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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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カンペは偉大である

「で、僕はどうしてここで宿題をさせられてるんですか」

 生徒会室で僕は言う。今日配られたばっかりの英語の問題集をさせられてるんですけど。後は、体育のレポートをかけとも言われたんですけど。

 というか、夏休みはまだだよね。なんで?

「どうしても何も、宿題なんてものは配られたその日の内に終わらせるものだろう」

「そうだよ、悠杜君」

「私なんか授業中に終わらせるしね」

 僕以外の生徒会のみんなが頷く。おい待て、こいつら全員おかしい。少なくとも去年までの僕の知り合いにはいなかったぞ。それから樟葉先輩、それ、真面目に授業受けてないやつでしょうが。

「そんな話聞いたこともな……、あ」

 あ、思い出した。いた、そんな人。十条さん。あの人もこの非常識な人と同じタイプだった。

「ほら見ろ、聞いたことくらいあるだろう」

「いやいやいや、こっちの方が異常ですからね!?」

 そこ、樟葉先輩! 心外だっていうふうに首を振らないで! 夏休みの宿題は少しずつやるか最後まで残るのが普通じゃないのか!

「まあ、でも、そっちの方が心置きなく遊べるじゃん。それとも、旅行、ゆーくんは行かないの?」

「いや、行きます! 行きますけど」

「なら別に問題なかろう。どうせ、全部やらねばならんのだ。今やったところで何の問題もあるまい」

「いや、すごく疲れますからね!?」

 前みたいに知恵熱出して倒れたらどうするんですか。お化け屋敷の手伝いするんですよね。

「それに、だ。我々は8月末には京都に行くのだぞ。31日に全然やってないなんてことになってはいかんのだ。わかってるか伏見!」

「いや、僕は毎日コツコツやるタイプですからね! ため込むタイプじゃないですから!」

 ため込むのは竹田とか、そのへんだと思う。

「まあ、ともかく、これから毎日ここにきて宿題をやること。テスト勉強と違って数には限りがあるから、大変なことにはならんだろう」

「終わったー!」

 生徒会長がそんなことを言ってるそばから樟葉先輩が伸びをする。いくらなんでも早すぎでしょ! 山科さんですらまだ英語の問題集が終わったくらいだよ!?

「伏見君、手伝ってあげよっか?」

「いや、伏見君の手伝いは私がします!」

 しかし、最後のページまで全部やってるみたいだし、ボールペンで赤く丸つけもしてたし、本当に終わらせたみたいだ。

「って、授業中にやってたんじゃないですか?」

「そうだけど、どうかした?」

 授業真面目に受けろ! そう言ってもこの『愚者』にはきかないんだろうなあ。

「なんでもないです。それと、手伝いはいいです」

 変なことを吹き込まれそうだから。とは言わない。それくらいの分別はあるし。

「でも、そうなると私暇なんだよね。あの二人の間には入れないし、みーちゃんも京香ちゃんも一人でできるでしょ」

「僕だって一人でできますから!」

 宿題くらい一人でやれよ!

 恐らくは、『恋人』二人がいちゃつきたいがためだけにこんなことを企画したのだろうということは予想だに難くないが。

「ふーん、それじゃあ、私帰るね。それで、千秋さんにあることないこと吹き込んどいてあげる」

「やめてください!」

 というか、あなたはあることじゃなくないことしか吹き込まないでしょうが!

「変なこと広めないでくださいよ!」

「え、でも私それくらいしかすることないから」

「わかりましたから! 手伝っていいですから! なので、それだけは勘弁してください」

 この人なら本当に全校に変な評判を広めかねないし!

「ちぇっ、ゆーくんをどうやったら女装させられるか会議しようと思ってたのに」

 ちょっと、何考えてるんですか! 変なこと考えないでください!

 そう思っていたら樟葉先輩はさもおかしそうにからからと笑った。

「ごめんごめん、さっきのは冗談だって」

 冗談にしてもたちが悪いですよ。

「さてと、言質は取ったから手伝いますか」

 そう言って笑った。やっぱり、この人は危険だ。絶対に勝てる気がしないし、どんどん精神が削られていく。

 結局僕は、がりがりと精神を削られて、頭が数式で回りだすのだった。なんで英語と体育しかやってないのに数式が出てきたんだ?

 

 

 

「伏見悠杜、例の計画を覚えていますか?」

 生徒会が終わって、アルテミスとアポロンの様子を見てきたところで山科さんから話しかける。ちなみに樟葉先輩は帰った。

「えっと、僕の父親と山科さんの母親がどうたらこうたらって話だっけ?」

「そうです。今日は顔合わせです」

 そっか。今日は顔合わせだったか、ってえっ!?

「あの、そんな話聞いてないんですけど」

「当然です。今話しましたから」

 わかるか!

「それで、伏見悠杜の父親を誘ってほしいのです。ちょうど、私から食事券が余ってるので誘われた、という体で」

「ちなみに、余ってるの?」

「いえ、ちょうど人数分手に入れてきました」

 でしょうね。やっぱり。

「でも、どういうふうに誘えばいいのやら」

「それなら私の指示通りにしゃべってください。一応、シュミレーションはしてあります」

 そう言って山科さんはメモ帳を取り出す。なるほど、カンペか。なら、大丈夫そうだ。

「今から、電話を掛けられますか」

「あ、うん。たぶんもう退社してるだろうし」

「それじゃあ、お願いします」

 山科さんに頼まれて僕は電話をかけた。この時は気持ち悪いほど会話がうまくつながって、自分でもびっくりした。カンペは偉大である。

 だがしかし、ここで問題が一つ。食事のとき何を離せばいいんだ?

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