表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/181

閑話 大谷拓都の野望 4

 俺たちの学校の中間テストは午前中の3時間もしくは2時間で行われる。それが4日間だ。テストが終わって木曜日、そして1日飛んで来週の月曜日が結果発表の日だ。それを俺は、少し期待しながら待っていた。

 なんたって今回は頑張ったからな。中学時代は平均点並みだったが、今回はしっかり勉強したし、勉強会も開いた。少し癪だが伏見にも教えてもらったしな。ひょっとしたら、総合得点上位三十傑に入ってるかもしれない。そしたら、坂本さんにかっこいいところを見せられる。勉強会の時には醜態さらしちまったしな……。

 そんなことを考えながら朝練が終わって結果の張り出された廊下に来てみると、あたりは人でごった返していた。

「さすがはお姉さま、勉強も一位なのですね……」

 誰かがボソッと呟いていたが気にしない。それが木野さんの声に似ていても気にしない。それにしてもすごいな。容姿端麗で成績優秀って、どこかのラノベの主人公かよ。ちなみに2位は深草さんの熱烈なファンクラブのトップだということだ。どこまでもラノベでありがちな展開だな。いや、ギャルゲーとか乙女ゲーなのか?

 そんなことを考えながら俺は自分の名前がないか探していく。まあ、あったとしても下の方だと思うから下からだけど。

 と思ったらすぐに見つかった。よし、やったぞ! 俺は目標達成だ!

 下から7枠目のところ。732点で同率26位だ!ていうか危ねえ。上の方はまばらだけどこの辺1点差じゃねえか。てことは1問でもミスしてたら乗らなかったってことかよ。綱渡りをしてたのに気づかなかったって気分だぜ。

「大谷君、すごいじゃない、26位だね!」

 そんなこと考えてたら、坂本さんが俺を見つけてくれた。フフフ、どうだ、見たか。

「はい! 頑張ったかいがありました。やったー、上位三十傑に入れましたよ、俺」

「勉強会してよかったね」

「また誘ってもいいですか。次の期末にでも」

 その時はちゃんとお金をもっていかないとな、なんて思いながら言う。

「また是非。伏見君の方も気になるしね」

 よし、これで次も誘える。

「私も頑張らなきゃね。目標5位以内だったんだけどなあ」

「あれ、何位だったんですか?」

 ふと呟く坂本さんに聞く。

「6位だったの。惜しかったなあ」

 ……マジか。上には上がいたってことですか。俺、かっこいいのか、これ。6位の人の目から26位ってかっこよく見えるのか、これ。

「完全に負けました……」

「ま、まあ、それでもすごいじゃない。向き不向きってあるし、私はバスケできないからさ」

「ありがとうございます」

 気落ちした様子を見て坂本さんが言う。うう、大谷君すごいね、かっこいいよってなるはずだったのに……。

 まあ、しょうがない。今は坂本さんと距離を縮められただけでも良しとするか。

これにて閑話はいったん終了です。また登場させるつもりではいます


あ、あと大谷君のメタ発言ですが、答えはラノベのヒロインです。主人公じゃない……はず


それでは次回から伏見君視点に戻ります。ぜひ、よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ