希望的観測。
三次元おねロリが拝めると思ったんだけどな。
「わたしが言ったのはそういう事じゃなくって、能力に期待が出来るって事。」
能力に期待?
「さっき説明した通り、一つの特殊性癖につき確認されている性極者は今のところ一人。そして性極者とは頂点に君臨し選ばれし者である...。つまり、各性癖保持者の中で最も対象に対しての執着、愛慕が長けている人がその能力を目覚めるの。」
つまり僕が世界で一番幼女に対しての愛が強いと。
成る程、ロリコンの王って訳だ。
「当然性癖保持者の頂点に立つのは困難を極める。まして、特殊性癖の中でも相対的に規模が大きいであろうロリコン。その性極者であるあなたには高い能力が期待出来るだろうって事!」
なるほど、しかし期待に応えられる…のか?
この性極者の能力は確かに化け物じみていた。
まだまだ何が出来るのかとか分かっていないし、底知れないというか。
もしかしたらこの能力は性極者にとっては普通かもしれないし。
って期待ってどういう事!?
僕をどうしようってんだ!
そもそもどんな目的で連れて来られたのか分からないんだった。
途端に不安になって来た…。
暫くすると、車が何処かに停まったようだ。
エンジンが切られた。
「善平君!」
桜川さんが声を掛ける。
「ここが、私達WCMOの本部よ!」
車のドアが開かれるとそこには…
ただの地下駐車場だ。
変わった所はない、ごく普通の駐車場。
少し暗い。
「あ、ごめん!この台詞はまだ早かったね。」
もしかして天然?
車を降りると、僕は桜川さんに連れられて地下駐車場の階段を上った。
ここがWCMOの本部か…。
外観は分からないが、中を歩いている限りは一般的なオフィスビルと何ら変わらない。
強いて特徴を挙げるとしたら窓が全く無いことか。
その事もあり、一体ここがどの辺りなのか見当もつかないな。
雰囲気は何処か研究所っぽい感じがする。
白衣を着た如何にもな人とか歩いてるし。
用途不明の煩雑な機械が置かれていたりする。
結構ワクワクするかも。
少し歩くと、厳重な警備が施された扉の前に着いた。
まるで巨大金庫の様だ。
もしかしてここに入るのか?
相当重要な人が居るのだろうか、それとも超貴重な物でも保管してるとか?
「あの…ここは?」
気になったので、尋ねる。
すると桜川さんは答えた。
「今からあなたには、教授に会って貰うわ。」