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第七魔導小隊戦記(仮)  作者: 仙崎無識
第一部:魔導師試験
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続・仲間集め

ライラ・ホークウッドというやんごとない(らしい)お嬢様兼後衛職の人との邂逅から十数分後。




俺たちがキイスを探し回っていると、キイスは何やら不思議な雰囲気の男性と話をしていた。




「お疲れ~キイス。お前回復系統1位だったな、凄えじゃん」


カインがキイスの肩を叩く。


「うん、お兄ちゃんたちもお疲れ様。ケガとかない?あったら僕が今治すけど…」



キイスの労いと申し出に、首を横に振ることで答えておく。


「大丈夫。怪我するようなことは無かったから」



やっぱ凄いな、キイス。というより、回復系統便利すぎるだろ。



「で、この人は・・・」


改めて向き直ると、不思議な雰囲気の男性はニコリと微笑んで一礼した。



「初めまして。私はフラム・マギラと申します。予知系統の受験生でして、先程キイス君と出会ってお話をしていたところなんですよ」


フラムさんは、水色の髪に、左目が黄色、右目が蒼という珍しい風貌の好青年って感じの人だ。


「俺は、アーク・トゥエイン。隣に居るのがカイン・ソリダスター。俺たちは二人とも前衛職です」



よろしくお願いします、と二人で頭を下げている。




「アーク君とカイン君ですか。君たちはキイス君とは・・・」


「昨日出会ったばっかりで、同じ宿に泊まっています」


「確か、性質(タチ)の悪い受験生に絡まれていたキイスを助けたところ、アークとキイスが隣村同士だったんだよな?」



俺たちが説明するキイスとの関係を興味深そうに聞くフラムさん。そんなに真剣に聞く話でもないような気がしないでもない。



「そうなんですか。・・・一つ、提案があるのですが」


フラムさんが指を一本立てる。


「何でしょう?」



「明日の模擬試合ですが、君たちはキイス君と組む予定でしょう?」


先程キイス君に確認したところ、前衛はアテがある、と言ってましたから、とフラムさんが理由を加える。



「え、ええ・・・」

「まあ・・・」



俺たちは頷くことしかできない。


「それならば、明日の試験、私とも組みませんか?」


いや、むしろこの提案は好都合かもしれない。


予知、後衛、回復全員揃っているのだ、何の問題もない。


だが、こんないかにもデキそうな人と俺たちが組んでもいいのか?



まあ、それを言うならキイスもそうだが。




「フラムさん、後衛の方は・・・」


一応確認してみると、彼は首を横に振った。


「すみません、何しろこの受験のために辺境から出てきたものでして」



なんだか、無駄に親近感が湧くな。


「先程、ライラっていう弓遣いの女の子が後衛をやりたいと俺たちに言ってくれたので、彼女に任せようと思っているのですが、どうでしょう?」



俺の提案をフラムさんが快く受け入れる。


「どのみち後衛を任せられる人は見つかっていないのですから、彼女に任せましょう」



何せ、チームを組めなければその時点で失格、ですからね。



サラッと怖いことを言ってのけるフラムさん。




そんな話、前衛職の俺たちは聞いてない。




「まあ、これで全系統が揃ったので後は登録するだけ、ですね。申し訳ないのですが、私はこの後所用で直ぐにシニストラまで出掛けなければならないので、登録だけ済ませてもらっても良いですか?」



シニストラ・・・首都よりも西の街か。


「それは構いませんが、あの・・・俺たちなんかと組んでもいいんですか?」



提案された時から気になっていたことを口にすると、


「人を見誤るようなことがあれば予知系統失格ですよ」


それでは、登録お願いしますね。



そう言って、フラムさんは去って行った。




「かっけ~な」


「そうだな」


「そだね」



俺たちは"戦乙女の宿木"亭に戻ることにした。




登場人物紹介

アーク・トゥエイン:赤髪黒目の少年。山間の村ローン出身。15歳。前衛職。星天魔導遣い。武器は魔導剣。

カイン・ソリダスター:黒髪黒目の少年。首都ファリア出身。15歳。前衛職。幻惑魔導遣い。武器は魔導短剣。

キイス・ハイヴェルト:金髪碧眼の少年。ローンの隣村ミクラン出身。10歳。回復系統職。回復魔導・操作魔導遣い。

フラム・マギラ:水色の髪に、左目が黄色、右目が蒼色という風貌の青年。18、19歳くらい。

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