絶対絶命
なんか大事件になってないかこれ。
鳴り響くサイレン。
複数の警官。中にはこちらに銃口を向けている者もいる。
「キミ、手を挙げてその二人から離れるんだ!」
一人の警官がそう叫んだ。
何もしてませんよ!
別に怪しい者では.....ってバリバリ怪しいか。
ここは一旦大人しく連行されて、後で事情を説明するか?
川に溺れている女の子がいたので助けようとしたら、突然僕の潜在意識が目覚めてムキムキになりました☆って絶対信じてくれないだろ。
あ、ていうか俺全裸だわ。
確実に公然ワイセツ罪で逮捕だわ。
クソッ、やっぱりもうどうしようも無いのか?
いや...待てよ?
もしかしたら逃げ切れるんじゃないか?
この身体を欠点ではなく利点として考えるんだ。
少なくとも警官達はこの大男が善平譲二だとは見当もつかないだろう。
覚性の力をもってすれば、多分警官達を撒くことも出来る。
後は逃げ切ってからこの覚性の力さえ解除できれば誰も見つけることはできない!
どうだ!この完璧な逃走方法!
果たして上手くいくのだろうか...?
少し心配だ。
覚性の解除方法とか分からないし。
けど、もう考えている時間は無い!
僕は走り出した。