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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
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そこの『恋人』自重しろ!

 二条城を観光し、お昼を食べた後は伏見稲荷である。嫌な予感しかしない伏見稲荷である。

 ちなみに、お昼ご飯は各自自由にということなので、近くにあったハンバーガーやで僕は済ませた。たまにはジャンクフードというのもいいものだ。ベジタブルバーガーだったけど。ちなみに『恋人』は喫茶店に、樟葉先輩はラーメン屋に入っていった。深草さんと山科さんは僕と同じである。

「あの、京香? 悠杜君と何かあった? できれば仲良くしてほしいなーって」

 山科さんが深草さんに呆れるような目を見せる。

「ほら、だって2人が気まずいと、私までなんかイヤーな空気になるからさ」

「すいません。いくらお姉さまでも、こればっかりはできません。私は食べ終えたのでこれで」

 そう言うと、山科さんは去って行ってしまった。

「あれは、完全に僕が悪いので、山科さんに非はないです」

「ねえ、悠杜君。何をしたの?」

 ちょっと近い近い近い! なんかいいフルーツのような香りもするし。ってちがーう! 深草さんはかわいらしいんだからもっと気をつけないと! 僕が恋愛に興味ないってことにしてるからよかったものの!

 慌てて身を引いて言った。

「いえ、山科さんとある計画をしていたんですけど、バレちゃいけないのにうっかりばらしちゃって。そのせいで計画がおじゃんになっちゃって」

「今からでもなんとかならないの?」

「父親にも相当怒られましたし、たぶん無理です」

「え、悠杜君のお父さんも関係してるの?」

 しまった! 変なことを漏らしてしまった。

「え、まあ、一応」

「お父さんに、直接頼んでみたら。手伝ってって」

「そうですね。どうしても無理なら、そうするしかないかもしれません。ああ、ゴミ捨ててきますよ」

 そう言って、紙くずをまとめて捨てに行く。でも、あの父親が納得するとは思えないんだよな。となると、直接山科さんに頼みに行くしかないけど……。

「深草さん。僕が死んだら、線香をあげてください」

「何を言ってるの?」

 

 

 

「お昼食べ過ぎたー」

「知らん」

 バカノ先輩が少しも苦しくなさそうに言う。本当に知らん。

「京都のラーメンってだしが効いてあっさりしてると思うでしょ。でも違うんだ。すごくこってりなの」

「で、何ですか。大盛でも頼んだんですか」

「おしいね。変え玉だよ」

 どうでもいい。ともかくこの食欲魔人は自分の限界というのを知らなさすぎる気がする。

「稲荷ずし食べたいもんね。おなかもっとあけとくんだった」

 限界も底知れぬらしいが。

「というか、ちょっと早すぎません。僕と深草さん結構遅れてますよ」

 ちなみに『恋人』はさらに後ろだったりする。

「んーそれじゃあ先に行ってるね。バイバーイ」

 そう言ってさっさと進んでいく。後には僕と深草さん2人が残された。

「ちょっと、休憩しませんか?」

「そうする? じゃあ、5分くらい」

 そう言って鳥居にもたれかかる。鳥居のトンネルみたいだ。

「上り坂もそうですけど、人が多いのもちょっと」

「外国人の人気ナンバーワンなんだってさ」

「確かに、壮観ですもんね」

 納得する。オレンジ色がずらーと並んでいるのは壮観の一言に尽きる。こんな景色なかなかないだろうしね。ちなみに樟葉トリビア曰く、願いが叶ったら鳥居を奉納する、というのが気づいたらこんなことになったのだとか。ちなみに最低15万円からである。生き残ったら奉納しようか。貯金下せばそれくらいあったはず。いや、就活のスーツの代金にしなければ。

「でも、これじゃあ体力のない人は大変なんじゃない? それに、1学年全部は無理だよ」

 流石は深草さん。忘れてた。これは旅行を兼ねた下見なんだった。

「でも、伏見稲荷で決定なんですよね?」

「ううん、違うよ。去年は延暦寺とかだったらしいし。樟葉先輩が提案したんだって」

 おのれバカノ先輩め。絶対ネタにするためだけにここ選んだだろ。

「これは要検討ですね」

「そだね」

 そんなことを話す。

「さて、そろそろ5分経つよ。早くいかないと」

「わかってますよ」

 重い腰を上げる。僕よりも元気がありそうである。

「ヤッホー、あれ、まだこんなところにいたんだ」

「バカノ先輩!?」

 あ、ついうっかりして馬鹿なことしてないのにそう呼んじゃった。

 あ、いや馬鹿なことか。だって上に行ったはずなのになぜか下から登って来たんだもん。

「何やってるんですか!?」

「え、何ってもう1週」

 なにそれ……。そんな体力ないし。たくさん食べる人は体力があるんだね。心の声が漏れる

「というか、それならおぶってほしい……」

「それじゃあ、ホテルの部屋まではなさ……」

「やっぱいいです」

 全力で拒否する。はて、まだまだ先は長そうである。

 

 

 

「ようやくホテルに着いた、くたくただよ」

「今、生徒会長がチェックインしてる」

 ホテルに着くころには足が棒になっていた。だって、バカノ先輩が後ろから追いかけるから。筋肉痛にならないようにマッサージしないと。

「それじゃあ、俺はここで。あんまり迷惑かけるなよ。じゃあな」

 橋本先輩がひきこもる。ああ違った先生だ。だいぶ疲弊してるな。

「よし、それじゃあ部屋割りを発表する」

 鍵をもらってきた『恋人』の片割れが言う。どうやら3部屋らしい。妥当なところだろう。僕、生徒会長は決定として、要注意人物(バカノ先輩)のと一緒の部屋は石田先輩かな? 学年的に。

「まず201号室。俺、琳」

「ちょっと待てー!?」

 大前提から違った。

「というか、どういうことですか! 不順異性交遊ですか! 不順異性交遊する気なんですか!? というか、生徒会の旅行でそんなことをするな!」

「落ち着け伏見。見苦しい」

「誰の台詞だ!」

「我々は恋人だぞ。不順ではない」

「屁理屈だ!」

 絶対アウトだろアウト。教師は!?

 

 そうだった……。消えてる。事なかれ主義者め!

「それに、僕どうするんですか! 女子と2人きりになりますよ! 深草さんはまずいし、山科さんでも樟葉先輩でも僕の身がやばいです!」

「ちょっと悠杜君落ち着いて」

 樟葉先輩の言葉なんかにかまってられるか。山科さんは僕の命がヤバイ。樟葉先輩は貞操がヤバイ。というか、男子と女子を1部屋という時点でおかしすぎる。というか最初から屁理屈ばっかじゃん。

「おい、伏見。誰が、部屋割りは2・2・2だと言った?」

「へ?」

 あれ、どういうこと?

「部屋割りは我々、女子3人、伏見の2・3・1だぞ」

「ええー!?」

「だから言ったのに」

 樟葉先輩が言う。まさか知ってたのか!? 普通は2・2・2だと思うだろ!

「あれ、ひょっとしてゆーくん期待した?」

「それだけはない」

 バカノ先輩に振れることだけは絶対にない。

「そもそも、219号室は一人部屋だからな」

 そう言って生徒会長からなし崩し的に鍵を渡される。

「絶対確信犯だろ!」

「さあな」

 そこの『恋人』自重しろ!

作者「あ、橋本先生書くの忘れた。それに間違えた」

橋本先生「そこ直して!」

作者「でも、主人公視点ならない方が自然か。直すの面倒だし、そのままにしとこ」

橋本先生「ちょっと待てー!」

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