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明くる朝
裏口のドアを開けて、階段を駆け上がる。
白い蛍光灯に照らし出された空間から、真っ暗な廊下へと走る。
壁沿いに置かれている様々な物に足をかけないように注意しながら出口へと向かう。
「おはようございます。」
挨拶をしながら事務所へと入る。
声をかけたのはいいものの、各持ち場に行ってしまったようで中には誰もいなかった。
狭い隙間を縫ってタイムカードを押す。
カウンターへと顔を出すと、すでに木村さんが来ていた。
「あ、おはようございます。」
「おはよー。ねむいね。」
携帯から顔を上げ、あくびをしながら言った。
「がんばりましょー。」