表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

かにんげん

作者: 木戸 愛樂

食べ物に感謝を…

「大紀、今日は奮発して夜ご飯は、かによー」

そう母が言って運んできたものは、こちらを見つめてくる《かに》だった。


「自分の部屋で食う」

「たまには一緒に…」

「黙れ、ババァ!」

反抗期まっただ中の俺は親に反抗しまくりだった。


ガチャ

そんな時の俺には、自分の部屋だけが家の中で唯一落ち着ける場所だった。

「おれ蟹嫌いだし…」


ガチャ

「うっ、風強ッ」

窓の外は春先といえどまだまだ寒いようだ。




視線

どこから…?ふと下に目をやると《かに》がこっちをじっと見ていた。

「邪魔だ!」

春の夜空に蟹が舞う。









なんで…






やはり《かに》はこっちを見ていた。


ー朝ー


「母さ~ん」

「…」

二階からだと聞こえないのだろうか。


ガチャ

「母さん!」

「…カサ、カサ」

音に反応し下を見ると、そこは真っ赤…

「これは…」










《かにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかにかに》

「えっ、か、かあすふぁん、母さぁんぅ!」

階段までびっしり。


グチャ、ビチャ、バキ!ブチャ。


踏むしかない。というか踏まずにいられなかった。 

一階のテーブルには多分、昨日の蟹が…かにが…かに…




《かに》





テーブルまでというか全て蟹に多い尽くされていた。

だが台所の一角だけに蟹が集まっていなかった。


あそこなら…


近づいていくにつれ母の足らしきものが見える。


よかった…


「かあ…」

そこは真っ赤だった。でも違う。朝見た赤と違う。

あぁ、これは…










血だ。

人間の二倍ほどの大きさの《かに》が母の頭を食べ、今ちょうど

首に突入しているところだった。

目があった。


あぁ、こいつは…


「なんだお前、食べてほしかったのか?でもそんなにでかくなったら

食べれねぇよ。食べられなかったから、喰う…か。

でも俺やっぱり蟹嫌いだから。」


キッチンに有った包丁を取る。


パチンッ!


時には包丁もハサミに負けることも在るようだ。

皆さん、

「いただきます」

「ごちそうさま」

は本当に大事な言葉ですよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] うん、「食事の時の挨拶」って重要だと思う! それを伝えてくれるいい作品だね!
2017/05/01 15:23 退会済み
管理
[良い点] 読ませていただきました!!(*´▽`*) 私もホラーを書いていますが、このような発想は無かったです!!かなり勉強になりました!! 最後の終わりかたも私は大好きです!! いつか一緒にホラーを…
2017/04/30 19:54 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ