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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
あっちこっち忙しすぎるんだ!
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世界の闇を垣間見た気がする……

「未悠、お疲れ。空きあるけど京香ちゃんと悠杜君も乗ってく?」

「では、そうさせてもらいます」

 僕が何かを言う前にするりと未悠さんのお父さんの車の助手席に滑り込む。アルテミスとアポロンがいるから車じゃないと無理なのだ。

「どうだい、うちの子たちは。人気だった?」

「ええ、一番人気でしたよ」

 まあ、断る理由もないので僕も家まで送ってもらうことにした。どうせ、メディカルチェックのために未悠さんの家に寄るし。

「やっぱり、フクロウってまだ珍しいですからね。ただ、一番難しいんですけど」

「だろうね。僕も大変そうだなって思いながら見てるよ」

 どうやら、父親の東治(とうじ)さんもだいぶ苦労しているらしい。高校に入ってから苦労人をかぎつける嗅覚が発達している気がする。なんでそんなことになったかって? 主に加乃先輩と千秋さんに苦労させられてるからだよ!

「ところで、悠杜君って将来の夢とかあるの?」

「特に決まってないですね。ただ、占いとかが上手だって言われるので、そういう心理学系の仕事とか向いてるのかな、とは」

「いいね。しっかりしてそうだ。これなら、未悠を預けられそう」

「ふえ!?」


 ナ、ナニイッテンノ?


「ちょっと、お父さん。まだ付き合ってるとか、そういうわけじゃないから!」

「そ、そうか。いや、仲がいいし、よくうちにも来てくれてるからそういう関係なのかと」

「そ、それはフクロウの世話をしてるだけですから! そういうわけじゃないです!」

「はっはっは。勘違いしてごめんね」

 油断も隙も無い。外堀から埋めようなんてそんなことはだめですからね!

 というか、京香さんが何かささやいてる。

「と、こういうわけで、とってもめんどくさいんですよ。早く付き合ってくれないかと」

 聞こえないったら聞こえない!

 ハンドルを握りながら東治さんがちらちらと後ろの様子を見てくる。

「未悠は昔から、そういうことにはあんまり興味がなくてね。でも、手前味噌だが容姿もいいし性格もいいだろ? 変な男につかまらないか、親として心配だったんだ。でも、最近になって悠杜君の話をよくするし、それに、私は人を見る目には自信があってね。君は誠実そうだから君と付き合ってるのならそれはそれで構わないと思ってたんだが、違ったか。大人は早とちりして悪いねえ」

「いえいえ。僕もよく間違われます。そのたびに違うって否定してるんですが」

 苦笑。というか、京香さんとか千秋さんとか、公認事実にしようとされてる気がするんですけど。加乃先輩は……、たぶんふざけてるだけだ。

「でも、君なら安心して未悠を任せられる。どうだろう、もらってはくれないか?」

「は?」




 いや、素で敬語抜けちゃったんですけど! どうしたらいいの!

「いやいやいや、そういうわけにはいかないですし!」

「なんだい、他に好きな子でもいるのかい?」

「いませんけど!」

 この人あれだ! 加乃先輩とかと違って、からかおうっていう気がみじんも感じられない! それだけにたちが悪い!

 って、未悠さん! 嬉しそうに顔赤らめないで! 誤解するから!

「僕はそういうのからは離れようと思ってますから! とりあえず、そういう恋愛的な話はなしでお願いします!」

「大人になる前に、いろいろと経験しておくといいと思ったんだけどね。未悠も、君も」

「ね、面倒でしょ?」

「確かに」

 そこ! 前2人! 面倒じゃない! というか変なことを画策しない!

「それより、事故ったら大変なのでこの話はここまでで!」

「はっはっは、今のところはそう言うことにしておくよ」

 全然わかってない!




「うん、2人とも元気そう。一応明日の朝も確認するけど、たぶん大丈夫だと思うよ」

「よかった」

 アルテミスとアポロンの体調はよさそうだ。体重も変化なし。ただ、ストレスは心配だ。

「それじゃあ、また明日」

「家まで行くよ?」

「いいって。それに、今日は従妹が来てるし」

「従妹って葵ちゃん? 私も会いに行く」

 押し切られた。ちなみに、茜さんの方は仕事が忙しいとかで、帰ってこられないらしい。伯父夫婦も同様だ。

「こっちの文化祭に合わせて泊まるんだそうです。家族が増えた説明もしておきました。今頃は母と仲良くやってるんじゃないでしょうか」

「仲良し家族っていいよね」

 しみじみと。ともかく、何も問題を起こさない家族がいい。そう思ってドアを開けた。

「あ、お兄ちゃんおかえり。って、未悠ちゃん! 久しぶり」

 ラグビーのタックルかという勢いで未悠さんと抱き着く我が従妹。それを、何かよくわからない笑顔で見る京香さん。なんだこれ。ほほえましいはずなのに、なんかちょっと怖い。

「お兄ちゃんもおかえり。明日は一緒に行こうね」

「僕、あんまり時間取れないんだけどなあ」

 というか、未悠さんたち3人と回る約束してるのに。

「ダメだよ、家族サービスはちゃんとしなくちゃ。将来未悠ちゃんと結婚した時に見放されちゃうよ」

「ケ、ケッコンってまだ早いから!」

 というか、色ぼけるなこの小学生め!

「何言ってんのお兄ちゃん。どう見ても彼氏と彼女じゃない」

「あ、ありがと」

「葵さん、グッジョブです」

 違うから! 全然違うから! きっとこうやって誤解は広まっていくんだ!


 世界の闇を垣間見た気がする……

東治「悠杜君なら未悠のことを任せられると思ったんだが……」

加乃「任せてください。二人のことをくっつけて見せますよ!」

作者「なんやかんやあってもくっつくのは決定してるのでね」

東治「そうか。これで僕も安心というものだ」

加乃「それじゃあ、今日は飲みましょう」

作者「カンパーイ!」


※作者も加乃も未成年です

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