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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
83/181

とても幸せそうな顔をしていた

「というわけで、読書感想文を書かないといけないんですけど、ペンが全然進まないんです」

「それは大変だね」

 土曜日、カウンターにて僕は原稿用紙に向かいながら十条さんに話しかけた。ちなみに今はお客さんは深草さんだけで、その深草さんもソフィアと戯れている。そういや、今更なんだが、この店の経営は大丈夫なんだろうか。お客少ないのに、バイトも雇ってるみたいだし。

「未悠ちゃんは既に終わらせたんだっけ?」

「そう言ってましたね。何を書けばいいものやら」

 普通は読書感想文ってミステリーなんて選ばないでしょ? 僕もそれ専用に本を借りて書いて来てたわけだし。それをいきなり書けと言われても。しかも、僕は読書感想文は決して得意ではない。

「犯人がどうしても犯行を起こさないといけなかった動機とか、その辺は書いたんだよね?」

「とっくに書きましたよ、もう」

 それしか書くことが残ってないからね。

「あと残りは何枚くらい?」

「原稿用紙1枚くらいです。まだ結構あるんですよ」

 というかここまでこんなに手早く作った僕をほめてあげたいくらいだ。

「だったら、作者のこととか、他の作品とかに触れてみたらどうかな。踊る人形とか。ショスコム荘とかも面白いし。後は、アーサー・コナン・ドイルって、実は現実でも事件を解決してるんだよね。それとか、書いてみたら?」

「ありがとうございます。参考になります」

 そっか、その視点はなかった。早速スマホで調べてみよう。2か月くらい前に深草さんと十条さんに買わされたんだった。

「あ、悠杜君、読書感想文やってるの?」

「ええ、おかげさまで何とか終わりそうです」

 その後、アルをなでながら口出しをしてきた深草さんの助言と、シャルと戯れていた十条さんの邪魔もあり、僕は無事に読書感想文を仕上げたのだった。

 

 

 

「さて、今日だったよね」

 営業時間の終わった店内で、まだ店に残っている深草さんに十条さんが言う。あれ、何のことだろう?

「はい、今日来るんです。すっごく楽しみなんですよ!」

 いつになくテンションが高めの深草さんが言う。こんなに高いのは初めてここに来た時くらいか。

「あれ、何があるんです?」

「ちょっと、悠杜君にも関係があるんだからね」

「そうそう、ちゃんと世話してあげないと」

「え、何のことですか?」

 2人から責められるが、とんと拍子が付かないよ。まじでわかんない。何なの?

「だ・か・ら、今日私の家にフクロウたちが来るんだってば!」

「ああ!」

 ようやく思い出した! そうだ、ペットカフェに連れていくのに、フクロウを飼うことになっていたんだった。その搬入が今日だとは知らなかったけど。

「最初だからね。一応、私たちも様子を見ておこうと思ってさ」

「え、それって僕も入ってるんですか?」

「そうだけど」

 十条さん! さらっと僕の予定を決めないでください! なんか、ずっとペースを握られてるような気がするよ。

「よし、これで戸締りもしたし、フクロウたちも元気そうだから、そろそろ出よっか」

 まあ、別に暇だからいいんですけどね。

 

 

 

 というわけで、やってきた深草さんの家で、僕たちはフクロウを待ち受けていた。ほどなく、フクロウたちのケージが届く。

「やった、フクロウだ! めっちゃ幸せ!」

 そうやって、深草さんはケージを抱えながら飛び上がろうとする。でも、衝撃を与えないようにしているところはさすがだ。

「放し飼いにするんだよね。だったら、さっさとその部屋に連れてってあげよう」

「はい!」

 満面の笑顔で深草さんが言う。なんか、不覚にもすごくかわいいと思ってしまった。いけないいけない。

「ところで、この2人の名前は決めてるの?」

 早速飛び回るインドコキンメフクロウを指さしながら十条さんが聞く。それに、深草さんは嬉しそうに答えた。

「はい! オスがアポロンで、メスがアルテミスです! ギリシャ神話の狩猟の神様の名前にあやかってみました! かわいいでしょう!」

「いい名前だね」

 十条さんが言う。早速アルテミスが部屋を飛び回ってる。元気だな、この子。でも、僕もいい名前なんじゃないかと思うよ。

「それじゃあ、悠杜君、この子たちの世話、よろしくね」

 そう言って仕事を押し付けて、十条さんは帰って行ってしまった。まあ、元から僕がやることになっていたんだけどさ。ちょっと、不満がないと言えばうそになる。

 でも、こうやって見る深草さんは、その不満を忘れてしまいそうなくらい、とても幸せそうな顔をしていた。

遅れてすいません><

もうちょっと更新できないかなあ

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