表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪法奇伝  作者: 武無由乃
序章
11/202

第二話 正義の炎 その5

老婆は明らかに様子が変だった。なにか焦っているような、引き攣った表情を浮かべている。

老婆はスッ…っと潤の方に近づくと、夕方のときのように一回会釈をする。そして、何か訴えるように口をパクパクと動かす。

潤には老婆の声が聞こえなかったが、その思いは心に直接伝わってきた。どうやら近藤に何かあったらしい。自分には近藤を助けるような義理はないが、最近の火事の事もある。潤は老婆に頷くと言った。


「案内してくれ」


老婆はそれを聞くとうれしそうな表情をして、音も立てずススッっと滑るように児童公園の中を横切っていく。訳のわかっていない操を置いて潤は老婆の後を追った。


「なに~? いきなりどうしたの?」


操は慌てて潤を追いかける。


「何か嫌な予感がする」


潤はそれだけ言うと児童公園を抜けて反対側の道路へと駆ける。今は詳しく説明している暇はないだろう。操はそれを聞くと何かを悟ったような表情で潤の後に続く。老婆の後を追い、道路に出てそこを道なりに進み、T字路を右に曲がってしばらく。不意に潤を”ゾクリ”という感覚が襲った。


(…この先に何かいる! さっきのお婆さんじゃない何か!!)


そうして道なりにしばらく走っていくと、明らかに様子のおかしい家にたどり着いた。


「…!!」


それは操にもハッキリ見えた。『近藤』と表札のある二階建ての一軒家、その二階の窓の向こうが赤く瞬いており、窓の隙間から煙が漏れていたのだ。


「火事?!!!」


そう…近藤宅の二階の内部が燃えていたのだ。潤は急いで操に声をかける。


「消防に電話!!」


「うん!!」


操はそう答えると、急いでポケットから携帯電話を取り出してかけ始める。

潤が再び、煙が漏れている二階の窓に目を向けると、そこに怪しい何かの影を霊視た。

潤たちを案内してきた老婆はそれを指差してなにやら訴えると、玄関の扉をすり抜けて内部へと向かう。

中で何かが起こってる。明らかに普通ではない何かが。潤はシロウに「ここで待て」と命令すると、急いで玄関の扉をあけて中へと駆け込んでいった。


「ちょっと! 潤!?」


背後から操の焦ったような声が聞こえる。

その先で待ち受けていたモノが、自分のその後の運命を変えることになるとは、このときの潤はまったく気づいていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=984391252&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ