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現実逃避をしていた……。

お待たせしました。それと、今回も短めです。

 実を言うと、いつ文化祭が終わって、どこをどう通って帰って来たのかよく覚えてない。錯乱していたみたいなのだ。ただ、ここが未悠さんちのフクロウたち用の部屋だということは景色でわかった。

「えっと、それじゃあ体温と体重を」

「それ、4回目だよ」

「え、あれ測ったっけ?」

「うん、異常なしって」

「それならよかった」

 ダメだ、まだちょっと混乱してる。というか、突然現れたイケメンが、未悠さんの婚約者ってどういうことなんだよ。

「お待たせしました! 話を聞いてきましたよ!」

 京香さんが現れる。ちょうどいいような、そんな気がした。

「えっと、その」

「はい、二条利頼ですが、少し情報を集めてきました。それによりますと、セカンダリーコーポの社長の孫で、どうやらうちの高校に転入してくるようです。クラスは違うようですが」

「それって、私のお父さんが働いてる会社じゃん!」

「そのようですね」

 京香さんが集めてくれた情報に耳を傾ける。少しため息でも吐いたんだろうか。

「父親は新事業部部長の二条義孝、聞いたことはありませんか?」

「確か、お父さんがもらってくる社内誌に名前が出てたよ。業績を伸ばしていて、そろそろ名前も変わるんじゃないかって」

 話にまったくついてけない。

「ともかく、力がある、ということだけ覚えておいてくれたら結構です。そして、少し話題が変わるのですが、実はその二条利頼が、一度『シャルロット』に来たことがあるらしいのです。そして、その時にお姉さまに一目惚れをした、と」

「私は、よく覚えてないけど」

「気づかなかっただけかもしれませんね。そして、二条利頼は父親の力を借りることにした。その結果、お父様がお姉さまを二条利頼に紹介することになったのですが、それを何と勘違いしたのか、はたまた伝達ミスなのか、二条利頼が勘違いした、そういうわけです。ですので、婚約者云々は本人が勘違いしているだけですね」

「なんだ、よかった。ちょっと心配だったんだよ」

「それは、ごめんね」

 びっくりした。いきなり未悠さんのお父さんが現れるとは思ってなかった。

「ただ、利頼君も悪い人じゃないし、未悠に良い人がいないのなら、一度付き合ってもいいんじゃないか、なんて思ってるんだけど……」

 ほへ!? なんで僕ですか!?

「ちょっと、お父さん、そういうのはいいから!」

 未悠さんが東治さんを部屋の外に押し出していく。

 京香さんが、こっちを見つめた。

「あんな調子ですので、強力なライバルが出た、そう考えてもらって結構かと」

「え、なんで、その」

「お姉さまがそちらになびくとは思えませんが、強引に押し切られてしまうかもしれません。何せ、相手側には力があります。仮にも社長の孫ですから。そういうわけで、兄さんには対策を取ってもらおうと思っています。わかりましたね」

 えっと、つまりイケメン君が婚約者を主張していて、実際はそうではないけれど、未悠さんがイケメン君の恋人になってしまうかもしれないと?

「た、大変じゃないか!」

 あ、やべ、フクロウ驚かせる。

「今更気づいたのですか」

「その、ごめん。と、とりあえずここを出よっか。フクロウたちに迷惑だし」

「そうですね、お姉さまにはあまり知られたくありません。純粋なままでいて欲しいですし。それ以外のメンバーを交えて会議が必要になりそうです」

 カバンを持って立ち上がる。

「あ、2人とも帰るの。それじゃあ、また明日ね」

「またです」

 深草家をおいとまする。と言っても、自宅まではすぐそこなのだけど。しかし、僕に何をさせたいんだ?




 そして、その翌日。文化祭代休日。

 この日、朝から出かけて僕は何をしていたのかと言えば。




「それでは、文化祭でペットカフェが大好評に終わったことを祝して、カンパーイ!」


 打ち上げという名の現実逃避をしていた……。

当て馬「ようやく俺の出番だな」

黒幕「私もこれから活躍パートが増えそうです」

加乃「と言っても私ほどじゃないけどね」

当て馬「それより」

黒幕「私たち扱い酷すぎない!?」


作者「テヘペロ」

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