英雄(変態)
気が付くと僕は元の河川敷に戻っていた。
身体には特に変化は無さそうだな。
ロリの力って結局なんだったんだ──。
って急いで幼女を助けなきゃ!
でもさっきと何も変わって無いしなぁ、、
幼女は依然としてもがき続けている。
濡れてしまった髪は太陽の光を受け美しい光沢を帯びており、水を含んだ制服は身体に張り付き幼女特有の未熟なラインを浮き上がらせている。
「エッチだ.....。」
その光景を見て思わず最低なことを呟いてしまったその時。
バツンバツンバツン!
突如大きな音を立てて学生服のボタンが弾け飛んでいった。
一体何が起きたんだ!?
それになんだか全身が締め付けられているような...。
いや、身体だ。僕の身体が膨張しているんだ!
学生服が今まで見たことない程にパツパツになっている。
しかし僕の身体はまだ膨らみ続けている。
ああ、痛いっ、全身金縛りにあったようだっ。
どんどんと膨らみ続ける。ビンビンに。
そして僕はあっという間に筋骨隆々の大男へと変貌した。
足元が見えなくなるほどに厚い胸板、丸太の様に太い両腕。
本当にこれが僕の身体なのか..?
まるで信じられない。
恐るべしロリパワーだ。
でももっとなんかロリコン的な能力だと思ってた。うん。
...ロリコン的な能力ってなんだ?
まあ、今はそんなことをどうだっていい。
とにかくあの娘を急いで助けなきゃ!
僕は勢い良く川に飛び込んだ。
凄い、スイスイと泳いでいけるぞ!
今まで泳げなかったのが嘘のようだ。
余裕のあるバタフライをかましながらあっという間に幼女までたどり着いた。
「もう安心して!お兄ちゃんが助けてあげる!!」
そう言ったあと、溺れていた幼女に思いっきり抱きついた。
く~。合法的に幼女を抱き締めることができる日が来るだなんて、夢にも思わなかったぜ!
もう死んでも構わないっ!
・・・・・。
流石にこの場において不謹慎だったな。
昂る気持ちを必死に押さえながら、そのまま抱き抱える様にして岸辺まで運んだ。
ふぅ、何とか幼女を助けることができた。
幼女は疲れからかぐったりとしているが、無事で何よりだろう。
あ、必要なら応急手当とかも頑張りますよ。
人工呼吸とか。
まあそんなジョークはさておき、母親も心配してるだろう。
ほら、娘さんは無事ですよ。
「娘に何をする気ですか!?近付かないで下さい!!」
へ?
いくらなんでも酷すぎませんか?
「僕は全然怪しい者じゃないですよ、ただお子さんを助けたい一心で..........あっ!?」
何で今まで気が付かなかったのだろうか。
これまでの流れが急展開過ぎたのか、はたまた幼女を助けることで頭が一杯になっていたのか。
今僕は全裸だった。
ああああああ!何て失態だ!
変態だよ!完全に変態だよ!
僕の身体の急激な膨張に学生服は当然耐えられるはずもなく、上下共に見るも無惨はち切れていた。
こんな状態で自分の娘を抱き抱えられたら誰でもあんな反応になるわ!
おまけに覚性前と後だと見た目全然違うから僕が誰かすら分かってないなこれ。
学生ですよ。さっきの通りすがりの学生ですよ。
もうなんか川で娘が溺れているところに突然現れて誘拐していこうとする筋肉お化けのヤバい奴みたいな感じになってるわ。
いやどんな奴だよ、それ。
とにかくここは一旦退散した方が良さそうだな。
立ち去ろうとしたその時、僕はようやく気が付いた。
その母親はもう既に警察に通報していたのだ。
僕たちの周りを数台のパトカー、警官が包囲していた。