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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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ここは危険だ!

温泉回です

でも混浴に入った主人公があたふたする話ではありません

 お昼ご飯を食べた僕たちは、荷物を置きに宿へと向かった。ちなみに僕がにしんそば、深草さんが普通の盛りそばで、山科さんがかけそば、十条さんがとろろそばだった。ちなみにあのおかしな人は天ざる定食を頼んでいた。どれだけ食べるんだ、あの人。

 予約した十条さんにチェックインを任せて荷物の番をする。と言っても2泊3日だからそこまで量自体は多くはないのだが。

「鍵取って来たよ。私と悠杜君が203で残りの人が205ね」

 そう言いながら鍵を深草さんに渡す。

「荷物置いたら温泉行くってことでいい?」

「はい、いいです」

 そんなことを話しながら、エレベーターに乗って2階へと向かう。ホテルは3階建ての少し古風なホテルだった。中も畳にベッドとわけがわからない。

 荷物を置いて下着と部屋に置いてあったタオルと浴衣をもって外に出ると、ちょうど隣の部屋から3人が出てくるところだった。どうやら204号室はないらしい。

 そのまま温泉のある地下1階へ向かおうとエレベーターを待っているところで、だしぬけに十条さんが言ってのけた。

「あ、私はちょっと離れたところにある秘湯に行くから、4人で楽しんできてね?」

「え、ここのお風呂、入らないんですか」

 驚いて聞き返す。

「ああ、そっちは朝風呂で入ろうかなと思ってさ。それより、悠杜君も来る? 歩いて1時間くらいかかるけど」

「遠慮しときます」

 流石に、歩いて1時間のところには行く気にはなれない。というかお風呂入った後、汗かくんじゃないかと思うし。

「それじゃ、また晩御飯の時にでも」

 そう言って十条さんはエレベーターを降りて行ってしまった。

 さて、それじゃあ温泉に入ろうか。そう思ったところで、一つ問題に行き当たった。左から、女湯、混浴(脱衣所は別)、男湯となっているのである。

 まあ、混浴に入りたいという気持ちもなきにせずはあらずなんだけど、あれ、自分で言ってることわからなくなってきた。でもここでそれを優先したら山科さんに何されるかわからないし、それに、面倒ごとに関わりそうなので、ここは男湯一択だろう。

「あれ、ゆーくん私と一緒に入らないの」

「樟葉先輩、まず酔いを醒ましてください!」

 ふざけて誘ってきた人がいたけど無視だ無視。

 

 

 

「ふう、疲れた~」

 体を洗って露天風呂につかると、思わず声が出た。ああ、思えばいろいろと疲れてるよな。樟葉先輩がアルコールを入れて酔っぱらったり、山科さんに気疲れすることを要求されたり、樟葉先輩が殺人鬼の振りをして暴走したり、深草さんのフクロウの様子を見たり、樟葉先輩に女装させられそうになったり。

 ……考えてみると半分以上樟葉先輩だな。

 まあ、それはともかく、温泉に入るとなんか身も心もほぐれていくような、そんな気がする。心の垢ごと洗い流しているというか、そんな感覚だ。やっぱり、風呂は日本人の心だっていうのは嘘じゃないよね。そう思った時だった。

「あれ、お兄さん、いい体つきしてるじゃない」

 ぴくッと体が反応する。そうだ、まるで樟葉先輩の悪だくみに付き合わされた時みたいな、そんな感覚。

「あ、あの、何でしょう」

 振り返った先には舐めるような目つきで僕を見ている男の人がいた。

「うん、君すごくタイプ。ねえ、よかったら部屋であたしと休憩していかない?」

「結構です!」

 危険だ! ここは危険だ! 何あれ、何かあるの! なんで僕なの! あ、いやとりあえず避難しないと! 多分あの人は性的な目で僕を見てるよ! それはなんかやだ!

 脱衣所に戻って急いで体をふき、浴衣を羽織る。やばい、あんまり体ふけてないし、じとじとして湿っぽい。そりゃ急いでたから仕方ないけど、あんまり安らぎにならなかったなあ。でも、もう戻ろうという気にはなれないし。そう思った時、その暖簾が目に入った。

 『混浴(男性用脱衣所)』もう、これでいいや。

 中で蒸し暑い浴衣を脱ぐ。ああ、マナーとしてタオルを巻かないといけないのね。それで湯船につけて言いようのタオルも置いてあると。だったら、こっちの方が安全だったかも。そう思った。

 腰にタオルを巻いて、浴室に入る。かけ湯をして、体はもう洗ったので露天風呂を目指す。サウナはパスだ。僕はサウナはあんまり得意じゃないし。

 広々とした露天風呂だったが、あまり人はいないみたいだった。ちょうどよさそうな岩場を見かけて、元から持っていたタオルを枕に腰かける。ちょうど岩陰になってるな。そこで一度息を吐く。

 ああ、災難だった。でも混浴も人少ないみたいだし、考えてみれば当然だけど、そこまで人もいないのでのんびりするとしよう。というかあの人がいつまで止まってるかわからない以上、男湯は危険地帯かもしれない。

 しかし、桂君と言いあの人と言い、なんで僕の相手になりたがるんだろう。あれか、深草さんは女子にもモテるけど、山科さんや樟葉先輩はそうでないようなものか。なにか、同性に愛される人ってのはあるのかもしれない。うん。

 そんなことを考えていたら、温泉が気持ちよかったのか睡魔が襲ってきた。ああ、そういや最近寝不足だったな。アルテミスとアポロンの様子見るために早起きしてるせいか。そういや、新幹線の中でもちょっと寝たし。

 そう思ったのを最後に、僕の意識はまどろみの中へ落ちていった。

 

 

 

「起きて、悠杜君。お風呂で寝たら危ないよ」

 あれ、なんでだろ。深草さんの声がする。というか、山科さんと樟葉先輩もバスタオル一枚でこっちを見てる。

 えっと、確かお風呂で寝ちゃってて、そうだお風呂!

 なんでこんなことになってるんだ! あ。

「あ、伏見君!」

 その声を最後に、僕の視界が歪み、バランスを失って意識が闇の中へと沈んでいった。

 

 ……端的に言うとのぼせてお風呂で溺れた。

あたふたはしてない(すぐに溺れたから)

セーフだよね?

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