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呪法奇伝  作者: 武無由乃
第一章 蘆屋の呪術師
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第十話 世界魔法結社(アカデミー) その2

加西サービスエリアまで下りた一行は、そこから車で佐用へと向かった。

その途中の旅路で、イサが真名に話しかけてくる。


「なるほど、それでは、レスターを倒したのはそちらのお嬢さんだったのですね」


「ええ、なかなか面白い魔法を使ってきましたが…」


「なるほど、あの『同一存在』を見てなお勝利したと。ほほう…」


イサは興味深そうに真名を見た。それを見てウルズは「ケッ」と吐き捨てると言った。


「あんなもん。みんな速攻で殺せばいいだけの術じゃねえか」


「まあ、あなたならできるでしょうけどね…」


イサはそう言って苦笑いした。


車は、佐用に入り、さらに山奥へと入っていく。そして、道摩府へと続く小さなトンネルへと差し掛かった。


「ここから先が、我々の領域、道摩府になります」


車の運転手である獅道さんがそう答える。ウルズはそれを聞くと目が細く鋭くなった。

車はさらにトンネルを抜けて、道摩府の鎮守の森へと入っていく。


「ほう…これは」


イサが驚いた声を上げた。


「もしかしてあれが、妖魔族の隠れ里ですか?」


「はいそうです。一応人間も住んでいますが」


獅道がそう付け加える。

車はさらに、防街門をこえて市街地へと入っていく。


「ほう…これは、まるで人間の街ですね」


それを聞いてウルズが「チッ」と舌打ちする。イサはそれを気にした様子もなく続ける。


「なんと近代的な街でしょうか…。東京にも負けていませんよ」


イサは観光客のように周りをきょろきょろと見た。


さらに、車は蘆屋一族本部の屋敷へと向かう。車は本部屋敷の門の前に止まった。


「ここが、蘆屋一族宗家の屋敷にございます。みなさまお疲れさまでした」


そう言って、獅道は車の扉を開ける。イサたち三人と、真名は車を降りた。


「ここに、レスターがいるのですね」


そうイサが真名に聞く。真名はすぐに答えた。


「はい、魔法を封印して閉じ込めております」


「そうですか」


「では…道禅様がお待ちですので…こちらに」


そう言って真名は、三人を促した。三人は言われるままに真名についていった。


そして、八天の間。そこに蘆屋道禅はいた。


「道禅様。世界魔法結社アカデミーの特務の方がいらっしゃいました。」


「そうか入れ」


そう言うが早いが、突然ウルズが襖を勝手に開いて、ずかずかと入っていく。


「ウルズ!」


イサがそう言って止めようとするが、全く聞く耳持たずといった感じであった。


「なあおい。お前が日本の妖魔どもの親玉か?」


「いや、親玉とかそんな偉いもんじゃないよ」


「まあ、どっちでもいいや。それで?

 レスターはどこにいるんだ? なあおい」


「今から、こちらに連れてくる予定だが…」


「どっちにしろ。ここにいるんだな? なあおい」


「ああそうだ」


ウルズは、ソウェイルとイサの方に向き直って言った。


「なあおい。もう茶番はいいだろう?

 ぶっちゃけ、俺もう我慢できないんだわ。この妖魔臭い所はよ」


「ウルズ…私としてはレスターを確認してから。…と思っていたのですが。

 ほんとせっかちですね」


その二人の会話を聞いて、道禅の目が細くなる。


「それはどういったことですかなお客人?」


その言葉にウルズがケタケタ笑いながら返す。


「もう観光ごっこは終わりってことだ。なあおい。レスターを回収して…

 この蘆屋一族とかいうやつもつぶさせてもらうぞ」


その言葉を聞いて真名が立ち上がる。


「何を! 我々は世界魔法結社アカデミー所属の土御門と同盟関係で…」


「しらねえよそんなの。こっちは世界魔法結社アカデミーの上層部からの命令なんでな。なあおい。

 世界魔法結社アカデミーの秘術っを知った可能性のある、辺境の妖魔組織をつぶして来いって話だ」


それを聞いて道禅が笑った。


「ははは…。確かに俺たちは辺境の妖魔組織…。

 とても分かりやすい理由だな」


ウルズは笑っている道禅を見て、ニヤリと不気味に笑う。


「なあおい。余裕ぶっこいてるのも今のうちだぞコラ。

 俺たち三人は世界魔法結社アカデミーの最高戦力である特務なんだからな」


それを聞いて、真名は真剣な表情で身構えた。


道摩府、それも蘆屋本部内で前代未聞の戦いが始まろうとしていた。

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