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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
聞いてほしいことがあるんだ
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明日が来るのが

2018年も終わりですね。今年も1年ありがとうございました。来年もぜひ、よろしくお願いいたします。

 映画でも見に行こうかなんて誘ったものの、何の映画を見るか特に決めてないんだよなあ。というか、僕この近くの映画館がどこにあるのかよくわかってない。というか、そもそも映画に限る理由はないんだよなあ。

 かといって、未悠さんもノープランみたいだし。僕がかってに連れ出したわけだし。

「何か、これは嫌っていうのはある?」

「うーん、あんまり遠くには行きたくないかな。ほら、活動範囲外だとちょっと……」

 まあ、確かに。ナンパとかいろいろしつこいのは嫌だもんね。今日は完全に未悠さんと僕の2人きりで、僕はどう見てもひ弱そうなやつだから。あんまり楽しめないのは損だ。

 とりあえず、携帯で近くの映画館を検索する。そう言えば、今年の春まで携帯持ってなかったんだよなあ。千秋さんと未悠さんの策略で買うことになって。今じゃあ、かなり使いこなしてる。

「とりあえず、近くの映画館にでも行きますか」

「うん、悠杜君に任せる」

「あ、でもこの時間って通勤ラッシュだし、もうちょっとゆっくりしていい?」

「何やってるのさ」

 未悠さんが笑う。まあ完全に僕の甘さが招いたことなんだけど。




「それで、映画どれ見ましょう?」

「今何やってるのかな?」

 ラッシュを避けて映画館にやって来たんだけど、特に何も考えてなかったせいで今何を上映してるのかよく知らないんだよね。とりあえず、映画館内の広告を見て決めようか。

「今はこんなのが流行ってるんだね」

「いや、それはちょっとやめとかない? 何となくホラーテイストな気がする」

 ホラーはさ。あんまりおもしろくないと思うんだ。そりゃ吊り橋効果なんて言葉があることくらい知ってるけど、自分が震えてちゃ意味ないし。

「あとは、こんなのもやってるみたい」

「それも、ちょっと」

 あとこてこての恋愛映画はパスです。流石に恥ずかしい。

「この辺にしません? 今流行ってるらしいし」

 そうやって僕が指さしたのは魔法使いたちのやつだ。海外の作品で日本語に吹き替えられている。結構話題になったはずだ。

 未悠さんがよくわからない表情をする。でも、これ以外だと恋愛ものばっかりだし、これでいいよね。

「それじゃあ、僕チケット買ってきますね」

 そう言うなり駆けだす。これも面白そうだしいいよね。




「これからどうします?」

 映画を見終わった後、併設されたファーストフードでポテトを頼んだ。未悠さんはシェイクを飲んでいる。

「2人だ楽しめるところって、結構少ないよね。もう帰る?」

「せっかく学校さぼったんだし、もうちょっと何かしていきましょうよ。と言っても案があるわけじゃないんですけど」

「カラオケは2人だとあんまり楽しくないし、ゲームセンターも絡まれたくないし」

 そう考えると、2人きりであんまり遊びに行ける場所ってないんだよなあ。

「とりあえず、この辺をちょっとぶらぶらしてみよっか」

「そうですね。お昼もまだだし」

 そう言えば、まだ生徒会に入る前にパン屋とか一緒に言った覚えがある。後は、古書店にもいったっけ。そう言えば。

「加乃先輩から聞いたんですけど、電車で3駅くらい行った所に大きな本屋があるらしいんですよ。そこが結構品ぞろえもよくて、本にまつわるイベントととかもやってるらしいので、行ってみません? 面白そうでじゃないですか」

「いいね、そこいこっか」

 未悠さんがほほ笑む。あの時は眠りこけちゃって京香さんに怒られたんだよね。今日は京香さんは京都に行ってるし、思う存分楽しむことができる。元々本は結構好きだったし。最近ご無沙汰だけど久しぶりに書店につかろうかな。




「今日は、ありがとうね。楽しかった」

「そう言ってもらえるなら嬉しいです」

 本屋で遊ぶのは楽しかった。すごく品ぞろえが多くて、僕の好きなミステリーの原書とかもあった。

 イベントはビブリオバトルをやってた。飛び入り参加もありで、2人とも参加してみた。未悠さんがいい所まで行ったんだよね。

 結局、ミステリー買っちゃった。特に何も考えてなかったんだけど、面白そうだったし。未悠さんも面白そうな小説を何冊も買っていた。

「僕も楽しかったです。明日もどこか行きましょうか」

「うん……」

 研修旅行は1泊2日だからね。

 そう思って帰ろうとしたところで袖を掴まれた。

「あの、さ」

「なんでしょう?」

「私、学校に行けなかった間、明日が来るのがすごく怖かったんだ」

 未悠さんから告白される。

 それは、少し驚くようなそんな告白だった。

「このままさ、何も変わらないまま一日を終えて、そうしてまた無為にこのままずるずるって行くんじゃないかって。それで、すごく怖かった」

 やっぱり、僕はかっこよくなれないみたいだ。気の利いた言葉が思い浮かばない。ただこうして聞いてることしか出来ないや。

「だけどさ、悠杜君が励ましてくれたおかげで、今は明日が来るのが楽しみだって思える。明日も楽しみにしてるから」

「楽しみにしてもらえると僕としてもうれしいです」

「うん。それじゃあ、また明日」

「また明日ね」

 怖かったのかもしれないけど、今は楽しみにしてもらえてよかった。

 それに、明日が来るのが楽しみなのは、未悠さんだけじゃない。僕だって、とても楽しみだ。

加乃「ハッピーニューイヤー!」

作者「いや、まだ年越してないから」

加乃「時差があるからね。バンクーバーでは年越してるのさ」

作者「いや、嘘を吐くのはいい加減にしろ。日付変更線の向こうだから日本より遅いから」

加乃「まあまあ、いいじゃないか、こういうのは祝ったものがちなんだから」

作者「それもそうですね。というわけで!」

全員「2019年も、よろしくお願いします!」


作者「ところで、加乃って年末には帰ってきてるはずだよね?」

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