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京の里

ノアは蛇が小さく見えるほど遠くに飛ばされ、海に落ちた。


直後、大爆発によりノアは大波にのまれてしまった。ノアは衝撃で気を失い、秋田県の県北の海岸に流れ着いた。


数時間か数日か、どれくらい気を失っていただろうか。ノアが目を覚ますと日が暮れ、真っ暗になっていた。


身体中が痛みで震え、起き上がることができない。辺りに堕鎮だてんの姿は無いため、しばらく横になったまま動かずいることにした。


数十分後、なんとか身体を動かせるようになり、痛みに耐えながら立ち上がり姿を隠せそうな茂みに向かい歩き出した。


1歩踏み出す毎に全身に痛みが走る。早く身を隠せる安全な場所で休みたい。焦ってはいけないと自分に言い聞かせ、冷静に辺りを警戒しながら進む。


意識が朦朧とし始め足元がおぼつかなくなり、ふと気を抜いた瞬間、足元の地面が崩れノアは下へと落ちていった。


「痛てて、ついてないな…。」


目を凝らし辺りをよく見てみると洞窟のようになっており、堕鎮も入ってこないような地形だった。


「ちょうどいい。ここで休もう。」


ノアは端の方に腰を下ろし気絶するように眠った。


目を覚ますと、落ちてきた穴から陽の光が射し込んでいた。


痛みがだいぶ引いていたため、洞窟から出て茂みを進むことにした。


とはいうものの、どこを目指して進めばよいのか全く分からない。ブレイクがいれば分かったのかもしれない。だがそんなことを言っても仕方がない、とりあえず堕鎮に気づかれないように先を急ごう。


茂みを進んでいくと森に入った。これでさらに姿を隠しやすくなった。しかしこれまで1匹も堕鎮を見かけていない。人がいる感じもしないし、ここら辺には堕鎮がいないのだろうか。


そんな願望を抱いていたのだろうか。警戒をしていなかったわけではない。だが、いくらか気を抜いていたのかもしれない。木の裏にいる堕鎮に気が付かなかった。


「ーーーっ!!」


目が合ってしまった。


堕鎮は叫び声を上げ襲いかかってきた。


右腕の振り下ろしを間一髪で避け、ノアは一目散に逃げる。さっきの叫び声を聞いて他の堕鎮も寄ってくるかもしれない。そうなる前に逃げ切らなければと、姿を隠せそうな場所を探す。


ガシッ!!!!!


ノアは右肩を掴まれた。堕鎮に追いつかれてしまった。


勢いよく右肩を引っ張られ、ノアは後ろによろけ転んでしまった。


堕鎮は転んだノアを見下ろし、嘲笑っている。


複数の茂みを走り抜ける音が聞こえる。茂みから3匹の堕鎮が飛び出してきた。


ノアは4匹の堕鎮に囲まれてしまった。顔が引き攣る。


どうやって切り抜けるか。石を投げつけて隙ができた所を駆け抜けるか。いや、どうせ追いつかれる。一体くらいは倒せるか。いや、並の身体能力じゃ無理だ。他には……。


この場を切り抜ける手段を考えるが、自分一人の力だけじゃどうしようもないという答えしか出てこない。


堕鎮たちが少しづつ距離を詰めてくる。猫が鼠を狩るかのような光景だ。


ドスッ!!!ドドドドドド!!!!!


急に1匹の堕鎮が遠くに飛んでいった。初めは何が起きたのか理解できなかったが、すぐに馬に蹴り飛ばされたのだと解った。


続いて他の3匹もその馬に蹴り飛ばされ、見えなくなった。


「大丈夫!?」


翼の生えた白馬の上には人間の女性が乗っている。20代前半くらいの容姿のその女性は桃色の髪色をしており、短パンにブーツを履き、桃色のロングシャツを羽織るという見たことのない服装をしている。


「ごめんね、遅くなっちゃって。すっごい殺気と神器を使う気配とそこから離れていくエネルギーを感じて近くまで飛んできたんだけど、大爆発が起きて君の気配を見失っちゃって。1晩中探したんだけどなかなか見つからなくてさ。いやぁ見つかって良かったよ!ギリギリセーフだったけどね。」


「あの、ブレイクの知り合いの人、ですか?」


「あぁ、あれ、ブレイクだったんだ…。そうだよ!ブレイクから話聞いてるかもだけど一応自己紹介。私、雪月風花!天の馬の所有者だよ。よろしくね!」


やはり、この人が探してた人だ。ノアはここまでの旅の目的を話した。


「なるほどぉ、そういうことか。ごめん、イヴ様の今の居場所は私にも分からないんだ。でもなんとか探してみるよ。その間私たちの里にいなよ。それが1番安全だし、見つかったらすぐに行けるからさ。ね?」


どうやらキョウトという所に、ハイドの国ほどではないが機械たちが集まり暮らしている里があるらしい。イヴの居場所が分かるまで、ノアはそこでお世話になることにした。


「じゃあ私の後ろに乗って!すぐに着くから。」


ノアは風花の後ろに乗りしっかりと掴まった。


「じゃあ行くよ!」


バサァァァァァァ!!!!!


馬は天高く舞い上がりある所まで上昇すると停止した。


次の瞬間、ノアは眩い光に襲われた。


「ノア君、着いたよ!」


ノアが目を開くと山奥の里の入口に着いていた。


「えっ!こんなに早く着くんですか!?さっきの場所から近いんですか?でもあの辺りと感じが違うような…。」


「あ〜だよね、私も最初そんな感じだったよ。私の神器天の馬は一瞬で場所と場所を移動できるんだ!瞬間移動ってやつかな。」


ブレイクの神器もすごかったけど、この神器もすごいとノアは驚いた。そしてノアはあることに気がついた。


「あの、ここけっこう人が集まってるのに辺りに堕鎮が全く見当たらないのはどういうことなんでしょうか。国のように壁も無いようですし、ここら辺の地域は堕鎮が出ないんですか?」


「あ〜いるよ堕鎮。近寄ってこないだけで。この里は長の結界で護られてるの。今からその長に会ってもらうね!しばらくお世話になるわけだし、もしかしたら君のその異常についてもいくらか知ってるかもだし!」


ノアは里の1番奥の長い階段を登り、山奥の大きい平屋に案内された。


山奥の開けた場所に建つ木造の平屋はどこか神秘性を感じ、ノアはその風景に見入った。


「風花、その子が客人かい?」


声のした方向を見ると、長い白髪の和服を着た男が立っていた。


「はい、先生。しばらくここに置かせてほしいのですがよろしいでしょうか。」


「構わないよ。機械が何人増えようと何も困らない。むしろ賑やかになっていいんじゃない?それに、訳ありのようだしね。」


ノアはその男に違和感を抱いた。機械とも人間とも堕鎮とも違う、不思議な雰囲気のする男だ。


「あぁ、すまない。自己紹介が遅れたね。僕の名前は鬼一。鬼一法眼と呼ばれることが多いかな。なに、ただの暇を持て余した天狗だよ。しばらくの間よろしくね。」

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