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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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……何やってんだろ、ほんと

 デザートを食べ終わってから十数分後、樟葉先輩はケロっとした顔で帰って来た。来やがった。そしてケロっとした顔で聞いた。

「あれ、私のデザートは?」

「ああ、それなら深草さんが食べましたよ」

 僕の言葉にがっくりと項垂れる。因果応報だと思う。

「私のデザート……」

「それならあんな馬鹿なことしなきゃよかったのに」

 絶対食べきるんだって頑張りすぎたせいだと思う。後駅弁とチョコと天ざる定食。せめてアルコール入りのチョコはやめとこうよ。

「悠杜君酷い! こういう時は女の子を慰めてよ!」

「あの、それ先輩が言います? 深草さんや山科さんはともかく、樟葉先輩ってそういうキャラですよね」

「うう、それを言われると何も言い返せないんですけど……」

 というか、あつかましすぎやしないだろうかこの人。いや、こういう人だったか。

「こうなれば私の女としての魅力で」

「加乃ちゃ~ん? ちょっと反省しましょうか?」

 というかいきなり胸元に手をかけないでください。十条さんが制したからよかったものの。

「というかまたお酒飲んだんじゃないでしょうね!」

「げ、ばれた!?」

「ちょっとは反省しろ!」

 ふと思って言ったらやっぱりそうだった! さっきトイレ行った後に飲んだな!

「京香ちゃん。ちょっと、加乃ちゃんの荷物調べてもいいかな? お酒はさすがに没収しないとね」

「そんなぁ」

 こいつ、まだ隠してたんかい。もうあきれてものも言えんわ。

 

 結局ずるずる引きずられて行きながら、樟葉さんは梅酒の缶2本を没収されたのでした。ざまあみろと言いたい。僕何もしてないけど。

 

 

 

「それじゃあ、もう夜も更けてきたしこの辺でお開きにしますか?」

「それがいいと思います」

 十条さんの言葉に山科さんも頷く。僕も持ってきたトランプを片付けにかかる。

 ついさっきまで、女子部屋で僕たち5人でトランプに興じていた。ババ抜きは樟葉先輩が弱く、セブンブリッジは深草さんにツキが回っていた。ポーカーは十条さんと山科さんの読み合いで、一度だけ僕がロイヤルストレートフラッシュを出して勝った。あれ、ただのストレート狙いだったんだけどな。でも、まさか出るなんて思ってなかった。今日死ぬかもしれない。あと2時間くらいしかないけど。ちなみにもちろんノーレートである。せいぜい僕と深草さんが持ち込んだお菓子をかけるくらいだ。ちなみに山科さんと十条さんは特に持っておらず、樟葉先輩のお菓子は没収されるようなものだったので却下。

 最後にやったナポレオンでは、十条さんがともかく強かった。個人的には4勝1敗、しかも1人勝ちを一回含んでいる。それも、調子に乗った樟葉先輩と15枚までつり上げた末である。圧巻の一言だった。

 ちなみに調子に乗った人は手札が弱いにもかかわらずつり上げて3回自爆してた。残りの2回が十条さんの一人勝ちと僕、山科さん連合による勝利だから全敗なのね。あ、でも一回自爆に巻き込まれたのは少し腹が立った。それがなければ4勝1敗で1位タイだったのに。

 しかし、考えてみると樟葉先輩ってトランプめちゃくちゃ弱いのか? ババ抜きでも負けてたし。

「うん、全部で一回しか勝ってなかった」

「ちょっとそれ言葉に出すのやめてくれる!?」

 樟葉先輩から抗議される。でも、普段からかわれてるし、今日くらいはいいよね?

「でも実際めちゃくちゃ弱かったし」

「手札が悪かっただけだから! 別にギャンブル苦手じゃないから! むしろ読み合いなら得意だから!」

「あ、そうですか」

 というか今こいつギャンブルって言わなかったか? まさか非合法カジノに出入りしてたりしないだろうな。

「これでも香港で3万勝って帰って来たんだから」

「へえーすごいですね」

 ああ、よかった。ここでは犯罪してなくて。

「それ、疑ってるでしょ。何だったらここで証明してもいいんだからね! 私の秘蔵のウイスキーをかけて!」

「加乃ちゃん、そんなものまで持ってきてたの?」

「あ、いや、これは、その」

 そして盛大に自爆した。お疲れ様です。

「それじゃあ、私の貞操をかけて!」

「それもダメ。加乃ちゃんはちょっと反省しなさい」

 そして十条さんに制裁される。まあ、因果応報だよね。この人にはいろいろあるから助けません。ダメ、そんなふうにこっちを見ても。

「それじゃあ、そろそろ失礼するね? 私はお風呂浴びてから寝るけど、悠杜君はどうする?」

 制裁を終えた十条さんが言う。鍵は一つだから貸してもらわないと入れない。

「あ、僕は先に寝るので鍵だけ貸してください」

「了解、それじゃあ」

 というわけで鍵を渡してもらったのだが。ここで問題が発生した。

「え、悠杜君、千秋さんと同じ部屋で寝るの?」

「寝るのも何も、最初から荷物そうしてるでしょ?」

 そこですごく驚いたような顔をして深草さんが言う。

「ダメです! 悠杜君の代わりに私が千秋さんと寝ます!」

「深草さんこそ何言ってるの! 女の子なんだよ!」

「だからです!」

 え!? 深草さんは何を考えてるのさ! 年頃の女の子が男性と二人で寝るなんておかしいよね!? まさか乗り換えたの!?

 というか乗り換えってなんだ! 今のなし今のなし!

「ははあん、なるほどね!」

「何が分かったんですか!」

 樟葉先輩勝手に納得しないで!

「ひ・み・つ」

 ちょっとそこは教えてよ! 謝るから! さっき見捨てたのとご飯の時に馬鹿にしたのを謝るから頼むから教えてください!

「頼むから助けてください!」

「それじゃあ、妥協案として私とゆーくんが一緒の部屋というのは」

「それは却下」

「却下です」

「考証の余地がありません」

 樟葉先輩を頼った僕が馬鹿だった! 深草さんは山科さんがいるから大丈夫でも、僕の方がだめじゃん!

「とりあえず、女の子を十条さんと一緒になんてさせられないから!」

「悠杜君の方だって心配です!」

 いや、確かに桂君や今日男湯であった人みたいな例外はあるけど、十条さんは大丈夫だから。じゃなきゃ長い付き合いがある僕の方がすでに食われてるから。

「はあ、面倒ですね」

「だったら、妥協案を出してよ!」

「京香も、悠杜君と千秋さんは一緒にできないでしょ?」

 山科さんの深いため息に思わず突っ込むと、山科さんはやれやれといった表情で言った。

「だったら別に3人部屋ですが4人で泊まれないこともありませんし、この部屋に4人で泊まればいいのでは? 伏見悠杜にはソファーで寝てもらうなりして。布団も一枚貸せば何とかなるでしょう」

「いやいやいや! 僕がここに泊まるのも問題あるでしょ!」

 男女はきちんと分けるべきだと思う!

 すると樟葉先輩がにやにや笑いを浮かべてきた。

「あれ、ゆーくんひょっとして間違いを犯す気でもあるの? 何なら私と?」

「ありませんって! というかそれいい加減にしてください!」

 というか体格的にこの3人は絶対負けるんですけど!

「なら、いいじゃない。3人とも納得してるみたいだし。何だったら私と同じベッドで寝る?」

「寝ません!」

「よし、それじゃあこれで決定ね」

「え、あれ?」

 樟葉先輩にからかわれてるうちに決まっちゃったんですけど。あれ、どうしよう? これ、もう後に引けない?

「それじゃあ、私がソファーで寝るから悠杜君はベッドで寝て」

「いやいや、流石に女の子をそんなところでは寝かせられませんって!」

 深草さん、せめてもの矜持としてそれくらいは守らせてください!

「私がソファーで寝るから!」

「いえ、ベッドで寝てください!」

「二人とも仲いいね。いっそのこと悠杜君と私が」

「それは却下」

「却下です」

「考証の余地がありません」

 樟葉先輩のおふざけには付き合ってられない!

「ともかく、僕がソファーで寝ますから!」

「いや!」

「うるさいよ!」

 隣の206号室との壁を叩かれる。やばい、もう22時回ってた。

「そういうわけなので」

「あ、待って!」

 結局そのラインを死守した僕は、203号室から荷物を引きずり出し、十条さんに鍵を返し、そして205号室の寝心地が悪いソファーにて就寝へ至るのだった。

 

 ……何やってんだろ、ほんと。

説明臭くなってしまった……


ここで一つネタ晴らしを。実は深草さんは、十条さんの性別を誤解してます(モノローグ参考)。ちなみにこんな感じ。

深草さん……十条さんを女だと思っている。

伏見君……↑には気づいていない。十条さんは男だと知っている。

山科さん……気づいていて特にいう理由もないので静観。

樟葉先輩……面白そうなので誤解させたまま引っ掻き回そうと思っている。

その他……未定。

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