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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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また裁縫ですか……

「さてと、それじゃあ暗幕を貼るぞ」

 週が明けて月曜日。もう一週間も残っていない。でも僕がいないうちに設計図ができ、さらに支柱が立って暗幕を貼るためのロープも張られていた。仕事早いな。メンバーの人格は置いといて、すごく仕事はできると思う。僕は完全に逆のタイプだけど。

「FFコンビは一番奥の一番大きな奴を頼む」

 そう言うなり、入り組んだエリアに暗幕を2人で取り付けていく。絶対にイチャイチャしたいからだけだろ。まあ、いいけどさ。ただ、そのまとめ方は不本意だと思う。そうだ、父親じゃなく母親側の姓に変えてもらおうか。そうなる気はないけど。

「あ、樟葉先輩、3人だけだとしんどいのでちょっと手伝ってもらえます?」

「えー、こっちも小道具作らないといけないのに」

 そんなこと言いながらも抑えるのを手伝ってくれる。一応背が高い僕と樟葉先輩で上側、山科さんと深草さんが下側を担当する。後、今山科さんと深草さんが場所を入れ替えたのは気のせいだということにしておこう。

「とりあえず、コース作っとかないと小道具も何もないと思いますけど。小道具はなくても何とかなっても、通路はちゃんとしとかないと」

「それはわかってるっての!」

 珍しく樟葉先輩が意地を張る。なんかちょっと勝った気分。

「ゆーくんって、小姑みたい」

 一瞬で叩き潰された。

「悠杜君、こんな感じでいいんだよね」

「あ、はい、そんな感じでお願いします」

 深草さんが下から声をかけてくる。脚立は揺らさないでね。

 

 

 

 午前中に、暗幕はすべて取り付け終えた。何ヵ所か壁が露出しているところはあるが、そこには血糊が付いたり、あるいはオーブンを取り付けたりするらしい。一体何なんだオーブンから出てくる女って。それから、オーブンを取り付けるにしてはその場所が少し広すぎるような気がするんだけどなあ。

 そして、僕は樟葉先輩と一緒に小道具を作ることになったのだが。

 問題はその小道具である。作るのはフランス人形。それを大量に。暗闇の中だし、使いまわしはしないのでそこまで丁寧に作る必要はない。段ボールで形を作って、顔を書いて髪をつけて、あとは適当にドレスを着せる。それ自体に異論はない。ないのだが。

「それじゃあ、ゆーくんは人形のドレスをお願い。細切れになった布とかはその辺に置いといたから」

「どうして僕が裁縫なんですか!」

 裁縫が苦手だってのは周知の事実だったよね!? 誕生日プレゼント渡した後に、生徒会でもその話したことあったよね!? なんで、それを押し付けてくるの!?

「だったら、ゆーくんが人形の顔描く? ついでにドレスデザインする? 絵心ないと無理だけど」

「……裁縫にします」

 絵心もないんだよね。美術の成績は中学時代3でした。真面目に宿題とかはやってたからね……。それだったら、山科さんに叩き込まされた裁縫の方がましだと思えるレベル。だいぶ忘れた気がするけど。

「それじゃあ、じゃんじゃん作ってってね。こっちも頑張るから」

 そう言うなり樟葉先輩はいきなり自分の荷物からビー玉を取り出した。青いやつ、赤いやつ、緑のやついろいろ。そんな持って来たんかい! すごく凝ってるよね、この人。

 さて、こっちも裁縫頑張らないと。怪我、少ないといいなあ。

 

 

 

「よし、今日はこれで完成!」

 樟葉先輩の宣言で今日の作業を終える。作ったのは3つ。ちなみに樟葉先輩は10体以上を完成させてた。一体いくつ作るつもりなんだろう、この人は。それはともかく。

「指先がいたい……」

 腕前は思いっきり劣化してました。10回くらい指をさしたし、出血もしてます。ちなみに、ドレスに血がついてたら雰囲気あるよね、なんて言う樟葉先輩の一言で、絆創膏はさせてもらえませんでした。あれ、一応あるとそこで針が一回止まってくれるのに。

「大丈夫大丈夫、こんなの骨折に比べたら軽い軽い」

「そんなものと比べないでください!」

 比較対象がおかしいわ!

 そう突っ込んだら樟葉先輩はからからと笑った。くそう、突っ込んじゃった……。

「まあまあ、こうしといたらすぐふさがるって」

「ちょっ、何してるんですか!」

 なんで僕の指をくわえてるんですか! そりゃ、唾液つけとくといいとは聞きますけど! それにどことなく仕草がエロいです! ってそうじゃなくて、なんでそんな破廉恥なことを人前で!

「あ、加乃先輩ずるいです、私も」

 そしてなぜか深草さんまで加わってくる。いや、右手の人差し指は怪我してないから! それから、ちょっと、近すぎやしませんか、距離! 顔真っ赤にして頑張る必要ないんですよ! いや、何に対してかは知らないけど。

 それから、流石の樟葉先輩も顔を少し赤らめていた。でも、深草さんみたいに肩が震えてたりはしないな。でも、そんなことをされると少しエッチな気分になるんですけど。樟葉先輩も深草さんもこれは冗談なはず。そう、冗談だ。だから落ち着け落ち着け。

「ちょっと、なんでそんなことを」

「うるさいこの朴念仁」

「いたっ!」

 ちょっ、どさくさに紛れて指かむな!

ちょっと体調が戻ってきたかな?

なるべく更新のペースを上げられるように頑張ります

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