表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

猫は知っている

作者: 小村るぱん

 僕は△マークのボタンを押す。

 やって来たそのエレベーターの中に、一匹の猫が乗っていた。

 エレベーターに猫?

 まあそんな日もあるか。

 堂々としていて出ていく様子もないので、お邪魔して扉を閉める。

 エレベーターは僕と猫を乗せて、階上に進む。

 しばしの沈黙。

 僕が猫の顔色をちらっと窺うと、呑気にあくびをしていた。

 何だか僕も気が抜ける。

 気が抜けてついおならが出た。

 豪快な一発が小さな空間に響く。

 エレベーターは5階で止まる。

 一人の女性と入れ替わりに、猫は出て行った。

 若くて綺麗なその女性は、入ってくるなり鼻に手をやって、顔をしかめている。

 まずい。

 慌てて僕も、鼻を押さえる。

 とっさに口をついて出るセリフ。

「猫でもおならをするんですね」

 扉が閉まろうとする時、猫はこちらを振り返り、僕をぎろっと睨んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ