小説の文章にはダイエットを
文章のダイエット? 何言っているんだと思われましたよね。
ずばり、重言、二重表現などと呼ばれる言葉です。
『車に乗車』『馬から落馬』『お金を入金』『一番最初(最後)』『被害を被る』『予め予約しておいた』『後で後悔』などなど。
『車に乗車』『馬から落馬』『お金を入金』は、説明は不要かと思います。
『一番最初』
最も初め。それより前がないですから、同じ意味の『一番』は重言となりますので不要。一番最後も、同じ理由です。
『被害を被る』
害を被る。被害で、害を被る事は分かっています。それがどうなったのか? 被害を受けたとなります。
『予め予約しておいた』
予めしていた約束。予約に、予めと入っていますね。予めは不要です。
『後で後悔』
後で悔いるですから、『後で』は不要。
……と、色々あります。
ただ、ついつい言ってしまう言葉もありますね。
とりあえず、応急処置しよう。
存亡の危機。
春一番の風。
後ろから羽交い締めに。
とりあえず施す処置が、応急処置。
存亡の危機は、正しくは存亡の機。
春一番が、風の一種類です。
羽交い締めは、後ろからしか出来ません。
口頭よりも、文章として見ると重言は分かりやすいと思います。
修飾語に同じ文字が使われている事が多いので、落ち着いてチェックすればすぐに分かると思います。
落ち着けば、字は違っていても、同じ意味の言葉が重なっているのも見付けられるでしょう。
文章にダイエット、分かって頂けたでしょうか?
文章に、不必要な文字は一文字も要りません。 文章はしっかり、ダイエットしましょう!
―終―