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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
僕はそんなに神経太くない!
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闇に吸い込まれていった

 テスト期間が始まった。

 今回は、全部で10時間、4日かけて行われる。そして、鬼門ともいえる保健体育は初日の1時間目、要するに初っ端が一番大変だった。解答用紙は同じで、問題に男子と女子が別の設問が設けられている。本当に、当てにならないな。樟葉先輩もこればっかりは役に立たないし。それにしても初っ端というのは、時間がなかったと嘆くべきなのだろうか、それとも叩き込んだのを忘れないうちだったと喜ぶべきなのだろうか。まあ、終わってしまったことは仕方がない。一応解答欄は全部埋めたから、後は山勘が当たるのを祈るだけ。それでいいのかというのは無視だ。

 ただ、それ以外は、上手くいった、はず。でもあれだね、深草さんの教え方がいかに上手かというのが分かった気がする。というか教師が下手だ。その下手な説明を自分なりにかみ砕いて頭に叩き込んでるから、アウトプットも楽にできるんだと思う。僕なんか前回のテスト範囲覚えてないくらいだし。たぶん頭の出来が最初から違うのだろう。そう考えさせられる。

 なんて僕が言ってられるのは、もうテストが終わったからで、大分気楽になっているからなのだ。4日目の数学2時間連続も無事終わり、これでテストから解放されると一息ついていたのだ。もっとも、これから恐らく黒歴史まみれになるであろうカラオケという名の戦場に、樟葉先輩たちに連れていかれるわけだが。

「まじで、疲れたー」

 へばっている竹田は無視し、帰る準備をする。大谷君も、坂本さんと園芸部のことについて話しているようだ。そう言えば、最近活動してないから僕も明日にでも聞いておこう。そう思ったら樟葉先輩から声を掛けられる。ここ、僕たちの教室なんだけどな。

「ゆーくん、みーちゃん、迎えに来たよ」

「ちょっと静かにしてもらえます?」

 まったく、この人は自重しないんだから。

 

 

 

「で、なんで僕たちの最寄り駅で降りたんですか?」

「や、だって、こっちにもカラオケあるって言うし。だったら、二人の家と近い方がいいでしょ」

「まあ、そうですが」

 駅に降り立った樟葉先輩に言う。でも、僕カラオケがこんな近くにあったなんて知らなかったぞ。知ってるのは、十条さんに教えてもらった、心霊スポットと噂だかい廃工場とか、ストーカーが出やすい路地とか。……今更だけどあの人は何を教えてるんだろう。

「こっちだよ、来て」

 そう言って、樟葉先輩は僕の家とは反対方向へ連れていく。ちょうど『シャルロット』の方角だ。細い路地裏を抜けるように近道を歩いていく。本当によく知ってるなあ。そう思った時だった。

 開けた道に出る。

「おい、伏見! 警告はしたぞ!」

 そんな声がして、いきなり後頭部に鈍痛が走った。体がバランスを失って、スローモーションで倒れていく。

「貴様ら!」

 やけに甲高い樟葉先輩の声。その中に見たのは、深草さんの腕を捕まえて拘束しているenemiesの姿と、それを追いかけていく樟葉先輩のやけに頼もしい後ろ姿だけだった。

 あいつら……が。……油断し……た。

 そう思ったのを最後に、僕の意識は闇に吸い込まれていった。

というわけで急展開です。でもこの作品は一応ラブコメですので

にしても、まだ主人公かっこいいところ少ないなあ……

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