表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
立会人~検事Aの隠匿~   作者: 信濃橋のうさぎ
1/1

第1話「密命」

登場人物


美藤検事・・・最高検察庁のエリート検事。夢は女性初の検事総長に就任する事。


野村検事・・・東京地検西東京支部の検事。優秀だか、性格はかなり自己中。


中本・・・東京地検西東京支部の支部長。平和に穏便に定年を迎えたい。


大将・・・美藤検事が通う居酒屋の店主。美藤検事を昔から知る。


武仲・・・最高検察庁監察指導部部長。次期検事総長の最有力候補と言われている。

20年前~警視庁管内の公園


ホームレスの男性の遺体が発見された。死因は刺された事による出血死。

逮捕されたのは公園近くの定食屋の店主。逮捕時の年齢は52歳。

事件の影響により、定食屋は閉店を余儀なくされた。



現在~検察庁監察指導部部長室


検察庁監察指導部部長の武仲が、ある人物が訪れるのを待っていた。

ドアのノックがなり、検察庁の美藤検事が入ってきた。


「部長、お呼びでしょうか?」


「忙しいところすまないねぇ。まぁ掛けて。」


「はい。失礼します。」


美藤検事が座ると、武仲は立ったまま話し始めた。


「青森の一件が片付いたばかりの君に頼み事をするのも申し訳けないんだが、頼まれてくれるかな?」


「はい。なんでしょうか?」


武仲はデスクの引き出しから書類が数枚入った封筒を取り出した。書類にはある人物の経歴が書かれていた。


「部長、この方は?」


「東京地検西東京支部の野村検事だ。実は彼の事でよくない噂が流れていてね。君に彼を調べてもらいたい。」


「よくない噂・・・とは?」


「よくない噂はよくない噂。これ以上は話せない。強いて言えばこの件は永田町絡みの一件だということかな。」


美藤は何かを察して頷いた。


「とりあえず君には表向き、左遷という形で西東京支部に移動いてもらう。怪しまれないようにね。」


左遷という言葉が引っ掛かった美藤検事だが、上司からの密命ゆえにしたがうことにした。



数日後~東京地検西東京支部支部長室


支部長の中本と野村検事が話していた。


「支部長、どうせろくな女じゃないですよ。飛ばせれ左遷なんて。」


「まぁまぁ。若くして本部のエリート検事なんてすごいじゃない。仲良くしてよ。」


「仲良くって・・・」


野村がふてくされた顔をして答えるとノックがなった。


「どうぞ。」


中本が答えると美藤検事が支部長室に入って来た。


「本日付で・・・」


美藤検事が言いかけると、野村検事が話を遮るようにして話し始めた。


「堅苦しいのはいいから。よろしく。」


「はぁ。よろしくお願いします。」



同日夜~都内居酒屋


「大将おかわり!」


そう言って美藤検事が空のビールジョッキを差し出した。


「飲みすぎだよ。もう止めときな。」


店の大将が止めるのも無理はない。来店してからすでに6杯目。


大将に止められた美藤検事は唸り声をあげたのち、そのまま眠ってしまった。


店の大将や従業員からすれば、これはいつもの光景だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ