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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
あっちこっち忙しすぎるんだ!
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僕どうなっちゃうんだろう……

ごめんなさい、忙しくて更新できませんでした

 ちゃんと、材料を持って学校へ向かう。うん、大丈夫だ。それに、この時間に出れば仕込みも十分間に合う。

「おはよう、よく眠れた?」

「それが、かなり嫌な夢を見ちゃってさ」

 学校で未悠さんとも合流する。アルテミスとアポロンがいるから、今日は父親の車で来たらしい。京香さんのテンションがいつもより低い。

「それじゃあ、調理の準備やっとくね」

 そう断って厨房の中へ入る。もう一つのクーラーボックスの中には氷と飲み物がぎっしりだ。さて、仕込みをやりますかね。




「ふう、とりあえずはこんなもんかな」

「お疲れ、開店までまだ時間あるから、休んどいてね」

 三希さんからタオルを渡される。そう言えば、熱いもんね。

「あ、それじゃあ、悠杜君占いお願い。最近してなかったし」

「わかりました。何を占えばいいでしょう」

「それじゃあ、ペットカフェ成功するかで」

 三希さんが隣から首を突っ込んできた。いいぞ、やれやれといった雰囲気が漂ってくる。

「わかりました、ではそれで」

 そう言ってポケットから取り出したタロットをシャッフルする。

「で、結果は?」

 ちょっと、三希さん顔が近いって。

「えっと、タロットは『運命の輪』です。これは、事態に転換点が来ることを意味します。正位置ですので、いい方法に進むでしょう。よかったですね」

「よし、委員長のお墨付きももらえたことだし、ガンバロー」

 逆に聞くが、悪い効果が出たらどうする気だったんだ。

「すいません、もう時間なくなっちゃいました」

「まあ、仕方ないね」

 未悠さんががっかりした様子だ。まあ、空き時間にでも占ってあげたいと思う。

「それから、メニューに時間限定で店主の占いを追加。一人300円ね」

「おいこら勝手に追加するな!」

 三希さん、お祭りハイになってません!?




「てんちょー、ビーフシチュー6番さんです」

「了解。あと、そのてんちょーって呼び名やめてくれない?」

「えー、似合ってんじゃん」

 竹田うるさい。というか、僕は実行委員長であって店長じゃないし。クレーマーの処理とか嫌だもん。今のところそういう出番はないけど。

「悠杜君、そろそろ、生徒会の方じゃなかった? 時間大丈夫?」

「あ、じゃあ、これよそったら行きます。あと頼みますね」

 ビーフシチューを鍋からよそって置いておく。エプロンと三角巾を取ってかばんにしまった。一日目は自由時間ないのは辛い。

 それに、心配事が一つ。占いをするとき、僕と未悠さんたちは向かい合っていたわけで。とうぜん、カードの向きは逆になるわけだから。今までは自分に関係ないことを占ってたんだけどなあ。

「逆位置の『運命の輪』かあ。悪いことが起こらないといいけど」

 でも、いつも僕が奔走する羽目になるからなあ。流石にお化け屋敷の時みたいにはならないと思うけどさ。




 それは、生徒会として見回りをしていた時の出来事だった。

 スマホが鳴った。三希さんからだ。

「もしもし」

「悠杜君? 今クレーマーが責任者を出せってうるさいの。すぐ来てもらえないかな?」

 嫌な予感的中。どうして、こんなにトラブルが集まってくるかな。

 あ、でも。今の僕なら。

「すいません、生徒会です!」

 連絡を入れた後、走って教室へと向かう。僕の方が早くつくはずだ。

「あ、悠杜君。ありがとう、来てくれたんだ」

「なんだ? お前が店長か?」

 うわあ、先輩がちょっとおっかない。体格いいし、声低いし、3人組だし。でも、耐性がついちゃったのかもしれない。加乃先輩のせいで。

「いえ、生徒会です。トラブルがあったという通報を受けて参りました。それで、何があったのか説明してもらえますか」

 今は生徒会の腕章をつけている。こっちの方が丸く収まる……はず。

「このお客さんが怪我したって文句をつけてきて」

「おいおい、こっちはそのハリネズミのせいで怪我したんだぞ!」

「だって、自分の方来ないからって威嚇するし、追いかけたら怖がられるって」

 なるほど、なんというか、危惧したとおりだな。ペットに慣れてない人が無理やり触れ合おうとして、逃げられ、逆上して怪我をする。

「えっと、ここは一応怪我は自己責任ということになっています。それに、ちゃんと触れ合う時の説明はしたんですよね?」

「うん、基本的に臆病だから威嚇しないでって。それに、ハリネズミは指噛むこともあるって」

「そんなの聞いてないぞ!」

「言いました!」

 あー、面倒だ。というか、出来ることなら逃げたい。

「言った言ってないの話は置いときまして、威嚇したら動物は逃げます。追いかけられたら動物は怖いですし、場合によっては反撃もされます」

「そっちの肩を持つのかよ!」

「生徒会はえこひいきするのか。

 肩を持つというか、なんというか。

「いえ、そういうものですから。それと、あんまり変なことを言うと連行しますよ」

「お前、ちょっと生徒会に入ったからって調子に乗ってんじゃねえぞ」

 うわあ。逆上させちゃったし。というか、どうすればいいんでしょう。お客さんも注目してるし。

「いえ、僕は調子に乗ってるわけじゃ」

「いい加減にしろ!」

 うわ怖い! 殴られそうになったんですけど。というか、避けなきゃ殴られてた。

「静観するつもりでしたが、こうなってしまっては仕方ないですね」

 京香さん、もう来てたんだ! というか、助けてよ。一応自分のクラスだから。

「とりあえず、生徒会員に暴力をふるおうとした件で、生徒指導室まで来てください」

 ちなみに、鎮圧はすぐだった。

「今後ああいう人が来たらペットたちを退避させてお引き取り願って。ペット傷つけたくないし。それ心がけて。いいね?」

「わかりました」

 それと、一応三希さんにも小言を呈しておく。

「兄さん、加乃先輩から応援要請です」

「わかった」

 一段落したと思ったら、休む暇もなく次だ。本当に僕どうなっちゃうんだろう……。




 そんなわけで、一日目は無事に(無事ではないが)終わっていった。

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