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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!
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確実に嫌な予感しかしないんだけど!

 週があけて月曜日。想定していたほど酷くなかった深草さんとのSNSは無事に既読無視して事なきを得た。むしろ酷かったのは、どこからか聞きつけた山科さんに(強制的に)入れられた、お姉さま親衛隊というグループのほうだった。一晩寝たら1000件オーバーって何? 通知オフにしたから金輪際見るつもりはない。だって怖いし。

 そしていつも通り深草さんと合流し、今日は山科さんも一緒に電車に乗り、無事にスリ(正確には未遂)を突き出して学校へと向かったのだった。ごめんね、スリさん。扱いが雑で。

 ちなみに今日の占いの結果は深草さんが正位置の『愚者』で僕が逆位置の『審判』だった。毎回悪い結果になるのはなんでだ!


 それはともかく、今日も深草さんに詰め寄られ、山科さんにお弁当を口に突っ込まれてむせ、竹田には羨ましがられて僕の平穏な一日は過ぎていくのだった。どう考えても平穏じゃないか。

 あと竹田、これ別に幸せとか言うわけじゃないからな!


 と、僕は思っていたのだが、事態は僕の思わぬところで人知れず進行していたらしい。いや、ただ単に僕の認識外だっただけなのだが。

「今週の金曜日に、生徒会選挙を行います。立候補する人は、木曜日までに決意文を書いて教師に渡してください」

 だから、担任教師の鳥羽(とば)からそう言われた時も、ああ、そんな行事があったな程度にしか思わなかった。

「それでは今日はこれまで」

 鳥羽の声と共に、クラスメイトたちが散会していく。部活に入った人たちは部室棟や体育館へ、僕ら帰宅部は靴箱へと足を向けようとした。

「伏見君、ちょっといいかな」

 けれど、その前に、鳥羽から声がかかる。言われた通りついていくと、鳥羽はそこで爆弾をぶちまけた。


「伏見君に、生徒会に入って欲しいんだ」


 は?


 鳥羽が唖然とした僕を置き去りにして言う。

「あの、あんまり公にしていい話じゃないんだけどね、事前に深草さんに打診したら、伏見君が入らないなら私も入らないって言うんだ。それで、その」

 また深草さんか。僕は本当に厄介ごとに巻き込まれやすいらしいな。

「え、でも、僕成績あんまりよくないですし」

「その辺は僕が何とかするしさ。別に、庶務としていてくれるだけでいいから」

 いやだ、これ、すっごく面倒な予感がする! 高校に入って一ヶ月で磨かれた僕の第六感が警鐘を鳴らしてる。これは入ったら確実に面倒ごとが増えるやつだ。

「でも、選挙とかで選ばれるとも限りませんし」

 そうだよね、僕が選ばれるとは思わないし。うん、断ろう。

「いや、それはね。あんまり言いたくないんだけど、実質信任投票なんだよ。立候補した人がいても、たいていは教師が落とすからね。だから、さ」

 嘘でしょ! 知りたくなかった、生徒会選挙がそんな現実だったなんて。僕の答えは変わらないけどね!

「いや、それでもお断りします」

「はあ、仕方ないか。今は僕が言っても無駄そうだしね」

 そう言って鳥羽は去っていく。その去り際、驚きの台詞を口にした。

「それじゃあ、深草さんと山科さんに頼んでみることにするよ」

 ちょっと待って! その二人って、確実に嫌な予感しかしないんですけど!




 二人に捕捉される前に逃げ帰りました。一緒に帰ろうとか言われてたけど知ったこっちゃない。

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