勇者、泊まる
勇者ユシャは魔物に襲われかけていたカレンを助け、カレンの村に行くことになった。
カレン「ここが私の村よ」
ユシャ「ふーん、普通の村だね」
「カレン、その男は誰だ?」
村に着くと青年が声をかけてきた。
カレン「ユシャくんよ。さっき魔物に襲われかけてたところを助けてくれたの」
青年「襲われた!?大丈夫だったのか!?」
カレン「うん、全然平気だよ、ちょっと転んだだけ。もしかしてキッドくん、私を心配してくれてるの?」
キッド「べ、別に心配なんかしてねーし!」
この青年の名前はキッドと言うらしい。
カレンとキッドは幼馴染で、たいへん仲が良いらしい。
でも勇者の俺を差し置いて2人でイチャイチャするのはやめてほしい。
キッド「ところでお前!ユシャとか言ったか!?何者だ!?」
早速痛いところを突かれてしまった。
ロウさんには勇者であることは口止めされてるし、それ以外の記憶は無いし…
キッド「怪しいやつだな!お前本当に人間なのか!?人間のふりをした魔物なんじゃないのか!?」
ユシャ「それは違います!俺は人間です!怪しい者じゃありません!」
カレン「キッドくん!私を助けてくれた人に向かってそれは失礼だよ!」
キッド「そうかもしれないけど…俺…見ちゃったんだよ…」
話によると、最近この村では住民が魔物に襲われる事件が増えているらしい。
そしてキッドは住民を襲った魔物が人間の姿に戻っていくのを偶然見てしまったらしい。
でも見えたのは姿だけで、顔までは見えなかった、とのことだった。
カレン「そんなことがあったんだ…でもこの話、村の人達にはまだ言わない方がいいかもね。不確かな情報で変に怯えさせるのはどうかと思うから」
キッド「おう…もしかしたら俺の見間違いかもしれないし、カレンの言う通りにするよ」
カレン「で、キッドくん、ユシャくんを疑った罰として、今晩お家に泊めてあげてね」
キッド「ハァ!?まだコイツの疑いが晴れたわけじゃねーぞ!?」
カレン「…ダメ?」
キッド「し、仕方ねーな!一晩だけだぞ!」
キッドちょろいな~
こうして俺はキッドの家に一晩泊めてもらうことになった。
しかし、俺は大切なことを思い出す。
ユシャ(魔物から助けたお礼…貰ってない…)
そう思いながら俺は眠りについた。
キッド、ちょろい