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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
聞いてほしいことがあるんだ
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京都へ

「京都、どこ回ろうか」

「有名どころは抑えときたいよね。それと、生徒会で行った所に行けなかったところも」

 新幹線の中でそんな話をする。テストが終わったらいろいろ走り回っている間に気づけば京都旅行の日になってしまった。流石師走。先生も走る。あれ、走るのって師匠であってたっけ。

 本当は、二学期が終わってもウィンタースクールとか冬季補修とか呼ばれる奴があるんだけど、出席日数カウントされないから放り出してきちゃった。冬休みに旅行に行く人だとその前から休んでいることもあるみたいだし。

 なので、今回は僕ら2人以外には誰もいない。京香さんでさえも。まあ、事前に行ってくるとは伝えたので。アルテミスとアポロンの世話も千秋さんにお願いしてきた。

「金閣寺とか、比叡山とか行けなかったし北の方はいきたいかな」

「その2つは反対方向だけどね」

 未悠さんに言われる。そう言えばそうだった。

「私は、嵐山に興味があるかな。渡月橋とか行ってみたい」

「いいね。トロッコとか川下りもあったはずだし」

「トロッコ面白そうだね」

 これでも、旅行に出かける前にいろいろと雑誌は調べたんですよ。

 準備は万端、のはず。バイトで稼いだお金をおろしてきたし、ホテルの予約も取ってある。2食付き。研修旅行と同じで1泊2日の予定だ。未悠さんの両親も許可してくれたらしい。

「あとは、伏見稲荷大社の鳥居、冬に見るのもいいんじゃないかなあと思うんだけど、どうかな。京都駅から近いし、帰る前にでも」

「うん、いいんじゃない。結構上るの大変だったけど」

「冬だから、暑くないと思うよ」

 心の中で小さくガッツポーズをする。

「あとは、適当に考えよっか」

「そうですね。特に当てなくぶらつくのもいいものかと」

 僕らを乗せて、新幹線はどんどん進んでいく。




「寒い!」

 京都に着くなり未悠さんが叫んだ。僕も同意だ。東京より寒いよこれは。

 雪は、降ってないみたいだけど肌が乾燥する。あとでリップクリーム塗っておこう。ハンドクリームも。しかし底冷えするなあ。

 1泊2日で荷物も少ないし、リュックサックにまとめてきた。それにこの時間だとまだホテルのチェックインもできないし、お昼ご飯もまだだ。とりあえず観光しますか。

「とりあえず、金閣寺にでも行きますか。バス地下鉄2日券がいいって千秋さんに教えてもらったし、それを買って」

「いいね。とりあえずは金閣寺に行って、にしんそば食べよう」

 金閣寺は京都市内でも北の方にあるから、雪が降ってるといいなあ。




「壮観だったよねえ、金閣。流石金でできているだけのことはあった。足利義満ってすごいもの作ったな」

「実は、昭和に放火で焼失しちゃってるから、再建されたものなんだけどね。義満関係ない」

「そうだっけ……」

 覚えてなかった。まあ、いっか。

 そういうわけで僕らは金閣寺を観光し、その近くにある蕎麦屋でお昼ご飯を食べている。未悠さんがにしんそばで、僕がラーメンです。あれ、蕎麦屋?

「金閣寺見れてよかったね。明日は銀閣寺行く?」

「それもいいね。延暦寺行くのは結構大変だし、その辺にしとこうか。それと、金閣寺と銀閣寺は通称で鹿苑寺と慈照寺っていうんだけどね」

 そう言えば、そうだった。

「この後は、嵐山に行くのでよかった? トロッコ乗るっていう話だったけど」

「うん。それでいいんじゃないかな。お土産も買わないといけないし」

「あ」

 お土産のこと忘れてた。買い過ぎたらリュックサックに詰めて帰れないぞ。一応お金はあるから、ホテルで宅配便発送すればいいか。そう言えば。

「そう言えばだけど、あんまり声かけられなくなったよね。京香さんも加乃先輩もいないからちょっと心配してたんだけど」

「まあ、冬でマフラーと耳当てしてるしね。それに、実はちょっと最近、オーラ抑えるように努力してるしね。ほら、2人で出かけられるように。今まで無意識にはなってたみたいだから」

 そうやって、ほんの少し頬を赤く染める。恥ずかしがってる。それが、肌の白さと相まってとってもかわいかった。ちょっと抱きしめたくなる。まあ、そんな積極性ないけど。

「そうだったんだ。ありがとう」

「別にいいよ。私がやりたかったことだし」

 そう言ってはにかむ。すごくかわいかった。




「ちょっと、買い過ぎたね」

「本当ですよ。というか、結構急がないとホテルの夕食に間に合わないからね」

 まあ、僕も相当いろんなところを物色してたから人のことは言えないんだけど。

 ホテルは千秋さんがおすすめだというところを紹介してもらった。京香さんが株式を持ってるところもありかなと思ったんだけどね。大浴場がついていて、ディナーはビュッフェ形式、結構いいお値段がした……らしい。なんかコネで安くしてもらった。まあでもよく考えれば二条君の従兄弟だって聞いたし、どこかの御曹司なのかもしれない。大学卒業後すぐに趣味であんな店を始められるくらいだし。

「というか、これ持って新幹線乗るのは大変ですよ」

「まあ、仕方ないから家に発送、かな。それより、本当にチェックインとかもろもろは任せていいんだよね」

「大丈夫だって。父があんまりあてにならない性格だから、こういうのは何度かやったことがあるし」

「それなら安心だ」

 ホテルへと向かう地下鉄の中でそんな話をする。

 だけど、この時の僕はよくわかっていなかった。実際に計画を立てるのと、ホテルに泊まるのでは、しかも未悠さんと同じ部屋に泊まるというのがどういうことなのか。親御さんからは許可されていたとしても、そういうことではなく。

 ここが、地獄の始まりだったのだ。




 ……とまで言うと大袈裟か。

作者「ちなみに、師走の師とは坊主のことです。捕捉しとくね」

加乃「くれぐれも鰤じゃないよ」

作者「字面全然違うだろ……」

加乃「ところで、作者は京都在住らしいけど、おすすめスポットとかはあるの?」

作者「よくぞ聞いてくれた! 有名どころで言うと慈照寺・水族館・京都タワー・蹴上・映画む……」


加乃「歯止めが利かなくなったのでこの辺で失礼します」

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