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31 心境

ルネは必死に、泣くのを堪えていた。彼は今後も辺境に必要な人、だから笑顔を向けたかったのに。鼻の奥がツンとして今にも涙が零れそうになる。




「…レーヌ様こそ、俺が何者だろうと、今までと変わらないでいてくれるか?」



こちらに向けた背中から、静かな声が響く。こんな事を聞くだなんて、この関係が続くのかと期待するというのに。ルネの勘違いかもしれない。だが、これで友人に戻るとしても、最後に嘘は吐きたくない。情けなくてもいい。




ぐちゃぐちゃになる感情を宥めて、正直な気持ちを伝えた。




「勿論よ、ダンが好きだもの」




「…そうか。俺もレーヌ…ルネを想う気持ちに変わりはない」




偽りではなく本当の名で呼ばれれば、自分を受け入れてくれた喜びをジワジワと実感していく。ずっと堪えてきた、涙が零れていた。先程とは、理由が変わっていたけれど。



「ありがとう、私もよ」




後ろ姿のダンが、勢いよくフードの付いたマントを脱ぎ捨てた。




「良かった、姿を見ても心変わりはしないで欲しい」




彼の素顔を目にしたルネは、ヒュっと喉を鳴らして立ち尽くした。





また見て下さい!

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