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覚性

「ここは......?」



僕は一人暗闇の中に立っていた。


ついさっきまでは河川敷にいたはずなのに、、



「動揺しているようだね」



突然声が響く。さっきと同じ声だ。


「だ、誰だ!」


「私は善平譲二、君自信だ。」


「あっ。そうでしたか。」


いや意味がわからない。


「まあ、無理もないな。」


「えっ!?」



声に出してないのに思っていることがばれている!?



「厳密に言うと、私は()()()()()()なんだ。私は君で、君は私。だから私は君が何を考えているかも分かる。」


「けど、僕はお前が何を考えているか分からないぞ。」


「当然だ。潜在意識というのは君の心の奥深くに眠っている君自身も理解、認識していない部分だからな。」



その潜在意識とやらが僕に何の用だと思っていると、その声は話し始めた。


「突然だが、君には素質があるんだ。」


素質?


「ロリコンの頂点に立つ素質だ。」


ロリコンの...頂点に立つ素質だって?


ていうか何で僕の潜在意識は自分をロリコンだって認めてんだよ。



「君は生まれもっての小児性愛者だ。今は自覚していないかもしれないが異常なんだよ、君は。」


そこまで自分に言われると悲しくなってくるな。


「そんな君の潜在意識、そう私の中の奥深くには強大なロリの力が宿っている。この力を解放すればきっとあの幼女も容易く救うことができよう。」


ロリの力とかよく分かんないが、あの娘を救えるなら何でもいい。


「その力を解放してくれ!!」



「...良いだろう。しかし今の君には不可能だ。」



え?今の僕には不可能...?


「そうだ。君は自分が生粋のロリコンだという事実を認めることを無意識下の内に排斥しようといているのだ。だから本来の力は私の中に押し込められている。」


・・・・。


そんなこと言われましても.....。


そりゃあ自分をロリコンだなんて認める訳無いじゃないか。



「それではあの幼女を救うことは諦めることだな。」



声は冷徹に言い放った。


そんな、何か、何かあの娘を救う手は無いのか...?


駄目だっ、何も思いつかない。


やはり僕が自分をロリコンであることを認めなければいけないのか?


段々と意識が薄れていく。


うっ。なんだこれ。


もしかして現実世界に戻されてるってことか。


まずい。


きっとこのまま戻されても今の僕にはあの娘をどうすることも出来ないだろう。


どうすれば、どうすれば良いんだっ。


ああ、待って、待ってくれよ僕。


もう自分の下らないプライド何かどうでも良い。


僕は............僕は........ただ..





僕はただあの娘を救いただけなんだ!




そして朦朧とした意識のなか、僕は叫んだ。



「尊い幼女の命を見捨てる事なんて絶対に出来ない!───僕は、ロリコンだぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」






すると突然、僕の身体から臼桃色の淡い光が溢れ出した。


暗闇の中にいる僕を一瞬にして照らす。


い、一体何が起きているんだ?


さらに、その光が身をまとっていくにつれてどんどんと身体の内から力がみなぎってくる。


なんて不思議な感覚なんだ..。


頭の中も澄み渡り、とても清々しい気分だ。


ハッ!!


僕は...間違っていたのかもしれない。


ロリコンであることは決して悪いことでは無かったんだ。


それなのに、どうして僕は今まで気がつかなかったのだろう。


今なら自信を持って言える!


“僕はロリコンです”


可愛いものを可愛いといって何が悪い!


幼女万歳!ロリコン万歳!






「ふっ。よくぞ本来の自分を自己嫌悪の(くびき)から解き放った。」



その声が聞こえたとき、僕はすでに光に完全に包み込まれていた。

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