樟葉加乃 本日も平和です 2
さてと、それじゃあ始めましょうかね。涼ちゃんのハッキングはもう始まってるみたいだし、それじゃああとは取引場所の港近くの倉庫の天井に張り付いて騒動が始まるのを待つだけ。ふふ、このぞくぞくする感じ最高だよ。
「どうだ、商品の方は集まってるか?」
「ああ、ばっちりだよ」
リーダーらしき男、っていうかリーダーなんだけど、そいつとあと取引相手の中国人が話している。よし、涼ちゃんからゴーサインが来たから、さっさと始末しちゃいますか。まあ、初動は凛音っちだから私はその後だけど。
「で、本命の娘の誘拐はどうなってる?」
「ああ、そっちもうまくいきそうだ。しかし、ちゃんとお金払ってくれるんだろうな、こっちも人身売買だなんて危ない橋わたってるんだ」
「ああ、もちろんだとも」
「そんな、人身売買なんて悪いことですよ!」
始まった。凛音っちが何も知らなさそうな振りして近づく。まあ、当然捕まるわけだけど、凛音っちだったら銃向けられた状態から相手を倒せるしね、心配ないない。
「なんだこいつ、紛れ込んだか?」
「まあ、どっちにしろいいだろ。こいつも商品として引き渡す」
そういうや否やリーダーさんが凛音っちを捕まえる。
「おい、そこのお前、他にもいないか心配だ、武器取ってこい」
そして指示を飛ばす。その指示を飛ばされた人物の背中に私は飛び降りて押しつぶす。あ、早速気絶しちゃった。
「へえ、武器はこっちなんだ。これかな、HK33。なかなかにいいもの持ってるじゃない」
「さすがです、はあはあ、銃口を向けあう二人、そしてそこから芽生える恋愛感情」
「いや、そういうのあったらおかしいから」
あいりんはそういうところあるからちょっと苦手なんだよね。まあ、これで武器も入ったことだし、いっちょぶっぱなしますか。
「なんだお前は、どこから来やがった」
取引相手さんが言う。上を指さして親切に答えてあげることにした。
「そこから。あ、それと今からぶちまけるんで、ジャンプしないでね」
そう言いながら腰だめで全弾ぶちまける。殺さないように、後ろで控えてる人たちの頭上10センチくらいを狙って。ここ天井高いし、反射した弾が撃ち抜かれることもなさそうだから気兼ねなくできるよ。
いや、この快感。3点バーストもいいけど、こう気兼ねなく打ちまくれるって最高だね。これはやめられないよ。
へたり込んだ下っ端さんたちをあいりんが後ろから蹴り飛ばす。あいりんは戦闘能力だけだったら私と互角なんだけど、いっつもカメラ持ってるからその分弱くなるんだよね。まあ、戦意喪失してる相手なら余裕だけどさ。でも蹴り飛ばしながら私撮んないでよ。照れちゃうじゃない。
「貴様、こいつがどうなってもいいの、うがぁ!」
凛音っちに懐から取り出した拳銃を向けた取引相手さんがきれいに一本背負いを決められる。拳銃もその反動で床に転がった。さっすが凛音っち。かっこいいよ。私もあんな風にできたらいいんだけど、銃持たれるとしんどいよね。
取引相手さんがこれが頼みとばかりに拳銃にすがろうとして、その真下を一発の弾丸が走り抜ける。そして拳銃を彼方へと弾き飛ばした。もちろん撃ったのは私だ。10メートルの距離を外す私じゃないよ。HK33を手放して拳銃をつかんで撃ちました。これは、黒星か。なかなかいい銃持ってるじゃん。密造拳銃だと、狙いたまに外れるんだよね。
「チェックメイト、だよ」
取引相手さんの眉間に銃口を押し当てながら言う。そっちに気を取られているすきに凛音っちが後ろから殴って昏倒させた。ちなみにあいりんは仕事終えてばっちり私を撮ってました。
「くそったれ!」
あとは、リーダーさんだけなんだけど、出口の方じゃなくて、商品、つまり誘拐した少女たち、ひょっとしたら少年もいるかもだけど、そっちの方向に逃げちゃったね。人質を取るならそっちの方がいいと判断したんだろうけどお生憎様、残念ながら鍵はデジタルだったから涼ちゃんが開けちゃってまーす。みんな逃がしちゃったし。
「加乃先輩、楽しそうですね」
「うん、ここは任せるね。それじゃあ、見に行ってきまーす」
「あ、ちょっと先輩! って彩里先輩まで!」
全員気絶したのを確認して、この場を凛音っちに預ける。さあ、リーダーさんが逃げた先ではどんな面白いことになってるかな。楽しみだ。
親衛隊の皆さん、ちょっと非常識すぎやしませんか……(私がそうしたんだけれども)




