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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!
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僕は恋愛なんてしたくないのに!

 美少女に迫られたら嬉しいと思う。それがただの美少女じゃなく、学年一の美少女ならなおさらだ。普通の人間なら、ね。僕はその点に関しては普通のくくりに入れていいのか微妙だし。

 僕は恋愛に興味がない。というかしたくない。くそくらえと思っている。

 昔いやなことがあったから、もう恋愛なんてしたくない。ただ、それだけだ。


 それは、僕がまだ中学の二年生だったときのことだ。あまり思い出したいことではない。

 当時僕には、付き合っていた人がいた、と始まるわけじゃない。残念ながら、彼女いない歴=年齢だ。いや、光栄ながらというべきか?

 いたのは僕ではなく、当時大学生だった僕の従姉だ。高校生の時、始めて恋人ができたと喜んでいたのを覚えている。それからずっと同じ人と付き合っていたらしい。


 僕の従姉は、僕より7つ年上で、家が近かったこともあって、幼いころから一緒に遊んでいた。僕が一人っ子で、母親を早くに亡くして暇だったのもあって、よく一緒に遊んだものだった。従姉は優しくて、勉強もできて、とてもかっこよかった。そんな従姉に、憧れとともに、淡い恋心を抱いたのは、ある意味必然といえるかもしれない。初恋は最も近い異性だって言われることもあるし。シスコン? いえいえ、従姉は四親等です。

 けれども、そんなことを当然言い出せるはずもなく、少しの嫉妬心をませて従姉が喜んでいるのを見ていた。


 でもそれは、すぐに砕け散ってしまった。ある日、従姉が泣きながら帰ってきた。

 従姉はすごく悲しそうな顔をして、泣き喚いていた。それを見ているのが、とても辛くて、声をかけた。慰めようとした。でも、従姉が言った言葉は僕の胸に容赦なく突き刺さった。

 話によれば、大学構内で、恋人を見かけたらしい。話しかけていたら、もう一人の相手が戻ってきたのだそうだ。そこで、二股をかけていたのがわかったらしい。そこで泣きながら逃げ出したのだとも。

 従姉は言ってのけた。

「男なんてみんな同じなのよ。あんただっていずれそうなるわ」

 ショックだった。そう予言されたのが、何よりも深く僕の心を抉った。翌日になって従姉は謝ってくれたけど、でも受けた傷は元には戻らなかった。

 男なんてみんな同じ。僕も、そう。いつか、最低な人間に成り下がってしまう。それは、多感だった僕の心に突き刺さって今も抜けていない。

 怖かった。従姉の言うようになってしまうのが、とても怖かった。今はそんなことはないけれど、恋をしてしまったらそうなってしまいそうで。


 だから、僕は恋愛をしない。だけど深草さんは僕に話しかけてくる。僕は恋愛なんてしたくないのに!




 ってちがーう! 違わないけど、それは副次的要素だ。一番の理由は平凡な僕に学年一の美少女が惚れるはずなんてないからなんだからね!

17/11/16:従兄妹の年齢等を変更しました

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