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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
聞いてほしいことがあるんだ
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樟葉加乃 選ばれたのは

今回ちょっとだけ真実が明らかになります。

「ようやく来たよ。全く可憐な乙女の時間は短いんだぞ?」

「すいません。でも、大事な話があるんです」

「大事な話? ひょっとして私といけない関係にならないかとか?」

「ふざけないで聞いてもらえますか。かなり重要な話なので」

 あれ、違ったか。仕方ない、モードを切り替えるようにしよう。

「わかった。これでいい?」

「ありがとうございます。何か頼むくらいはいいですよ」

「いや、水があるからいい」

 真面目に話があるなら何か食べながらってのはちょっとね。後でクレープ奢ってもらうくらいにしとこ。

「それにしても私なんかでいいのかな? ほら、私は結構ふざけるよ?」

 そう言うと悠杜君は苦笑する。

「確かに、加乃先輩ってかなりふざけますけど誰かを傷つけることってないじゃないですか。それに、絶対にふざけちゃいけない所ならふざけませんよね? そこのところわきまえてる。真面目にふざけてるとでも言った方がいいのかな?」

「鋭いね」

 水を口に運ぶ。ちょっと動揺した。

「そういうわけですから。加乃先輩は未悠さん以外なら一番信用してるので」

「それはとっても光栄だよ」

 未悠ちゃんは別枠としても素直にうれしいね。

「それで、相談ってのは何かな? 未悠ちゃんのことが好きだって気づいたけどどうしたらいいかわからない、とかかな?」

「ええ、そうです」

 悠杜君が頷く。まあ、トラウマはそう簡単に消えないからトラウマっていうんだしね。

「僕は、怖いんですよ。誰かを好きになるのが。未悠さんを好きになってしまったら、僕が僕を失ってしまうような気がするんです」

「それは、やっぱり茜さんのせい?」

「ええ、そうです」

 言ってからしまったなと思いだす。直接は聞いていないはずだから。まあ、スルーされたみたいだけど。

「確か、従姉に男なんてどいつもこいつも二股かける、とかそんなことを言われたんだっけ」

「そうです。そのせいで、これでいいのかなって」

「私個人としては、悠杜君はとっても一途だと思うけどね」

 いろいろと仕掛けてみてもなびかないし。ただ、そういうことじゃないのかもしれないけど。

「悠杜君が未悠ちゃんを好きって気持ちは見ててすごくまっすぐだし、他の人にもなびいたりしなさそう。このままずっと未悠ちゃんのことが好きなんじゃないかなった思うよ。まあ、でも、悠杜君が効きたいのはそういうことじゃないんだよね?」

「ええ、そうです」

 自分が従姉の言う例外だ、っていうことじゃなくて。それがトラウマとして残ってるってことなのかな。

「トラウマが引っかかっちゃうと」

「ええ、そうなんです。というか僕ほとんどしゃべってない」

「観察力が高いのは悠杜君だけじゃないしね」

 実際はほとんどのことを知っていただけだけれど。まあでも推測はできたしね。

「まあ誰にだって大なり小なりトラウマはあるからね。それに対して誰だって克服したいって思うものだよ。例えば未悠ちゃんも」

 そう言って水をまた一口口に含む。慣れないことをすると口が乾くなあ。それに、止められなかったし。

「それで、そのトラウマの克服方法だけどね。私も話を聞いてからいろいろ考えたんだけど」

「はい、どうしたらいいんでしょう?」

 悠杜君が食い気味についてくる。

「残念だけど私には無理だ」

「え?」

 そしてぽかんとした顔をした。

「これは悠杜君の問題だしね。ある程度の助言をしても、焼け石に水だよ。誰でもそうだと思うけど、これは悠杜君が自身の力で打ち破るしかない。私にできることといえば、そうだね。発破をかけるとか、時間制限を設けるとかそれくらいしかできない」

「そうですか……」

 悠杜君の顔が沈む。でもまあ、悪いけどこのままで終わらせるつもりはないんだよね。もともという予定はしてたけどここで言っちゃうか。

「そういうわけで、期限を設けさせてもらうよ」

「え?」

「年内」

 悠杜君が驚いたような顔をする。そう、年内に帰ってくる予定だから。

「年内に未悠ちゃんに自分の気持ちを伝えること。もし、それができなければ、悠杜君は私の彼氏にする。いいね?」

 これくらいしか私にはできないから。まあ、付き合うのも悪くはないと思ってるんだけどね。

「もう一度言うよ、年内に悠杜君が未悠ちゃんに告白できればそれまで。出来ないのなら、強制的に私の彼氏にする。そういうことだから」

 個人的には悠杜君は気に入ってるんだけど勝率は低そうだ。まあ、仕方ない。

「それ以外にもこれからいろいろと苦労するだろうから、覚悟しておいた方がいいよ。私だっていつも呼び出しに応じられるわけじゃないんだし」

「はい、今日はその、ありがとうございました」

 だから、だろうか。

「そうだ、前に黄金林檎の話をしたね?」

 不必要なことまで口走ってしまう。

「それについて一つ訂正しておくよ。選ばれたのは悠杜君、君じゃない」

「僕じゃ、ない?」

「そうだね、順当に進めば、きっと選ばれたのは私だったはずだ」

 自惚れなのかもしれないけど、名残惜しいと思ってしまう。でも、結果として今悠杜君が好きなのは未悠ちゃんだしね。

「いずれ分かる時が来るかもしれないよ。私も来ないことを祈ってるけどね」

 そう言って立ち去った。


 しまったな。カッコつけたせいでクレープ奢ってもらうの忘れた。

加乃「というわけで正解は1の加乃ちゃんでした」

作者「いやお見事。加乃ちゃんはシリアスからギャグ、さらにギャグまで幅広く使えるね」

加乃「今ギャグ2回言わなかった?」

作者「いや、言ってない」

加乃「まあ、それはともかく、1話から33話までの話を書き直したんですよ」

作者「明らかに稚拙すぎて伏線が弱かったからね」

加乃「そういうわけなので、読み返してみると新しい発見があるかもですよ?」

作者「以上宣伝でした!」

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