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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
どうして義妹(姉)ができるんだ!
100/181

なんで僕が支払うことになってるんですか!

祝100話!

それと50万PVも達成してました! ありがとう!

 いつも通り深草さんの家でアルテミスとアポロンの様子を見た後、土曜日なのでバイトで『シャルロット』へと向かう。

「私も、お兄ちゃんについてく」

「あ、それなら私も今日は早めにお邪魔しようかな」

 葵の一言で深草さんまで引き連れて。まあ、いいけれど。

「こんにちは。あれ?」

「ああ、悠杜君。いらっしゃい」

 カフェ『シャルロット』には十条さんの他に女性が一人来ていた。年齢は、十条さんと同じくらいだろうか。

「あの、どなたですか?」

「ああ、彼女は三宅翼(みやけつばさ)。私の高校の時のクラスメイトだね」

「千秋にはいろいろと世話になったからね」

 三宅さんが言う。クラスメイトだったんだ。

「ということは、四宮高校出身なんですか?」

「そうだよ」

 深草さんの問いに答える三宅さん。彼女は大人びていて、どちらかというとかわいいではなく美しいといった印象を抱いた。

「翼には旅行の間、フクロウの世話を頼んでたんだ」

「千秋のフクロウ好きは高校の時からだからね。大学に入って飼い始めて、それで大学出たらフクロウカフェを開いたって聞いたけど、こんなにたくさんいるとは」

 三宅さんの肩にはソフィアが止まっている。ソフィアをなでる手は慣れた人の手だ。それに、大分なついているようにも見える。フクロウ好きに悪い人はいないしね。ただし、調子に乗る人は除くけど。

「まあ、私もフクロウは嫌いじゃないからね。それに、千秋には大きな貸しがあるし」

「それはこの件で忘れてくれって言ったろ」

 そう言って笑う2人は20年来の親友みたいに見えた。千秋さん確か23だけど。

「翼おねえちゃんは千秋お兄ちゃんの彼女なの?」

 そして爆弾発言を落とす我が従妹よ。そういうのは自重しような。

「え、あれ、どういうこと?」

 深草さんも混乱してるし。

「違うって。私は千秋の恋人じゃないから」

「それじゃあ元カノさんですか?」

「んー、強いて言うならばそんなとこ、かな?」

 そう言って三宅さんは少し悪戯っぽく笑った。この人は少し艶っぽいな。

「それじゃあ、私はそろそろ行こうかな。あ、千秋。せっかくだから占い頼める? 恋愛で」

「だったら、私の一番弟子の出番かな。ほら、悠杜君」

「え、僕ですか?」

 十条さんから指名される。それじゃあ、行きますか。

 胸ポケットに入れていたタロットカードを取り出し、机の上に広げる。シャッフルして1枚選んでもらう。

「これは、何?」

「これはカード番号10『運命の輪』の逆位置ですね。正位置ならば、ターニングポイントといった意味や、チャンス到来など、これから運勢が上向きになっていくことを表します」

「ということは、いい結果なの?」

「いえ、残念ながら。これは逆位置ですから、意味するのは別れやすれ違い、アクシデントなど、どちらかというと悪い意味を持ちます。これからは少し運命に翻弄されそうですので、気をつけてください」

 ほっと一つ息を吐き出した。

「どうですか、十条先生」

「85点。甘い。それに切り替え速い」

「仕方ないじゃないですか」

 相手が十条さん以外なら今までで一番の点数だけど、手放しでは喜べないか」

「はは、千秋の占い馬鹿も相変わらずだね。それじゃあ、私はこれで。今からレッスンなんだ」

 そう言うと三宅さんは風のように去って行ってしまった。後から話を聞いたが、三宅さんは実は声優の卵らしい。それはともかく。

「そういや、今日は新しいお客さんが来てるんだね。開店時間はまだだけど」

「ほら、葵、あいさつする」

 十条さんが葵を目ざとく見つける。

「水無瀬葵です。こっちの悠杜お兄ちゃんの従妹です」

「水無瀬? っていうことは茜は」

「はい。私の姉です」

 どうやら、十条さんと茜さんには面識があるらしい。それにしてもうちの葵は、中途半端なところで礼儀がなっているのかなっていないのか。

「よし、悠杜君。今日は営業時間を早めるよ」

「いいんですか?」

「そういうわけで、今から開店だ」

 個人経営の店だから、そういう融通も聞きやすいらしい。

「そういうわけでいらっしゃいませ。1時間と3時間のコースがございますがどちらになさいますか?」

「ちなみに、フリータイムならば4000円になります」

 初耳です。今料金設定したでしょ、この人。

「じゃあ、フリータイムで」

「あ、私も」

「あれ、葵、そんなにお金持ってるの?」

 深草さんも乗ってきたところで疑問が一つ浮かぶ。

「お兄ちゃんよろしくね」

「じゃあ、アルバイト代から引いとくね」

「あ、ちょっと!」

 それ、ブラック企業もいいとこなんじゃないですか! いや、十条さんはブラックじゃないと思うけど。

「ついでに私の分もお願い」

「了解。それじゃあ、悠杜君案内お願いね」

「深草さんまで!」

 特に使い道がないとはいえ、ちょっと横暴すぎませんか!? なんで僕が支払うことになってるんですか!

「これくらい、器量を見せてあげなよ、悠杜お兄ちゃん」

 十条さんがそう言って笑う。深草さんは葵にフクロウと触るときの注意点を説明してる。

 

 もうやだこの店。

葵ちゃんと三宅さんは最終章で再び登場して大きな役割を担います。

400話くらいまで伸びそうだなぁ……

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