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4.ドラゴン狩り

 ぐう、と腹が鳴る。


「腹が減ったな……」


 魔力を使うと、腹が早く減ることが分かった。

 調子に乗ってリンゴの木を生やしまくってしまったのが原因かもしれない。


「でも、こっちのほうが景観はいいしな」


 家の前にリンゴ畑が出来ている。いい景色だ。

 ただ、それと引き換えに空腹がきている。


「おやつでも作って来ましょうか、主様?」


 サクラはそう言ってくるが、この減り具合。

 おやつ程度じゃ物足りない。


「肉が食いたいな」

「お肉ですか」


 出来れば、缶詰とかじゃなくて新鮮な肉がいいのだが――


「あ」


 空を見上げると、丁度好さそうな肉が飛んでいた。


「ドラゴンって食べれるんだよな」

「はい。私が自然の木々に聞き集めた情報によれば、美味な部類とのことです」


 そういえば魔女姫も言っていたっけ。高価で取引されるって。

 ならドラゴンでいっか。ドラゴン食おう。


 魔女たちに上げたのは、ちょっと惜しいことしたけど、また取ればいいのだ。

 そもそも、アレでかすぎたしな。


「今回は、手ごろな大きさの龍をっと……」


 空をじーっと見て捜す。

 どうやらこの魔力、体にもいい影響を及ぼしているみたいで、視力は上がっている。

 だから、空を飛ぶ竜の大きさ程度は比較できる。


 大きいの、中くらいの、超大きいの。うようよと飛んでいるけれど、


「おっ、いい獲物がいた」


 その中でも、小柄なのがいた。

 小さい分、他よりかなり動きが早く見えるが、大きさ的には丁度いい。


「――」


 何故か俺の家の近辺低空を煽るように飛んでいて、非常に迷惑だし、丁度いい。

 外皮が虹色だが、まさか毒ってこともあるまい。


「あ、聞き忘れてたけど、サクラってドラゴンの肉をさばいたりできるか?」

「ええ、お任せください主様。情報を集めるついでに、一通りの知識は学んでおりますので。それに、魔力があれば何でも出来ますとも」


 頼もしい自宅である。ならば、さっさと獲物をゲットせねば。


「俺は肉を食いたい!!」


 心のままに、俺は大声を天に向けて放った。

 そのまま声は衝撃となって、突き進み、命中するが、


「――!?」


 小柄なドラゴンは、突如として身をひるがえした。

 避けられたか。

 いや、ちょっとはかすった筈だが、それでも落ちて来ない。


「ふむ、この声じゃ射程範囲が狭いのか。威力が弱まったのか。避けられちまった」


 大声の射程は、経験上、恐らく数十メートルはある。

 だが、ドラゴンは地上から百メートル以上離れているから、勢いが減衰しているのかもしれない。


「なら、避けさせないようにすればいいか」


 俺は、二本のリンゴの木に魔力を使う。


「――天を突け!」


 命令されたリンゴは、俺のイメージ通り、天高く伸びる!

 そして、その体を持って、ドラゴンの前後をふさいだ。


「~~!?」


 進路と退路をふさがれたドラゴンは混乱し、一瞬止まる。

 それがチャンスだ。

 今度は大きく息を吸って、意思を持って叫んだ。


「落ちろ!!」

「グギアアアアアアッ……!!」


 先ほどよりも速い衝撃がドラゴンの方に突き進み、ブチ当たった。

 虹色ドラゴンはそのまま墜落してきて、どうっと倒れた。。


「よし、狩り完了」


 完全に動かない。仕留めたようだ。


 どうやら魔力というものは、明確に目的を伝えた方が威力も上がるらしい。

 二重の意味でいい収穫だった。


「よしよし、肉だ肉だ」


 小柄といってもドラゴンはドラゴン。

 体長は一メートルほどもある。食いでがありそうだ。


「大物ですね、主様」

「おう、さばいてくれ。腹が減った」

「了解です」


 そのままドラゴンはステーキになってもらった。美味かった。

 血液など残滓はリンゴ畑の傍に埋めて、肉の残りは魔力で作った氷で冷やす事にした。

 自給自足生活も悪くない。


次は深夜に更新を予定しています。 

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