いつも通りの朝 始まりの朝
それは、何の変哲もないある日の朝の出来事だった。
僕の名前は善平譲二。
どこにでもいる普通の高校生二年生だ。
これといった特技もないし、目立ったこともない。
平凡という言葉を擬人化したら僕になるだろうって位に普通だ。
かといって何かに不自由しているという訳でもなく、今この現状には十分満足している。
まあ、たまに自分だけのアイデンティティーが欲しいって思うこともあるけど。
僕は近所の高校に通っている。
進学実績もそこそこのごく一般的な進学校だ。
この辺りは住宅街だから、朝学校まで徒歩で通学するときには多くの人が道を行き交っている。
会社へと向かうサラリーマン、学生、ジョギングをしている人や犬の散歩をする人。
そして幼女。
通学中にこうした光景を見ることで、今日もまたいつもと変わらぬ1日が始まるのだなと実感する。
え?何かおかしかった?
幼女...。おっと、まだ説明してなかったっけ。
実はこの僕、善平譲二は、少々みんなと恋愛対象が違う。
少し低いというか、幼いというか。まあ、端的に言えば「ロリコン」なのである。
まあ、道で会った幼女を目で追ったり、毎朝保育園の前を通るために通学路を遠回りする程度なので、僕は自分をロリコンだとは思っていない。
しかし周りからはロリコン呼ばわりされているので、一応はそういう事にしている。
全く、失礼なもんだ。
けれども何も特徴のない僕にとっては少し嬉しかったりする。
一時ロリコンを自分のアイデンティティーにしようかと思った事もあったが、流石に気持ちが悪いのでやめておいた。
このまま道なりに進めば学校に着くのだが、保育園の前を通る日課があるため僕は道を曲がった。
保育園までの道は河川敷となっており、なかなか良い景色だ。
大通りや駅からは少し離れているため、人通りも少ない。
僕は一人悠々と歩いていた。
すると突然事件は起きた。