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28 抵抗

どのくらいその状態が続いたろうか、辺りが淡く輝き、漆黒の渦が白く変化していく。浄化されるようにも見え、ルネは一瞬ホッとしかけたが、渦は晴れず空も暗く荒れ狂ったままだった。



「…この程度で、ルネを奪おうとした訳?」




「…何で、こんな事をするの…」



涙を流しながらモーリスを見つめ、怯える声で呟いた。



「何故ってルネが大切だからだよ。…あんな男の為に、そんな顔するの?ダメだよ。…悪い子には、お仕置きが必要だね」



ルネの顎を指で上に向け、僅かに震える唇にモーリスは己の唇を重ねようとした。ルネは抵抗したくても、身体がいう事を聞かない。目を閉じ身構えた、…その時。




白く光る渦がキィィンと高音を立てて、シャラシャラと粉々に弾けた。




ルネとモーリスが一斉に音の方を見ると、傷一つないダンが佇んでいた。変化があるとすれば、目印とも言える黒いフードが少しだけ白く埃をかぶった位だろうか。



「ダン、無事なのね!良かった…」



ポロポロと喜びの涙を流すルネを横目に、モーリスがチッと舌打ちをする。




「ふうん、あれを耐える…か。いい加減、目障りだ、消えてよ」



右手でルネの頬を撫で、良い子で待ってるように念を押すと、ダンに向き直り近づいて行く。



「大切な人すら守れないなら、生きる意味などない」



「はっ、騎士気取りか。ならば、その志を塵にしてやるよ」



先程、砕け散った白い渦の欠片が、モーリスの右手に集まっていく。小さい拳大の魔力は、強烈に白く発光していた。



「闇魔法に強くても、こっちは耐えられるかな?」



ニヤリと口元が弧を描き、ダンに向けて狙いを定めた。





また次回も見て下さい。

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