まだやるなんて一言も言ってない!
2000ポイント達成しました! みんなありがとう! これからもよろしくお願いします。
それから、新章は体育祭編です! リアルでもそんな季節ですね。
「えー、それでは、体育祭の種目決めをやろうと思います。店長、書記役頼むね」
「だから店長じゃないって」
文化祭の一件で副委員長ポジションに固定されてしまったのか、無言で前に出ろと圧力をかけられる。このクラスって無駄に団結力あるよな。前だって向けてきた敵意とか害意とかが妙に固まっていた記憶がある。
「それじゃあ、まず個人種目ね。これは1人2種目全員に出てもらいます。それぞれ枠があるから、それに合わせてね。書記君、黒板に人数書いてね」
はいはい。というか、完全に初期扱いされてしまった。まあ、直接的な害がないし、強くは拒めないんだよなあ。
「それじゃあまず、100メートル走に出たい人」
確か、個人種目は100メートル走と障害物走、それから借り物競争だ。まあ、無難に障害物走に手を挙げとこう。これなら早くても遅くてもすごいな―程度にしか思われない。
「借り物競争が人気みたいだからじゃんけんして決めてね」
「ラブコメ展開にあこがれてるやつ多すぎだろ」
誰が言ったか。確かに、紙に好きな人と書いてあるなんてのがよくあるがそれはそれ。というか、生徒会ってこっちにも少しは関わるらしいがそれはやらないだろうな。
加乃先輩の顔が浮かぶ。いや、あれならやりかねない。まあ、それはともかく僕は障害物走で決定したからね。
それから、団体種目。えっと、二人三脚、棒引き、騎馬戦、台風の目、綱引き、大縄跳び、球入れ、パン食い競争の8つから1人2種目。いやパン食い競争は個人種目だろ。
それから団対抗、クラス対抗のリレーが2本。これは足の速い人から順番に選ばれる。僕は7秒8でそこまで速くないから選ばれない。それと、生徒会企画の部活動対抗リレー。部活動が多いから3本に分けるんだけど自分そのうち出るんだよね。生徒会と園芸部と。めっちゃきつそう。それはともかく。
個人的には二人三脚とか騎馬戦とかは嫌だから、適当にさぼれる玉入れと綱引きかなあ。しかも、二人三脚はなぜか『ドキッ、恋を応援男女混合二人三脚』とかなってるし。絶対加乃先輩の差し金だ。
「それじゃあ、次団体種目行くね。それじゃあ騎馬戦男子いませんか?」
それから、騎馬戦は男子限定なんだった。そして人気ない。お前いけよとばかりに小突き合ってる。4人、出てくれないだろうか。
「委員長、伏見がいいと思います」
ちょっ、竹田!? 何考えてんの!?
「オッケー、それじゃあ騎馬戦伏見君っと」
「まだやるなんて一言も言ってない!」
「でも、この紙に書いちゃったから……」
「職権乱用だ!」
騎馬戦なんて目立つのやりたくないし! というか、ここぞとばかりに襲われそうな予感がするのです。
「まあ、でも誰も候補がいないなら推薦でね。伏見君は小柄だから騎手として、あと3人。誰かいませんか?」
誰もいない。くそ、竹田のやつ。絶対こき使ってやる。仕方なく黒板に名前を書いたが、ついでに名前を書き足してやる。竹田、と。これでよし。
「おお、竹田君やってくれるんだ。それじゃあ拍手!」
「ええ、俺も!?」
ふっ、人を呪わば穴二つなのだよ竹田君。というか、これでストレスでも発散しなきゃやってられない。
「それじゃあ、後は、拓都君頼める?」
「よし、任しとけ!」
そしてハニートラップに引っかかる者が1人。後は、適当に選んでおくか。よし、真倉君、目についた君に決めた。
「というわけで無事4人が立候補してくれましたー、パチパチ。みんな4人に拍手」
「くそ、なんで俺が」
「一緒に地獄へ落ちようぜ、竹田」
とか言いつつ竹田だけをうまく落として自分は回避する策を考えていたりする。例えばわざと騎馬を崩すとか。
「それじゃあ次、棒引きね」
それからは特に問題なく決まっていった。僕の第二種目も無事に玉入れに決まり、空欄が埋まっておく。
それから、未悠さんと京香さんは100メートル台風の目玉入れ、竹田は障害物(借り物競争のじゃんけんに負けた)大繩(二人三脚以下略)、拓都君は100メートル棒引き団対抗リレー、三希さんは障害物台風の目パン食いクラスリレー、彩里さんは借り物棒引き台風の目に決定。僕と仲のいいメンバーはそんなところか。
「みんなありがとうね。いやー、書記君がいるとすごく楽だわ」
三希さんが本音を漏らす。それは暗にこれからも書記をやれと言ってますね。まあ、生徒会に干渉しない範囲でですけど。
「よし、伏見、後で会議室に届けておいてくれ。少し早いが今日はもうSHRにするか」
鳥羽先生が言う。なんで僕なんだと思わないこともないが、体育委員会に生徒会も一枚かんでるし、仕方ないか。
作者「それで、加乃ちゃんはどれに出るの?(酌をしながら)」
加乃「100メートルと大縄とパン食いと団対抗リレー。独り身にはつらいよチクショウ!」
悠杜「え、でも、二人三脚の名前って誰が決めたの?」
茜「それは私」
当て馬「誰!?」
黒幕「解説しよう、悠杜君の従姉兼私の同級生で」
茜「なんであんたがここにいるのよ! ちょっと貸しなさい! 飲まないとやってられない」
加乃「私のお酒取らないで!」
※未成年の飲酒はやめましょう




