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実戦

2ヶ月後のある日、ノアは鬼一の屋敷の裏庭であずまと模擬戦をしていた。


「ふぅ…負けたよ、ノア。ここ数週間はずっと負け越してる。最初は勝負にもならなかったのに。」


「皆のお陰だよ。ここの人たちは里を守りたいからもっと強くなるっていう向上意識が高いからね。俺も負けられないって頑張った。」


「お前はほんとに飲み込みが早いよな。私も負けてはいられない。すぐにまた膝を折らせてやる。」


2人が模擬戦を終え休憩していると鬼一が話しかけてきた。


「ノア、今日も元気そうだね。じゃあ予定通り実戦しに行こうか。」


(あー……。先生の中での予定通りだ。)


「はい…!」


「うん、じゃあ行くよ。着いてきて。」


(あ、今からなんだ。)


「じゃあまた後で、四。」


「ああ、またな。」


里の入口まで鬼一に着いていくと天の馬と話している風花が待っていた。


「あ!先生、ノア、待ってましたよ!」


「ありがとうね、風花。ノア、今から君には里の外に出て実際に堕鎮だてんと戦ってもらう。里から少し離れた場所まで風花に連れていってもらいなさい。」


「ほんとにいきなりですね。本物の堕鎮とですか…。」


「大丈夫。風花が近くに待機していてくれるから、何かあっても安心だよ。それに君は本当に強くなった。たとえ堕鎮に囲まれたとしてもそう簡単にはやられないだろう。」


「そうだよ!頑張って!!」


「分かりました。やれるだけやってみます。」


「私はやることがあるから着いていけないんだ。すまないね。気をつけるんだよ。」


ノアと風花が馬に乗ると馬は嘶き、次の瞬間里から離れた森の上空へ移動した。


「じゃあノア、行ってらっしゃい。」


「うん。」


ノアは馬から降り下降していく。そして地面にぶつかる前にエネルギーを放ち衝突を避け無事着陸した。


大きな音を立てたため多数の堕鎮がノアの周囲に集まってきた。


ノアは大きく深呼吸をし全身にエネルギーを巡らした。


堕鎮の集団の手前から1体ずつ確実に倒していく。


(いける!これなら全部倒せる!)


群れの中に飛び込んでいき次々に堕鎮を倒していく。


風花はその光景を上空から見下ろしている。


「ノアすごいよ。堕鎮の数がどんどん減っていってる。これは帰ったら四の前に私と模擬戦だな!」


ノアが最後の1匹を倒したと同時に風花が上から降りてきた。


「すごいねノア!これくらいはやれるだろうと思ってたけど、予想以上の動きだったよ!さっすが私の弟弟子!」


「ありがとう。自分でもびっくりしt……っ!!!」


その瞬間、2人は異様な禍々しい強大な殺気を感じた。


しばらくすると、森の中に巨大な黒い影が現れた。


「ーーーっ!!!!!」


ノアはその影に見覚えがあった。


いつも笑顔の風花が殺気を放ち口を開く。


「蛇…!貴様、よくもブレイクを殺してくれたな!!」


「あぁ、天の馬の所有者よ。やっと見つけたぞ。鎖は奪えなかったが、馬はもらっていくぞ。」


「殺してやるよ。乗れ!ノア!」


蛇は無数の黒い光線を放ってきた。


ノアは天の馬に飛び乗り、馬はノアを乗せると勢いよく飛んだ。


天の馬は光線を避けながら蛇の周りを旋回する。


「ノアごめん。威勢のいいこと言っておきながら私の馬はあれを倒せるほどの力が無い。近づければワンチャン手がなくもないけど、避けるので精一杯だよ。」


「近づけたとして、具体的にはどうするの?」


「まず、天の馬のエネルギー出力を上げて私のエネルギーで覆う。そして蛇に突っ込む。すると綻びが生じる。だいぶ馬に無理させるから突っ込んだ後はしばらく動けなくなるんだ。だからノアがその綻びが生じた所を攻撃して止めを刺す。」


「な、なるほど。俺が、止めを…。やるしかないよねっ。」


「うん、お願いね。でもその前に近づく方法を考えないと。このままじゃ全然近づけない!」


(どうすれば……。)


ドォォォォォォォォォォ!!!!!!!


光線を避けながら近づく方法を考えていると、2人の周囲を砂嵐の渦が包む。


「やぁ、ごめんね。色々あって駆けつけるのが遅れてしまった。あの光線は僕に任せてくれないかい?」


「先生っ!!!!」


「砂嵐を消すよ。準備して!」


鬼一が起こしていた砂嵐が止み、再び蛇の姿が見えた。


「お前は、鬼一法眼か。幸運だな。現状で最も邪魔な3人のうちの1人をここで消せるなんてな。」


「強がりはやめた方がいいよ?正直、ダサいよ?」


「ふん、まぁいい。どうせ全部消えるんだ。」


蛇が再び光線を放ち始めた。


鬼一は羽団扇を構え、無数の炎の弾を放ち光線を打ち消している。


「さぁ、今のうちに。」


ノアと風花は急上昇し蛇の真上で止まった。


「じゃあ、よろしく。ノア。」


「ああ、そっちも。」


ノアは馬から降り、蛇に向かって急降下していく。


風花が天の馬の出力を上げると周りが黄金に輝きだした。それを風花のエネルギーで覆い蛇目掛けて突撃した。


だが、蛇の装甲が硬く一撃を入れられない。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


風花はさらに出力を上げた。身体にとてつもない負荷がかかり血を吐きながら突撃し続ける。


ドォォォォォォォン!!!!!!!


天の馬は蛇の身体を貫き遠くの森へ落下した。


光線が身体をかすりながらノアは風花が開けた穴に向かい落下していく。


「おおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


光線をすり抜けながら落下しノアは穴の付近に剣を突き刺した。そこからありったけのエネルギーを蛇に流し内側から攻める。


すると蛇の身体の周囲に電流が走りノアは感電したが攻撃をやめなかった。蛇の攻撃が激しくなり、もう少しで倒せると確信した。


(やばい、意識が……。)


激しいエネルギー消費と電撃の影響で意識を失いそうになったとき、鬼一の投擲が蛇を貫く。


(電撃の威力が落ちた!今だっ!!!)


蛇に隙が生まれ、ここしかないと思ったノアは渾身の一撃を蛇に与える。


ノアのエネルギーが蛇の身体の内側全体で暴れ、蛇は爆ぜ跡形もなく消し飛んだ。


蛇の爆発の影響で付近の森や大地が吹き飛んだ。



ノアが目を覚ますと鬼一の屋敷の一室だった。


「おや、やっと目を覚ましたか。君、1週間眠ってたんだよ。」


「先生……。っ、蛇は!?風花は!?」


「落ち着いて。蛇は倒せたよ、君のお陰でね。風花もあの後しばらく満身創痍だったけど、翌日にはピンピンしてたよ。」


「良かった…。」


「悪かった、すぐに駆けつけることができなくて。」


「いえ、ありがとうございました。先生が来てくれなかったら倒せなかったかもしれませんし。」


「どうかな。まぁ、まだ身体を動かしにくいだろうからゆっくり休みな。」


その後、ノアは安心したのかすぐにまた眠った。

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