またやらかすとは……
ついに、ついに100万PV突破!
ここまで来れたのも、読者の皆さんのおかげです! 感謝!
アイネ・ミリオーン!
クリスマスパーティーは『シャルロット』で開催されることになった。千秋さんが場所を提供してくれるらしい。いつものメンバーでいつもの場所。特に問題はなく開催の運びとなった。メールで知らせておく。あ。でも拓都君と三希さんはどうするんだろう? クリスマスデートの予定だったら申し訳ないな。
そんなことを考えていたけど、2人ともしっかりとやってきた。腕を組んでだけど。
「やっほー。準備ありがとうね。あ、ソフィア―会いたかったよー」
加乃先輩がソフィアをもふもふする。この2人は相性がいいのかな。
「そうだ、いろいろと食べ物とか飲み物もって来たよ」
「はいストップ!」
千秋さんが制止を掛ける。
……そういえば、バカノ先輩には前科があった。旅行のときにアルコール飲料を持ってきてたし。確認すべきだよね。ここにいるの千秋さん以外未成年だもん。
「そのかばんの中のものを全部出しなさい」
「えー、そんな。カナダからのお土産なのに。というかそんなことしないよ」
「いいから出す」
渋々といった様子で、背負っていたリュックから緑色の瓶を取り出す。いや、これお酒じゃないの?
「これ、ただの炭酸入りのリンゴジュースだよ? 心配し過ぎだって。無理やりだましてお酒飲ませるなんて流石にしないもん」
無理やりじゃなかったら飲ませるのとか、自分の分は用意してるんじゃないかとかいろいろ疑念はあるが。
千秋さんがコルクを抜いて中身を確認する。どうやら本当にアルコールは入っていないらしい。
「後は、お菓子とか、缶ジュースとか。置いていくね」
ネットのこちら側でリュックから荷物を取り出していく。しばらく、ソフィアの相手をしていよう。
「おう、俺達で最後か」
利頼君が彩里さんと連れ立ってやってきた。これで最後だ。にしても、二人そこそこ仲がよさそう。いや、彩里さんはかなり迷惑そうにも見える。
「よし、それじゃあ未悠ちゃん、音頭をよろしく」
既に持ち物検査を終えた加乃先輩が声をかける。そして、マイクらしきものを投げ渡した。
「えっと、それじゃあクリスマスを祝って、カンパーイ」
「「「カンパイ!」」」
椅子に座るのは面倒なので立食形式だ。ちなみに僕と京香さんは料理担当筆頭なのでかなり忙しいです、はい。今はケーキにクリームを塗っている。
……加乃先輩の希望で、ライチリキュール混ぜたけどこれくらいは大丈夫なはずだ。でも、二段のケーキなんて初めて作ったな。なかなか楽しい。
「ドリア出来ましたよ」
京香さんがオーブンからグラタン皿を取り出す。既に机の上にはアボカドサラダとローストビーフ、フライドポテトなどが乗っている。僕もケーキを作り終わったらみんなのところに行こう。
「あ、ゆーくん。さあ飲め飲め」
そうこうしているうちに、グラスを手に持った加乃先輩がやってくる。色からしてリンゴジュースかな。そう思って一口口に含み。
「ぶふっ!?」
吹いた。
「これアルコール入りだろ!」
「そうだよ、アイスワイン。なかなかおいしかったから、お土産に買って帰ることにしたの」
「確信犯だ! ここに確信犯がいる!」
というか、どうやって千秋さんの検査をすり抜けたんだよ! 全部チェックされてたはずじゃ。
「加乃ちゃーん? ちょっとこっちでお話ししましょうか?」
千秋さんがバカノ先輩に梅干しを仕掛ける。うん、やっちゃっていいと思います。というか、僕にのませようとしたし。
「あは、悠杜だ~。ケーキさっさと持ってきなさいよ。ほらほら~」
未悠さんにも飲ませてるし。よく見たら、拓都君と三希さん寄り掛かって寝ちゃってるし。
「というか、あなたどうやってこれ持ち込んだんですか! 千秋さんに全部チェックされてましたよね!」
「うんうん。そうなると思ったからあらかじめ悠杜君のクーラーボックスに……」
「ざけんな」
はたいた。思いっきり頭を。
……一応先輩だし、女の子だけど、流石に横暴が過ぎると思うんだ。
「ちょっといたよ~」
「千秋さん、これ反省させといてください。僕、みんなの様子見てきますんで」
そう一声かけて調理場を出る。ケーキは冷蔵庫に冷やしておく。
あの人のお酒に対する執念はどうなってるんだろう。またやらかすとは……。
「それじゃあ、プレゼント交換をやりましょう!」
ラスト。加乃先輩の発案により、プレゼント交換が行われることになっていた。もう既に買ってきてあるしね。
あの後、間違えて飲んでしまった人に水を飲ませ、酔いを軽く覚ました。寝てる2人も起こしてみんなでケーキを食べて。ケーキは好評でよかったと思う。ライチリキュールを生クリームに突っ込んだ本人が自分のおかげだと言ってたのは腹が立ったけど。
ラストクリスマスが流れる中で、ラッピングしたプレゼントを順々に手渡していく。誰が誰のになることやら。出来ることなら、未悠さんのプレゼントに当たりたいけど。
そんなことを考えているうちに、音楽が止まる。僕のは……、おお。未悠さんの手元にある。ラッキー。
「これは……?」
「僕のです。腕時計かっこいいの見かけたので」
「わあ、ありがとう」
早速つけてみる未悠さん。やばい、めっちゃ可愛い。しかもこの子が僕の彼女なんだよ? とっても高揚する。うん、いいわあ。
めいめいに自分のプレゼントを開けていく。僕も自分のを開けることにしよう。
「これは、サイフォン?」
「あ、それ送ったの私だね。家で使ってみて」
千秋さんが手を挙げる。ちなみに、未悠さんのスモーカーは京香さんの手に渡っていた。何か恣意的なものを感じるのは気のせいかな?
「じゃあちょっとコーヒー勉強してみよう」
「いいんじゃない? 焙煎も挽くのも悠杜君出来るでしょ? 何だったらうちのコーヒー豆分けてあげるし」
「ありがとうございます」
本格的なコーヒーか。淹れられるようになったら未悠さんにごちそうしてみたいな。
ただ、未悠さんのプレゼントが手に入らなかったのはちょっと残念だけど。
「そんな顔しないの。後で、改めてプレゼントあげるからさ」
「あ、ありがとう! でも、僕なにも用意してないけど」
そんな顔が未悠さんにバレたのか、微笑みかけてくる。あ、かわいい。もうそれだけでいいや。
「いいなー、2人ともラブラブで。私はアランを振ったのにさ」
そんな空気に耐えかねたのか、加乃先輩がぶつくさ文句を言う。そう言えば、拓都君と三希さん、利頼君と彩里さんも仲がよさそうだ。
「くそう、恋人になったからってこれ見よがしにイチャイチャしやがって! 爆破してやる!」
「やめて! 加乃先輩がそれ言うとリアルに実行しそうだから!」
というか、まだばらしてなかったのに! なんでこのタイミングで言うかな!?
「悠杜もか! おめでとう!」
「ということは、ここにカップルが3組いるんだな」
「ちょっと、トシ! 返事はまだしてないからね!」
あーもう、口々にいろんなことを言わないでくれ! 情報が飽和する。というか、彩里さんそれほぼ付き合ってるんじゃあ。
「私もようやくつかえがとれたかな。おめでとう!」
「だからバカノ先輩抱き着くな!」
千秋さんがほっとしてるのはいいが、加乃先輩は僕の頭を叩くな!
「幸せ税だ! 独り身の辛さを味わえ!」
「だー、フクロウたちを興奮させるなー!」
カオスだ。とんでもなくカオスなことになった。
……どうやって収集つけよう、これ。
竹田「なあ、俺中学時代からの友達って設定だったのに見事にハブられてないか?」
光弥「僕も、結構重要なこと言いましたけど、それ以外ほぼ出番ないですからね……」
詩音「まあ、とりあえずのみんしゃい。うちなんて、加乃の代わりとして設定されたけど作者が普通に忘れたせいで、出番なんてほぼゼロやで、ゼロ! アホとちゃうか」
竹田「俺たち不憫だよな……。作者もうちょっとしっかりしてくれ」
作者「よし分かった! これから君たちのことを不憫組と呼ぶことにしよう!」
詩音「やめろ! その呼び方定着したら不憫キャラとしてますます出番減らされる!」




