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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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これじゃ顔を見せられないじゃないか!

「あれ、なんで僕この部屋にいるんだっけ?」

 呟いて思い出す。そうだよ、完全に押し切られたんだった。それに、この部屋はベッドが1つしかない。予約した時点からこうするつもりだったと。橋本先生は役に立たないし。

 ちなみに今は食事を食べて風呂に入ってきた後である。食事はバイキング形式だった。まあ、1学年全員がいるのであれば、バイキング形式の方が楽に済むだろう。ちなみに、樟葉先輩が全部食べてやると息巻いていたので、絶対に無理だと言ったらボケだと返された。これだから東京人はと言われたが、バカノ先輩も東京だと思う。

 それと、お風呂に入ってきた。ちなみにパジャマの代わりに学校指定のジャージである。ホテルの備品を使うなとも。けち臭いことだが、まあ仕方あるまい。ちなみにお風呂は大浴場だった。貸し切りにするにしてはこのホテルは部屋数が多すぎるから、時間ごとに少しづつ、迷惑にならないように、という感じだろうか。ちなみに、僕の部屋には本当に何もない。トイレと洗面台くらいしかない。

 

 コンコン

 

 ノックする音が響く。誰だろう。部屋でも間違えたのだろうか。そう思って扉を開けると、そこには深草さんが立っていた。

「あれ、どうしたの?」

「樟葉先輩がミーティングするから部屋に来てって」

「あれ、そんな話あったっけ?」

 一応、帰ってから問題点をまとめるという話はあった気がするが。

「私もよく知らないんだけど、来てってさ」

「わかった、すぐ行く」

 そう言って鍵を取り、外に出る。オートロックではない。オートロックだと絶対3人は閉め出される人が出るな。そんなことを考える。

「そう言えば、十条さんと言った時は樟葉先輩お酒持ち込んでましたね」

「ああ、そう言えば。でも、流石に生徒会の行事でそれはないと思うな」

「ですね、今回ばかりは安心できます」

 ふと思い浮かんでそんな話をしながら安心しきって202号の扉を開けた。

「あーきたきた。いらっしゃいゆーくん」

 完全に飲んでいた。

 

「……だめだこいつ、早く何とかしないと」

 フラグだったね、さっきの発言は。

「加乃先輩、何やってるんですか!」

「というかミーティングをするんじゃなかったんですか!」

 2人して詰め寄ると、バカノ先輩は悪びれる様子もなく答えた。

「あー、あれ嘘。ゆーくんを呼び寄せて、みーちゃんを遠ざけるための、ね」

「ちょっとは反省しろ!」

 首根っこをつかんで廊下に出してやろうかと一瞬思ったがやめた。こんなのでも生徒会員である。飲酒がばれたらやばい。それから、体格的に絶対勝てないという問題もある。

「さて、それじゃあ、自由時間だしトランプをやりますか。負けた人が買い出しに行くってことで」

「おいこら、就寝時間はどうした! というか僕はやらないからね!」

「え!? 悠杜君参加しないの!?」

 深草さんが意外そうな顔をする。絶妙な手のひらの返し方である。だから、そのすがるような顔は反則だって。

「ちなみに、本来なら入浴の時間長くとるから、自由時間だよ。それに、旅行の醍醐味と言えば夜更かしでしょ」

「グハッ!」

 わかった、わかったから背中に飛びつくな! 骨が、骨が折れる!

「わかりましたから、やりますから助けて!」

 

 

 

「なんでこうなるかなぁ」

 深夜23時。全然深夜じゃなかった。

 僕は一人、コンビニへと歩いていた。理由は簡単トランプで負けたからである。ちなみにこれ3回目。

 さっきまでミッチというゲームをしていたのだが、全然勝てなかった。予想以上に樟葉先輩が強い。お酒が入ってたのもあるかもしれない。ババ抜きとナポレオンはめっちゃ弱いのに。

 ちなみに、僕と深草さんは同じくらいの実力である。要するに初心者。なのに僕が負け越したのは理由がある。山科さんに、徹底的にいたぶられたからである。機嫌はまだ悪いらしい。狙い撃ちされて、マイナス点を重ねた。

「ただいま戻りましたー」

 というか、僕なんでこんなことしてるんだっけ。段々思考回路が働かなくなってきているぞ。

「おかえりー、飲み物ついどいたけど飲む?」

「あ、もらうー」

 樟葉先輩から渡されたコップを受け取る。ピンクグレープフルーツジュースかな?

「ていうかそろそろゲーム変えません?」

「いいよー。それじゃあ、コントラクトブリッジでもする?」

「しらないんでルールおしえてくださいよー」

「おっけ~。それじゃあ2対2でやるからみーゆーときょうかのねー」

「わかりましたー」

 未悠もふわふわしてきたなー。そんなことを考えていた。

 

 その後、記憶がしばらくない。

 

 

 

「いたたたたたた。首痛めたかな」

 体が固まっている。しかも頭も痛い。えっと、どうなったんだっけ。そうだ、樟葉先輩に誘われてトランプをやっているうちに寝落ちしちゃったんだ。ということは、ここは、女子部屋か。

 ふっと息を吐き出す。呼気がやけにアルコール臭いな。ってアルコール!?

「ちょっと待って!? えっ!?」

 いつの間に飲んだ!? 思い出す。そうだ、昨日、樟葉先輩から飲み物を受け取ったんだ。あの危険人物、人の飲み物に、お酒を入れてくれやがったな!?

「あ、起きた? ってふふ」

「先輩! なんてことしてくれたんですか!」

 笑っている深草さんは無視だ。

「ごめんごめん。ぷっ。あはははは」

「笑うな!」

 すべての元凶が! 絶対お酒飲ませただろ!

「お酒飲ませないでください!」

「あ、そっち!? ぷっ、悪い悪い。それは謝るから。くはは」

 おかしくてたまらないのをこらえてるみたいだった。何がおかしい。まさか!?

「まさか、僕何かしたんですか!?」

 そんな馬鹿な!? 僕はアルコール入ると性格変わるのか!?」

「いや、別にっふふ。未悠ちゃん、ぷっ、はかわいかったけど、悠杜君は特に何も。くははは。せいぜい、私の耳元で愛してるって言ってくれたくらいだよ」

「嘘だ!?」

 そんな、僕に限ってそんなことあるはずない! それに、相手が深草さんならまだしもバカノ先輩なんて99割ない!

「ごめんごめん、それは冗談。ぷっ、くふっ、アッハッハッハッハッハッハ!」

「何がおかしい!」

 ついに樟葉先輩は笑い転げてしまった。おい、こら。失礼だぞ。

「ゆう、と、君。かが、み」

 深草さんがそれだけ言って崩れ落ちる。山科さんは知らんぷりだ。まったく、何があったんだ? とりあえず洗面台を借りよう。そう思って見たところで気づいた。

 

 顔に髭が描かれていた。

 落書きされた。それも、サルバドール・ダリのような見事な。

「ええっ!? ってか落とさないと!?」

 慌てて水を顔にかける。うわ、冷てっ!

「って落ちないじゃん!? まさか油性ペン!?」

「アハハッ、それ、水で洗ったくらいじゃおちなっ、ぷっ」

「おい」

 無言で腹にぐーぱんした。それぐらいしても許されると思う。

「息が、息ができない! 助けて! アッハッハッハッハッハ!」

 知らん。すべての元凶だろうが。

 

 

 

「よし、それじゃあ今日は祇園で自由時間だ。全員眠そうだが、大丈夫か?」

「大丈夫です……」

「それなら大丈夫だな」

 橋本先生が言う。いや、大丈夫じゃないんだが。というかなんで生徒会長たちまで眠そうなんだよ。本当に大丈夫かこの生徒会。あ、先生も。

「ところで、伏見のマスクはどうした?」

「なんでもないです。聞かないでください」

 僕は髭が取れなかったので、マスクをしていた。これなら、流石に怪しまれないし、見られずに済む。白々しくもバカノ先輩が聞いてきた。

「何かあったの?」

「お前のせいだお前の!」

 絶対バカノ先輩のせいだ! これじゃ顔を見せられないじゃないか!

樟葉先輩「それじゃあ、これとこれとこれ、ください(お酒を籠に入れる)」

作者「それじゃあ1640円ねー」

 年齢確認しろ!

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